妊娠前から葉酸は摂取したほうがいい?|摂取量や方法、葉酸サプリの選び方をご紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

お腹の赤ちゃんの健康的な成長のために妊娠初期に摂取すべきと言われている葉酸。

そもそも葉酸とはどんな栄養素なのか、なぜ必要なのか、摂取量や摂取方法、妊活中や妊娠中におすすめのサプリの選び方など葉酸に関するさまざまな疑問を解説していきます。

この記事でわかること

  • 葉酸って何?
  • なぜ葉酸が妊活中に必要なの?
  • 葉酸の摂取量と摂取方法
  • 葉酸サプリの種類と選び方
  • 妊活中の葉酸以外に必要な栄養素

葉酸とは

葉酸は、ビタミンB群の一種であり、主に緑黄色野菜やレバーなどに含まれています

葉酸は水溶性ビタミンの一つであり、体内では貯蔵されず、定期的な摂取が必要です。

葉酸の主な役割は、細胞の成長と分裂を促進することです。特に妊娠初期には、胎児の正常な神経発達に不可欠な役割を果たします。

また、葉酸は赤血球の形成や免疫機能の維持にも関与しており、全身の健康にも重要です。

葉酸の効果としては、以下のようなものがあります

  • 胎児の神経系に起こる奇形の予防
  • 奇形のリスクの低減
  • 赤血球の生成と貧血の予防
  • 免疫機能のサポート
  • 神経系の正常な発達

特に妊娠を希望している方にとっては、葉酸の摂取は非常に重要です。

正しい量の葉酸を摂取することで、胎児の健康な発育をサポートし、将来の健康リスクを軽減することが期待されます。

どうして妊娠前から「葉酸」を飲む必要があるの?

妊娠前から葉酸を摂取する理由は、胎児の神経が出来始める前に体内に葉酸を蓄える必要があるためです。葉酸は体内で貯蔵されず、短期間で消費されてしまいます。

妊娠がわかってから葉酸を摂取すると遅すぎる可能性があります。

妊娠前から葉酸を摂取することで、胎児の発育に必要な葉酸の量を確保し、神経の奇形リスクを低減することが期待されます。

医師や栄養士の指導を仰ぎながら、妊娠前から葉酸を積極的に摂取することが大切です。

妊娠前から「葉酸」を摂取する方法

妊娠前から葉酸を摂取する方法について解説します。

妊活をサポートするために、葉酸の摂取は非常に重要です。葉酸サプリメントを活用することや、食事からの葉酸摂取に注意することがポイントです。

葉酸サプリメントで摂取する

葉酸サプリメントは、妊娠前からの葉酸摂取に便利な方法です。

食事だけでは十分な葉酸を摂取するのが難しい場合があるのです。

特に緑黄色野菜やレバーなど葉酸が豊富な食品を摂取できない場合や、食生活のバランスを欠いている場合には、サプリメントが補完的な役割を果たします。

また、葉酸サプリメントは摂取量を正確にコントロールできます。

妊活中は、適切な葉酸の摂取量が重要ですが、食事だけでは具体的な摂取量を把握しづらいことがあります。

葉酸サプリメントを利用することで、推奨される摂取量に近い数値を確保することができます。

ただし、葉酸サプリメントを利用する際は、信頼性の高い製品を選ぶことが重要です。

葉酸の摂取量

妊活において、葉酸の適切な摂取量を把握することも大切です。

妊活中の女性には、400〜800マイクログラムの葉酸を普段の食事に追加して摂ることが推奨されています。

ただし、個人の体質や状況によって必要な葉酸量は異なるため、医師や栄養士に相談することがおすすめです。

適切な葉酸摂取量を確保することで、妊活における葉酸の効果を最大限に引き出すことができます。

葉酸の摂取は、妊娠前から意識して行うことが重要です。葉酸サプリメントの活用や適切な摂取量の把握によって、健康な妊娠に向けた一歩を踏み出しましょう。

妊娠中や産後も摂取していいの?

