「30代で自然妊娠できる?」「妊娠する確率を上げる方法を知りたい」と悩んでいませんか?
自然妊娠する確率は加齢とともに低下します。特に女性は30代半ばを過ぎると、妊娠する確率の低下が早まります。
そのため、30代で妊娠を望む方は早めに自分の体と向き合い、妊娠に何が影響するのかを把握しておきましょう。
本記事では妊娠の確率を上げるためにできることを紹介します。ぜひ、30代で妊活をはじめる方は参考にしてください。
この記事でわかること
- 30代で自然妊娠する確率とは
- 【年齢別】30代で自然妊娠する確率
- 30代の妊娠確率は前半と後半で大きく変わる
- 年齢とともに妊娠確率が低下する原因
- 30代で妊娠確率を上げるためには
- 妊娠を希望するなら今の自分の体の状況を把握しておこう
- 30代になったら一度婦人科を受診しよう
30代で自然妊娠する確率とは
自然妊娠する確率は、年齢を重ねるごとに低下していきます。
30代では不妊につながる病気のリスクが高まるだけではなく、妊よう性の低下が顕著にみられます。妊よう性とは、妊娠に必要な力のことです。
女性の20代は妊よう性がピークとなり、自然妊娠する確率も一番高い年代です。ただ、30代に入ると妊よう性の低下が早まるため、結果として自然妊娠する確率も下がると考えられています。
【年齢別】30代で自然妊娠する確率
30代で自然妊娠する確率は、年齢が上がるにつれて段階的に低下します。この変化を理解することで、自分の年齢に応じた適切な妊活計画を立てることができます。年齢別の妊娠確率を把握しておくことは、将来の妊娠計画を検討する上で重要な指標となります。
30代であれば排卵日に1回で妊娠できる?年代ごとの妊娠率はどれくらい?
30代であっても排卵日に1回のセックスで妊娠できる確率は、20代と比べて低下します。排卵日前後の妊娠しやすい期間における1回あたりの妊娠確率は、年齢とともに減少することが分かっています。
健康な女性の場合、排卵日を含む6日間(排卵の5日前から排卵日まで)に性交を行った場合の妊娠確率は以下のようになります。
年齢 | 1周期あたりの妊娠確率 |
---|---|
20〜24歳 | 約25〜30% |
25〜29歳 | 約20〜25% |
30〜34歳 | 約15〜20% |
35〜39歳 | 約10〜15% |
この数値からも分かるように、30代に入ると1回の周期での妊娠確率は徐々に低下していきます。ただし、これは1回の周期での確率であり、継続的に妊活を行えば妊娠の可能性は十分にあります。
30代の妊娠確率は前半と後半で大きく変わる
30代でも35歳をすぎると妊よう性の低下が急激に進むため、妊娠確率もさらに低下します。そのため、30代前半と後半の妊娠確率は変わってきます。ここでは、30代前半と後半の妊娠確率について詳しく解説します。
30代前半は自然妊娠する確率が比較的高い
30代前半であれば、自然妊娠する確率は高いとされています。妊よう性は20代がピークになりますが、30歳に入った途端に急激に下がるものではなく、徐々に低下していきます。
ただ、30代前半であっても年齢を重ねるごとに自然妊娠する確率は下がるため、パートナーと一緒に妊娠計画を立てたり、自分のカラダと向き合うことが大切です。とくに子供が2人以上ほしい方は、早めの妊娠計画がすすめられます。
30代の妊活期間はどれくらい?
30代の妊活期間は個人差がありますが、平均的には6ヶ月から1年程度かかることが多いとされています。健康な夫婦であれば、通常3ヶ月以内で約半数、6ヶ月以内で約70%、1年以内には90%近くが妊娠にいたります。
ただし、これは年齢に関係なく妊活を行うすべての夫婦の統計であり、30代では年齢とともに妊娠までの期間が長くなる傾向があります。30代前半では比較的短期間で妊娠にいたるケースが多いものの、30代後半になると妊娠までにより長い期間を要することがあります。
30代の不妊率はどれくらい?
30代は自然妊娠する確率が下がるため、不妊症の頻度も年齢を重ねるごとに増えます。
妊娠を希望している健康な男女であれば、3か月以内で約半数、6ヶ月以内で約70%、1年以内には90%近くが妊娠にいたります1)。妊娠を希望して1年以上たっても妊娠にいたらない状態を不妊症とよびます。
年齢別の自然妊娠する確率の参考として、女性の年齢別における不妊の割合のデータがあります。女性の加齢と不妊症は強い関連性があり、下記のデータからも30代からは不妊症になる方が増える、つまり自然妊娠する確率が下がることが分かります。
年齢別における既婚女性の不妊率
女性の年齢 | 不妊率 |
---|---|
25~29歳 | 9% |
30~34歳 | 15% |
35~39歳 | 30% |
40~44歳 | 64% |
30代は妊娠リスクも上がるもの?
