40歳で妊娠したい!リスクと妊娠するために必要な改善ポイントを解説!

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

女性の社会進出や晩婚化などにより、30代後半や40歳になってから出産する女性が増えていることをご存知ですか。

年齢があがるにつれて妊娠確率は減少し、妊娠したくてもできない女性が増えるのも事実です。この記事では40歳からでもできる妊娠確率をあげる方法や様々なリスクを減らす方法について解説しています。

40歳前後で妊娠について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 高齢出産とその妊娠確率について
  • 40歳での妊娠におけるリスク
  • 40歳からの妊娠で気を付けるポイント

40歳で妊娠したら高齢出産になる?

高齢出産の定義ははっきりと示されていないものの、日本産科婦人科学会では、「35歳以上の初産婦を高齢初産婦と呼ぶ」としています。

欧米のガイドラインでも、生殖年齢における高齢出産とは、妊孕性の低下が顕在化する36歳以上と説明しています1)。以上のことから一般的には40歳で妊娠した場合、高齢出産と言えるでしょう。

年齢を重ねていくにつれて、流産や赤ちゃんが障害をもって産まれてくるリスクなどが高まることが考えられます。40歳で妊娠した場合、高齢出産になることについての説明をお願いします。

40歳の妊娠確率

女性の社会進出により30代や40代で結婚する女性が増えました。それに伴い、30代40代で妊娠する女性も増えています。

しかし、現実には妊娠適齢期と言われている20代と比べると、妊娠する確率は低下していきます。35歳を過ぎた辺りから自然妊娠の確率は下降線をたどり、40代になると一周期の自然妊娠率はわずか5%と言われています。

また、一年以内の妊娠確率は20代前半であれば100%近いものの、30代後半以降では60%台にまで減少します。

40代になると卵子はどう変わる?

40代になると卵子の質と数が著しく低下します。女性は生まれた時に持っている卵子の数が最大で、年齢とともに減少していきます。特に35歳を過ぎると急速に減少し、40代では卵子の数が大幅に少なくなります。 加齢とともに卵子の質も変化します。卵子の染色体異常が増加するため、受精しても正常に発育しない可能性が高くなります。これが40代で流産リスクが高まる主な理由です。卵子の質の低下は、ミトコンドリアの機能低下や酸化ストレスの増加など細胞レベルの変化によるものです。 また、40代では排卵自体が不規則になることも多く、月経周期が短くなったり長くなったりと変化が見られます。これらの変化が総合的に妊娠確率を低下させる要因となっています。

40代の体外受精の成功確率は?

40代の体外受精の成功確率は、年齢が上がるにつれて顕著に低下します。日本産科婦人科学会のデータによると、40歳では採卵あたりの出生率が約10%程度ですが、43歳では5%以下に、45歳ではさらに低くなります。 成功確率が低下する主な理由は、前述した卵子の質と数の減少です。体外受精では複数の卵子を採取しますが、40代では採取できる卵子の数自体が少なく、さらにその中で質の良い卵子の割合も低下します。そのため、良好な胚が得られる確率が若い世代に比べて低くなります。 ただし、個人差は大きく、AMH(抗ミュラー管ホルモン)値や卵巣予備能などの検査で卵巣機能が良好であれば、40代でも成功する可能性は十分にあります。また、卵子提供という選択肢を考えることで、妊娠の可能性を高めることもできます。 いずれにしても、40代で体外受精を検討する場合は、早めに専門医に相談し、個人の状態に合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。

40歳の妊娠はどのようなリスクがある?

年齢があがるにつれて、流産率や難産および早産、染色体異常症、出産後の子宮復古不全など様々なリスクが増加します。また、妊娠中は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病で治療が必要となることもあります。それぞれについて解説します。

流産率の上昇

年齢が上がるにつれて、流産率は上昇します。米国における調査では、35歳未満の妊婦と比較し35歳から40歳未満の流産率は2倍、40歳以上では2.4倍に増加すると報告されています2)。

妊娠初期の流産は、染色体異常が原因と言われています。加齢に伴い卵巣内の卵胞の数が激減しますが、卵胞数の減少とともに月経が不規則になり、卵子の染色体異常の頻度も増加すると言われています。

