お腹の赤ちゃんの健康的な成長のために妊娠初期に摂取すべきと言われている葉酸。そもそも葉酸とはどんな栄養素なのか、なぜ必要なのか、摂取量や摂取方法、妊活中や妊娠中におすすめのサプリの選び方など葉酸に関するさまざまな疑問を解説していきます。
この記事でわかること
- 葉酸って何?
- なぜ葉酸が妊活中に必要なの?
- 葉酸の摂取量と摂取方法
- 葉酸サプリの種類と選び方
- 妊活中の葉酸以外に必要な栄養素
葉酸とは
葉酸は、ビタミンB群の水溶性のビタミンであり、余った分は体外に排出され体内に貯めておくことができないので、毎日摂ることが必要となります。また、葉酸は代謝にも関係し、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の生合成を促し、細胞の生産を助けます。特にお腹の赤ちゃんにとっては大切な栄養素であり、妊娠を考えている妊活中から妊娠期、そして産後にかけても摂取することが推奨されています。
なぜ葉酸は妊娠前に必要な成分なのか?
妊娠初期の葉酸摂取により、胎児の、二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖障害の発症リスクが低減することが多くの研究によって報告されています。欧米、特に米国では穀類食品への葉酸添加の義務化などが進み、神経管閉鎖障害児の発症を減少させる動きがあります。1)日本でも2000年に厚生労働省から、妊娠可能な年齢の女性に対する葉酸の摂取に関する通知が出され、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減できる可能性を述べています。2)
妊活の味方!葉酸を取り入れる方法
体の成長に必要な葉酸、どのくらいの量をどのように摂ったらいいのかわからないという方も多いはず。特に妊娠を望んでいる女性や妊娠中の女性は胎児への影響なども気になります。ここでは摂取量の目安、取り入れ方法、摂取に際しての注意事項などをご紹介します。
葉酸の摂取方法
葉酸は、サプリメントと食事で摂るのが理想的で、厚生労働省は、妊娠前1カ月から妊娠後3カ月の期間は、食事に加えてサプリメントで葉酸を摂ることを推奨しています。葉酸は、わかめ等の海藻類や野菜類などの植物性食品、また、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。葉酸を摂るための偏った食事も良くありませんので、バランスの良い食事を心掛けることが必要です。
1日の摂取量
厚生労働省は、葉酸の目安摂取量を「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に示しています。18歳以上の大人であれば、1日あたりの食事摂取推奨量は240㎍とされています。2)また、妊活中~妊娠初期の女性に対しては、食事に葉酸サプリなどを加えて400µg/⽇の葉酸を摂取することを推奨しています。
妊娠中や産後も摂取していいの?
妊娠初期~中期は、食事摂取基準の葉酸量に加えてさらに240µg/⽇を摂取することが望ましいとしています。妊娠中期以降も、お腹の赤ちゃんが元気に育つために、葉酸を含む多くの栄養素を十分に摂る必要があり、サプリでの摂取が推奨されています。妊娠後期以降、産後は、授乳によって栄養を届けるため、授乳中は通常の摂取量より100㎍多い340µg/⽇の摂取を推奨しています。
葉酸サプリの選び方
妊活・妊娠中の栄養補給のサポートとして葉酸サプリを選ぶ場合、どれを選んだらいいかわからないという方も多いはず。選ぶポイントとして①葉酸の含有量 ②葉酸の種類 ③配合されている栄養素 ④価格を確認してみましょう。それに加えてサプリ形状や飲みやすさなども比較し、自分にあったサプリを選びましょう。
- 葉酸の含有量
特に妊活中・妊娠初期の女性は一日に400μgの葉酸を摂取できるものを選ぶようにしましょう。 - 葉酸の種類
「ポリグルタミン酸型」と「モノグルタミン酸型」があります。ポリグルタミン酸型は体への吸収率が約50%で、モノグルタミン酸型の倍の量を摂取する必要があるので、含まれている葉酸がどちらのタイプかを確認しましょう。 - 配合されている栄養素
妊活、妊娠中は鉄分、ミネラル、カルシウム、ビタミンなどの栄養素も必要です。特に妊婦さんが不足しがちな鉄分やカルシウムが含まれるか確認しましょう。多種のビタミンが含まれているものであれば複数のサプリを摂取する必要がありません。 - 価格
妊活の時期から産後までとなると長く続けることになります。価格の面でも続けやすいコストパフォーマンスの高いものを選びましょう。
エレビット葉酸サプリ:
https://www.shop.bayer.jp/elevit/?=202207131038550236
150年以上の歴史をもつバイエル薬品株式会社が販売しているサプリメントです。全工程を医薬品製造と同等の厳しい品質管理のもとで製造していますので、安心して摂取できます。葉酸配合量を他商品と比較すると、800μgと妊娠初期の必要量の倍量となっていますが、サプリメントからの葉酸摂取上限値は1,000㎍ですので問題ありません。
葉酸含有量 | 800μg |
---|---|
鉄分量 | 21.5mg |
カルシウム分量 | 125mg |
葉酸以外の栄養素 | 12種類のビタミンと6種のミネラル |
葉酸以外にも紹介!妊娠前に取り入れたいおすすめ成分
妊娠前、妊娠中は、葉酸以外に取り入れたい栄養素があります。特に、鉄分などのミネラルやビタミンDは不足しやすいため、積極的にサプリなどで摂取するようにしましょう。
鉄分は赤血球のヘモグロビンを作るのに必要な栄養素で、不足するとヘモグロビンが十分に作られないため貧血になります。妊娠中は、胎児に栄養を運ぶためにさらに多くの血液が必要となり、不足すると母親が貧血になるだけでなく、お腹の赤ちゃんへの酸素供給も不足してしまう可能性があります。厚生労働省は、妊娠初期は通常推奨量に追加して+2.5mg/日、中後期は+9.5mg/日の鉄分摂取を推奨しています。3)
日光を浴びることで合成されるビタミンDも不足しがちです。ビタミンDはカルシウムの吸収にも関係しており、不足が続くと骨粗しょう症などの原因になります。赤ちゃんの骨格を形成するのにもカルシウムとビタミンDが必要であり、妊娠中も十分に摂取することが大切です。ビタミンDはサーモン、サバ、干し椎茸などの食事から摂取することもできますし、足りない分はサプリで補うとよいでしょう。
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まとめ
葉酸は、妊活中、妊娠中、そして産後まで、女性の身体とお腹の赤ちゃんの健康をサポートする大切な栄養素です。食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントで効率よく摂取することをお勧めします。葉酸のサプリには、多種のビタミンやその他の栄養素が含まれるものも多くありますので、妊活や妊娠中に必要な鉄分、カルシウム、ビタミンD等がバランスよく含まれるものを探して効率よく摂取するようにしましょう。また、サプリだけに頼らず、バランスのよい食生活を心がけるようにしましょう。
参考文献
1) 佐藤(三戸)夏子, 瀧本秀美 葉酸と胎児発育.ビタミン 82 (1): 19-23, 2008
2) 厚生労働省「x日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1677062/
3) 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを」21-22,2021