30代では年齢とともに妊娠に伴うリスクが徐々に上昇する傾向があります。これは卵子の質の変化や母体の身体機能の変化によるものです。ただし、適切な医療管理を受けることで、これらのリスクを大幅に軽減することができます。30代の妊娠は決して危険なものではありませんが、リスクを理解した上で適切な準備を行うことが大切です。
流産の確率は加齢とともに上がる
流産の確率は母体の年齢とともに上昇する傾向があります。これは主に卵子の染色体異常の頻度が年齢とともに増加することが原因とされています。ただし、30代であっても多くの女性が健康な赤ちゃんを出産していることも事実です。
母体年齢 | 流産率 |
---|---|
20〜24歳 | 約9〜12% |
25〜29歳 | 約10〜15% |
30〜34歳 | 約12〜20% |
35〜39歳 | 約20〜35% |
流産のリスクは確かに年齢とともに上昇しますが、適切な妊娠管理により早期発見・対応が可能です。定期的な妊婦健診を受けることで、母体と胎児の健康状態を適切に管理することができます。
妊娠高血圧症などの妊婦特有のリスクも上がりやすい
30代では妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症のリスクが上昇する傾向があります。これは年齢とともに血管の柔軟性が低下したり、代謝機能に変化が生じることが影響しています。
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧が出現し、出産後12週までに正常に戻る病気です。30代では20代と比べてこのリスクが1.5〜2倍程度高くなるとされています。また、妊娠糖尿病についても、35歳以上では発症リスクが約2倍に増加することが分かっています。
これらのリスクは事前の健康管理や定期的な妊婦健診により早期発見・治療が可能です。適切な体重管理、バランスの良い食事、適度な運動を心がけることで予防効果が期待できます。
子宮外妊娠の確率は40代から上がると言われている
子宮外妊娠の確率は年齢とともに緩やかに上昇しますが、顕著な増加は40代以降とされています。30代での子宮外妊娠のリスクは20代と比較してそれほど大きな差はありません。
年齢 | 子宮外妊娠の確率 |
---|---|
20〜29歳 | 約1〜2% |
30〜34歳 | 約1.5〜2.5% |
35〜39歳 | 約2〜3% |
40歳以上 | 約3〜4% |
子宮外妊娠は卵管の機能低下や過去の感染症の影響で起こることが多く、年齢そのものよりも個人の病歴や体質による影響が大きいとされています。早期発見により適切な治療を受けることで、将来の妊娠への影響を最小限に抑えることができます。
年齢が上がるにつれて妊娠確率は下がる
30代でも35歳をすぎると妊よう性の低下が急激にすすむため、自然妊娠の確率だけでなく、体外受精を受けている方も含めて妊娠する確率は低下します。
日本産婦人科学会が公表しているARTデータブックによると、35歳くらいまでは生殖補充医療を受けると4割程度は妊娠できるものの、35歳をすぎると妊娠率が急に低下することがわかっています2)。
そのため、30代でも半ばをすぎて妊娠を考える場合は、早めの医療機関への受診がすすめられます。
年齢とともに妊娠確率が下がる原因
年齢とともに妊娠確率が下がる主な原因は卵子の質の低下です1)。ただ、卵子の質が低下する原因やメカニズムの詳細は分かっておらず、有効な治療法はないというのが現状です。
ほかにも、年齢を重ねると不妊に繋がる可能性のある病気にかかるリスクが高まります。不妊に繋がる可能性のある病気とは、子宮筋腫や子宮内膜症などです。これらの病気は子宮や卵管など妊娠に必要な臓器に影響を与えて、自然妊娠しにくい状態にさせてしまいます。
30代でも妊娠確率を上げるためには
加齢による自然妊娠する確率の低下は、避けられません。ただ、子供を授かりたいタイミングは人それぞれであり、30代から妊活をはじめる方も多いです。ここでは、30代の女性が妊娠する確率をあげる方法を解説します。
- 生活習慣を整える
- 性交の回数を増やす
- 冷え性などの体質を改善する
- ホルモンバランスを整える
生活習慣を整える
妊娠確率を上げるためには、生活習慣の見直しから行いましょう。 バランスのよい食生活、適度な運動と十分な睡眠、禁煙・過度な飲酒を控えるなどの生活改善が有効です。
特に肥満は男女ともに不妊の原因となるため、食事や適度な運動で適正体重を維持することも大切です。
生活習慣の見直しは妊娠確率をあげるだけではなく、健康維持にもつながります。ぜひ、パートナーと一緒に生活習慣を整えることからはじめてみてくださいね。