妊娠初期~中期は、食事摂取基準の葉酸量に加えてさらに240µg/⽇を摂取することが望ましいとしています。

妊娠中期以降も、お腹の赤ちゃんが元気に育つために、葉酸を含む多くの栄養素を十分に摂る必要があり、サプリでの摂取が推奨されています。

妊娠後期以降、産後は、授乳によって栄養を届けるため、授乳中は通常の摂取量より100㎍多い340µg/⽇の摂取を推奨しています。

葉酸サプリの選び方

妊活・妊娠中の栄養補給のサポートとして葉酸サプリを選ぶ場合、どれを選んだらいいかわからないという方も多いはず。

選ぶポイントとして、以下を確認してみましょう。

  1. 葉酸が含まれている量
  2. 葉酸の種類
  3. 配合されている栄養素
  4. 価格

それに加えてサプリ形状や飲みやすさなども比較し、自分にあったサプリを選びましょう。

  1. 葉酸が含まれている量:特に妊活中・妊娠初期の女性は一日に400μgの葉酸を摂取できるものを選ぶようにしましょう。
  2. 葉酸の種類:「ポリグルタミン酸型」と「モノグルタミン酸型」があります。ポリグルタミン酸型は体への吸収率が約50%で、モノグルタミン酸型の倍の量を摂取する必要があるので、含まれている葉酸がどちらのタイプかを確認しましょう。
  3. 配合されている栄養素:妊活、妊娠中は鉄分、ミネラル、カルシウム、ビタミンなどの栄養素も必要です。特に妊婦さんが不足しがちな鉄分やカルシウムが含まれるか確認しましょう。多種のビタミンが含まれているものであれば複数のサプリを摂取する必要がありません。
  4. 価格:妊活の時期から産後までとなると長く続けることになります。価格の面でも続けやすいコストパフォーマンスの高いものを選びましょう。

おすすめの葉酸サプリメントは?

「エレビット葉酸サプリ」は、150年以上の歴史をもつバイエル薬品株式会社が販売しているサプリメントです。

全工程を医薬品製造と同等の厳しい品質管理のもとで製造していますので、安心して摂取できます。

葉酸配合量を他商品と比較すると、800μgと妊娠初期の必要量の倍量となっていますが、サプリメントからの葉酸摂取上限値は1,000㎍ですので問題ありません。

葉酸含有量 800μg
鉄分量 21.5mg
カルシウム分量 125mg
葉酸以外の栄養素 12種類のビタミンと6種のミネラル

妊娠前に取り入れたい「葉酸以外」のおすすめ成分

妊娠前、妊娠中は、葉酸以外に取り入れたい栄養素があります。特に、鉄分などのミネラルやビタミンDは不足しやすいため、積極的にサプリなどで摂取するようにしましょう。

鉄分

「鉄分」は、赤血球のヘモグロビンを作るのに必要な栄養素で、不足するとヘモグロビンが十分に作られないため貧血になります。

妊娠中は、胎児に栄養を運ぶためにさらに多くの血液が必要となり、不足すると母親が貧血になるだけでなく、お腹の赤ちゃんへの酸素供給も不足してしまう可能性があります。

厚生労働省は、妊娠初期は通常推奨量に追加して+2.5mg/日、中後期は+9.5mg/日の鉄分摂取を推奨しています3)。

ビタミンD

日光を浴びることで合成されるビタミンDも不足しがちです。ビタミンDはカルシウムの吸収にも関係しており、不足が続くと骨粗しょう症などの原因になります。

赤ちゃんの骨格を形成するのにもカルシウムとビタミンDが必要であり、妊娠中も十分に摂取することが大切です。

ビタミンDは、「サーモン、サバ、干し椎茸」などの食事から摂取することもできますし、足りない分はサプリで補うとよいでしょう。

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妊娠を考えているなら、ホルモン検査キットもおすすめ

妊娠に向けた身体の状況や今の体調にホルモンがどう影響しているかをセルフチェックできます。

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まとめ

妊娠を考える女性にとって、妊娠前から葉酸の摂取は重要です。葉酸は胎児の神経形成に関与し、健康な発育に必要な栄養素です。

妊娠前からの葉酸摂取は、胎児の発育をサポートするために必要な量を確保するために重要です。

葉酸サプリメントを活用することで、適切な摂取量を手軽に摂取することができます。

妊活においては、葉酸の摂取とホルモンの状態の把握が重要です。

医師や栄養士との相談をしながら、適切な葉酸の摂取量やサプリメントの利用方法を確認しましょう。

妊活をサポートするために、葉酸の摂取とホルモンのチェックを組み合わせたアプローチを取りましょう。

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