難産・早産

難産や早産のリスクが増加することも懸念事項のひとつです。妊娠37週0日から41週6日までは正産期と呼ばれ、赤ちゃんが十分に成長し子宮の外に出ても問題ない時期と言われています。

それ以前の22週0日から36週6日までに産まれると早産と定義されており、胎児の成長が未熟な状態で産まれてくるため、合併症などに注意が必要になります。

40歳以上の高齢妊娠では早産のリスクが上昇するという報告があります。

また、赤ちゃんが産まれる時に通る産道や子宮口は年齢があがるとともに固くなってきます。そのため赤ちゃんが通るのに時間がかかりやすくなる、つまり難産のリスクが増加します。

 

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は、年齢とともに増加する産科合併症です。母体年齢が40歳を越すと妊娠高血圧症候群の発症頻度は約8%となり、35歳未満の妊婦と比較するとほぼ2倍になるという報告があります2)。

また、母体死亡の18%が脳梗塞や脳出血が原因と言われており、脳出血例の28%は妊娠高血圧症候群を背景に持っていたことはわかっています2)。

妊娠高血圧症候群が重症化すると、赤ちゃんの発育が悪くなったり、出産前に胎盤が子宮の壁から剥がれて赤ちゃんに酸素が届けられなくなる病気のリスクが高くなるなど母子共に危険な状態になる可能性があります。

 

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発見された糖代謝異常のことで、妊娠前から診断を受けている場合や、妊娠中でも妊娠とは関係のない明らかな糖尿病と診断された場合は妊娠糖尿病には含めません。

母体が高血糖になると赤ちゃんも高血糖となり、様々な合併症を引き起こす可能性があります。母体側は、羊水の量に異常が生じたり妊娠高血圧症候群を併発しやすくなります。

赤ちゃん側は、巨大児や生まれた後の低血糖、それによる入院などが生じる可能性があります。

 

染色体異常

染色体異常は、大きく数的異常と構造異常に大きく分けることができます。数的異常とは、本来2本ペアである染色体が3本だったり、1本だったりする異常のことです。

構造異常とは、染色体の数は正常ですが、一部が欠けていたり、位置が変わっている異常のことを言います。数的異常は、年齢に依存して増加します。

例えば40歳で妊娠の場合、胎児のダウン症発症リスクは1/100と言われていますが、20歳でのダウン症発症リスク(1/1,700)と比べて著しく高いことがわかっています2)。

なお、構造異常のリスクは年齢が上がっても増加することはありません。

 

子宮復古不全

子宮復古不全とは、産後に子宮の収縮が悪く、妊娠前の元の大きさに戻らないことを言います。高齢出産の場合、この子宮復古不全を引き起こしやすくなると言われています。

ほかにも、分娩に時間を要した場合や多胎分娩、巨大児分娩も子宮復古不全を起こしやすく、年齢だけが原因ではありません。

しかし、高齢出産の場合、産道や子宮口が固くなり分娩に時間がかかるケースがあり、子宮復古不全のリスクが高くなります。

 

40代での妊活の種類

40代に入ると自然妊娠の確率は低下しますが、様々な妊活方法があります。個人の状況や年齢によって適切な方法は異なるため、まずは産婦人科医に相談して自分に合った方法を選ぶことが大切です。不妊検査を受けることで、自分の体の状態を把握し、効率的に妊活を進めることができます。特に40代では時間が限られているため、早めの行動が重要になります。

タイミング法

タイミング法は、排卵日前後の時期に性交渉をもつことで妊娠確率を高める方法です。40代では自然排卵が不規則になっていることも多いため、基礎体温の測定や排卵検査薬を使用して、より正確に排卵日を予測することが重要になります。
排卵は一般的に次の月経開始日から逆算して14日前頃に起こります。精子は女性の体内で3〜5日間生存可能なため、排卵日の2〜3日前から排卵日にかけての性交渉が妊娠確率を高めます。基礎体温が低温期から高温期に変わる直前が排卵日の目安となります。
ただし、40代ではタイミング法だけでの妊娠確率は20代・30代と比較して低くなるため、3〜6ヶ月程度続けても妊娠に至らない場合は、次のステップとして人工授精や体外受精などの不妊治療を検討した方が良いでしょう。

人工授精・体外受精

人工授精は、排卵のタイミングに合わせて、精子を子宮内に直接注入する方法です。精子が自然に子宮まで到達するのを助けるため、通常の性交渉よりも妊娠確率が高まります。40代女性では、卵管の状態や排卵のタイミングを医師がモニタリングしながら行うため、より効率的に妊娠を目指せます。
体外受精は、体外で卵子と精子を受精させ、受精卵(胚)を子宮に戻す方法です。40代女性では最も成功率が高い不妊治療法となります。ホルモン剤を使用して複数の卵子を育て、採卵した後に体外で受精させます。近年では着床前診断技術により、染色体異常のない胚を選別して移植することも可能になり、40代女性の妊娠成功率と出産率の向上に貢献しています。
一般的に40歳以上の女性には、年齢による卵子の質と数の低下を考慮して、早めに体外受精に進むことが推奨されることが多いです。特に42歳以上では、時間をかけて他の方法を試すよりも、直接体外受精を検討することが効率的な場合もあります。

40代におすすめ|妊活のための検査

40代で妊活を始める際には、まず自分の体の状態を正確に把握することが重要です。年齢とともに妊娠の可能性は低下しますが、適切な検査を受けることで、個人の状態に合わせた効果的な妊活計画を立てることができます。特に卵巣機能や子宮・卵管の状態、ホルモンバランスなどを確認する検査は、限られた時間の中で妊娠確率を高めるために非常に重要です。ここでは40代女性におすすめの妊活検査を紹介します。

クラミジア検査

クラミジア検査は、クラミジア感染症の有無を調べる検査です。クラミジアは性感染症の一種で、無症状のまま卵管炎を引き起こし、不妊の原因となることがあります。特に40代では若い頃の感染が原因で卵管が閉塞している可能性もあるため、妊活の初期段階で確認しておくことが重要です。
検査は膣分泌物や尿を採取して行います。所要時間は検体採取自体は数分で、結果は1週間程度で分かります。費用は保険適用で3,000円程度、自費では5,000~8,000円程度です。 クラミジア感染が見つかった場合は、抗生物質による治療が必要です。パートナーも同時に検査・治療を受けることが再感染予防には重要となります。40代女性の場合、不妊期間が長くなることを避けるためにも、早めに検査を受けて対処することをおすすめします。

経腟超音波検査

経腟超音波検査は、膣から超音波プローブを挿入して子宮や卵巣の状態を詳しく観察する検査です。40代女性では特に、卵胞の数や発育状態、子宮内膜の厚さ、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病変の有無を確認することが重要です。
検査の流れは、まず排尿してから検査台に横になり、膣内に超音波プローブを挿入します。痛みはほとんどなく、所要時間は5~10分程度です。費用は保険適用で1,000~2,000円程度、自費では3,000~5,000円程度となります。 40代女性では、年齢とともに子宮筋腫や子宮内膜症などが増加する傾向があり、これらが妊娠の妨げになることもあります。経腟超音波検査で異常が見つかった場合は、それに応じた治療や対策を早めに行うことで、妊娠の可能性を高めることができます。月経周期に合わせて検査を行うことで、より詳細な情報が得られます。

下垂体ホルモン検査

下垂体ホルモン検査は、卵巣の働きを調節する下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)の値を測定する検査です。40代女性では特にFSHの値を調べることで、卵巣機能の低下度合いを評価できます。
検査は通常、月経開始から2~4日目に血液検査を行います。空腹状態である必要はなく、所要時間は採血自体は数分程度です。結果は医療機関によりますが、数日から1週間程度で出ます。費用は保険適用で3,000~5,000円程度、自費では6,000~10,000円程度となります。 40代女性ではFSHが高値を示すことが多く、それは卵巣機能の低下を意味します。FSH値が高い場合でも妊娠が不可能というわけではありませんが、治療方針の決定や妊娠の可能性を予測する重要な指標となります。早めに検査を受けることで、自分の体の状態に合わせた効果的な妊活計画を立てることができます。

甲状腺機能検査

甲状腺機能検査は、甲状腺から分泌されるホルモンの量を測定する検査です。甲状腺機能の異常は排卵障害や不妊の原因となることがあり、特に40代では甲状腺機能低下症が増加する傾向があるため、妊活前に確認しておくことが重要です。
検査は血液検査で行われ、TSH(甲状腺刺激ホルモン)やFT4(遊離サイロキシン)などの値を測定します。空腹状態である必要はなく、所要時間は採血自体は数分程度です。結果は1週間程度で出ます。費用は保険適用で2,000~4,000円程度、自費では5,000~8,000円程度です。 甲状腺機能の異常が見つかった場合は、適切な治療を行うことで排卵機能が改善し、妊娠の可能性が高まることがあります。40代女性では特に、妊娠した後の母体や胎児への影響も考慮して、事前に甲状腺機能を確認し、必要に応じて治療を受けることが推奨されます。

卵巣予備検査

卵巣予備検査は、残された卵子の数や質を間接的に評価する検査です。主にAMH(抗ミュラー管ホルモン)という数値を測定します。AMHは卵巣内の小さな卵胞から分泌されるホルモンで、残された卵子の数と相関関係があります。40代女性では特に重要な検査の一つです。 検査は血液検査で行われ、月経周期に関係なくいつでも受けることができます。所要時間は採血自体は数分程度です。結果は1~2週間程度で出ます。費用は保険適用外の場合が多く、自費で7,000~15,000円程度となります。
40代女性ではAMH値が低下していることが多く、それは妊娠の難しさを示す指標となります。ただし、AMH値が低くても妊娠が不可能というわけではなく、値に応じた治療戦略を立てることが重要です。早めに検査を受けることで、限られた時間内でより効果的な不妊治療を受けることができます。

40代の男性向けの検査

40代の男性も年齢とともに精子の質や量が変化するため、妊活においては女性だけでなく男性側の検査も重要です。男性不妊の原因を早期に発見することで、適切な対策を取ることができます。以下に主な男性向け不妊検査をまとめました。
主な男性向け不妊検査

男性不妊検査の費用・内容一覧

検査名 内容 所要時間 費用(目安)
精液検査 精子の数・運動率・形態・活動性などを調べる基本検査 検体提出5分、結果は1〜2週間 保険適用で3,000〜5,000円、自費で8,000〜15,000円
ホルモン検査 テストステロン・FSH・LHなど生殖に関わるホルモン値を測定 採血5分、結果は1週間程度 保険適用で5,000〜8,000円、自費で10,000〜20,000円
超音波検査 精巣や精管の状態を確認する 15〜20分 保険適用で3,000〜5,000円、自費で8,000〜12,000円
染色体検査 遺伝的な問題がないか確認する 採血5分、結果は2〜4週間 保険適用外が多く20,000〜30,000円
精巣生検 精子形成に問題がある場合に組織を採取して調べる 30分〜1時間、局所麻酔あり 保険適用で10,000〜20,000円、自費で30,000〜50,000円

 

検査を受ける際のポイント

  • 精液検査は2~5日の禁欲期間が必要
  • 結果は個人差が大きいため、異常値が出ても一度だけでなく複数回検査することが望ましい
  • 生活習慣(喫煙・飲酒・食事・入浴など)の改善で精子の質が向上することもある
  • 検査結果によっては専門的な治療(薬物療法・手術・顕微授精など)が必要な場合もある

40代男性の場合、若い世代と比べて精子の DNA 断片化率が高くなる傾向があり、これが妊娠確率や流産率に影響することがあります。早めに検査を受けることで、女性側だけでなく男性側からも妊活をサポートすることができます。

40歳からの妊娠で気を付けておくべき5ポイント

40歳からの妊娠では、合併症や流産、胎児の染色体異常などのリスクが増加します。しかし不安になりすぎて神経質になるのもストレスとなり妊娠継続に悪影響を与えます。40歳からの妊娠で気をつけたいポイントをまとめました。

葉酸の摂取

高齢出産のリスクを完全になくすのは難しいですが、リスクを少しでも減らす方法の一つに妊娠前からの葉酸の摂取が挙げられます。

葉酸は、胎児の神経管閉鎖不全の予防として有効ですが、最近の研究では先天性心疾患や腹壁破裂、口唇口蓋裂、自然流産が減少するという報告があります2)。

厚生労働省は、妊娠する1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの期間に1日400μgの葉酸を摂取することを推奨しています。

いつ妊娠するかわからない以上、妊娠を希望している女性はあらかじめ意識して摂取しましょう。

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栄養バランスのとれた食生活

栄養バランスのとれた食生活は、これから妊娠したい方にも、現在妊娠中の方にもとても重要です。

様々な食材をバランス良く摂取していく中で、特に全粒穀物やオメガ3脂肪酸、魚、大豆などを摂り、トランス脂肪酸や赤身肉を減らすことを意識してみてください3)。

トランス脂肪酸は、炎症やインスリン抵抗性にも関与することで、排卵機能を損なう恐れがあります4)。

また、地中海式と呼ばれる植物油や魚、豆類、野菜などの摂取が多くスナックの摂取が少ない食事は、胚移植や人工授精を受けているカップルの妊娠達成率を40%増加させたと報告されています5)。

適度な運動

適度な運動により適正な体重を維持することは、代謝機能とホルモンバランスを改善し、生殖能力の上昇につながるので、ぜひ積極的に取り組んでください。適度な運動は、BMIの数値に関わらず妊娠の可能性を増加させると報告されています6)。

適度な運動とは、具体的にはウォーキングやガーデニング、ヨガなどが挙げられます。ウォーキングであれば、用意する道具もなく手軽に始めることができるのでおすすめです。毎日30分程度続けることが効果的と言われています。

急激な体重増加に注意する

妊娠中の体重増加は一般的にトータルで7kg〜12kgまでにおさめることが理想と言われています。つわりが終わると食欲旺盛になりつい食べ過ぎてしまうことがありますので注意が必要です。

急な妊娠中の体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすくなります。前述したようなバランスの取れた食事や適度な運動を心がけて急激な体重増加を防ぎましょう。また、腹八分目やよく噛んで食べることを意識し、塩分の取り過ぎにも気をつけてください。

 

ストレスを溜め込まない

現代女性は忙しく妊娠中も産休に入るまで仕事をこなしたり、家では家事や育児に追われたりと、ストレスとともに生活をしていると言っても過言ではない状況です。

しかし、妊娠中にストレスを溜め込むことは、母体だけでなく胎児にも影響が出る可能性が指摘されています。

母体へのストレス負荷が、低出生体重や、生まれてきたこどもが注意欠陥・多動性障害(ADHD)を患うリスクが増えることが懸念されています7)。

ホルモン状態を整えておく

妊娠率をあげ、様々な妊娠中および産後のトラブルを防ぐためにも、常日頃からホルモン状態を整えておくことが重要です。

しかしホルモンは目に見えるものではないので、整っているのかいないのか自身では判断ができません。

また、これから妊娠したいと考えている方や妊活中の方は、ご自身のホルモン状態や卵巣年齢を知りたい方も多いことでしょう。不妊治療を専門としているクリニックでは調べることも可能ですが、ホルモン検査キットを使えば自宅にいながら検査できます。

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まとめ

一般的に35歳からの妊娠では高齢出産と言われています。そのため40歳での妊娠は、妊娠にたどり着くまでにしんどい想いをしたり、妊娠中も様々なトラブルに悩まされることもあります。

若くして妊娠した方と比べると疲れやすかったり、代謝が落ち体重コントロールがうまくいかないこともあります。年齢があがるにつれて合併症や染色体異常のリスクが増加するのもやむを得ません。しかし、食生活や日常の習慣を見直すことで40歳でも妊娠確率をあげることや健やかな妊娠生活の継続は十分可能です。

日ごろからホルモンケアやホルモン検査を行い、後悔のない選択ができるようにすることをお勧めします。

参考文献

1) 日本産科婦人科学会,「産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2020」 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf

2) 「高齢妊娠に伴う諸問題」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/47/1/47_77/_pdf

3) Diet and female fertility: doctor, what should I eat? https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001502821830428

4) Dietary Fat Intake and Fecundability in 2 Preconception Cohort Studies https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5860620/

5) The preconception Mediterranean dietary pattern in couples undergoing in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection treatment increases the chance of pregnancy https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(09)04338-6/fulltext

6) A prospective cohort study of physical activity and time to pregnancy https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3340509/

7) 「胎生期ストレス刺激が惹起するストレス脆弱性と脳内5-HT神経機能異常」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/147/4/147_212/_pdf

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