性交の回数を増やす
30代で妊娠確率をあげるために、性交の回数を増やしてみましょう。
排卵の4日前から排卵の前日までの間に、1〜2日おきのペースで性交すると妊娠確率が高くなるとされています。
ただ、年齢を重ねると性交の回数が減る傾向があり、排卵日にあわせて月1回だけ行うカップルも珍しくありません。特定の日のみの性交はパートナーとのコミュニケーションにも影響がでる可能性もあるため、日頃から性交の回数を増やすことは大切です。
冷え性などの体質を改善する
体が冷えて血流が悪くなると、卵巣や子宮など生殖機能に関わる臓器に十分な栄養が届かなくなり、妊娠しづらくなる可能性があります。冷え性の方は、普段の生活から体を冷やさない対策が必要です。
冷え性の対策
- 生活習慣を整える
- 湯船につかる習慣をつける
- 夏場でも体を冷やす食べ物や飲み物のとりすぎは避ける
- 漢方薬を服用する
冷え性をはじめとする女性の不調や、女性のホルモンバランスを整えるために漢方は非常に有効な手段です。ただ、妊娠・不妊の目的で使われる漢方薬でもさまざまな種類があり、自分の体質に合う漢方薬を選ぶことが大切です。
canvasのオーダーメイド漢方は、自分にあった漢方薬をLINEで専門家に相談しながら自宅で購入ができます。冷え症の方で妊娠確率を上げたい方は、漢方薬の服用も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスが乱れると排卵がスムーズにいかず、妊娠しにくくなる可能性があります。
脳から出るホルモンによって生理周期はコントロールされています。強いストレスや過度なダイエット、肥満、不規則な生活などがあると排卵がおこなわれなくなる可能性もあるため、注意が必要です。排卵がスムーズにいかないと、妊娠しやすいタイミングを把握しづらくなったり、不妊原因になります。
ホルモンバランスを整えるためにも、規則正しい生活やストレスをためないことを意識してみましょう。
妊娠を希望するなら今の自分の体の状況を把握しておこう
30代から妊娠を希望する場合、卵巣機能に関わるホルモンの状態や卵巣予備能の検査を早めに受けることがすすめられます。卵巣予備能の検査とは、女性の体に残っている卵子の数を予測する検査です。
今後排卵できる期間が⻑いか短いかを予想するのに役立ちます。
ホルモン検査は医療機関で受けられますが、月経周期の特定の時期に測定する必要があるホルモンもあり、タイミングを合わせるのが難しい場合があります。また、婦人科を受診することに抵抗を感じる方も多く、なかなか検査を受けるハードルが高いのが現状です。そのため、自宅で気軽にチェックできるホルモン検査キットも選択肢の一つとして注目されています。Women’s Fertility Check(ブライダルチェック)は自宅で排卵・卵子の数・体調に重要な役割を持つホルモンの値から、妊娠に向けた身体の状況や今の体調にホルモンがどう影響しているかをセルフチェックが可能です。
セルフチェックはしたいものの、病院に受診する時間がないといった方は、まずは自宅用ホルモン検査キットから試してみてはいかがでしょうか。
canvasの検査キットはこちら。
30代になったら早めに一度婦人科を受診しよう
30代で妊活を開始する場合、妊娠に影響する病気が隠れていないか確認するためにも早めに婦人科へ受診しましょう。
万が一、妊娠の経過に影響をあたえる病気や不妊になる病気が隠れている場合、妊娠できるまでに時間がかかる可能性があります。
ホルモン検査だけでなく、妊娠する上で子宮や卵巣の状態に問題がないか超音波検査を受けたり、婦人科医に妊活のタイミングを相談するなどが大切です。
まとめ
30代で自然妊娠する確率や妊娠確率を上げる方法をまとめると以下の通りです。
- 30代で自然妊娠する確率は加齢と共に低下する
- 女性はは35歳をすぎると妊娠確率がさらに低下する
- 妊娠確率をあげる方法には、生活習慣を整える、性交の回数を増やす、冷え性を改善する、ホルモンバランスを整える、などがある
- 30代になったら、妊娠に影響する病気が隠れていないか早めに確認する
30代はまだ自然妊娠が可能な年代です。ぜひ30代で妊活をはじめる方は早めに自分の体と向き合うことからはじめてみてくださいね。
参考文献
1)一般社団法人日本生殖医学会.生殖医療の必修知識2020.2020http://www.jsrm.or.jp/publications/pub_index.html
2)日本産科婦人科学会 ARTデータブック2020https://www.jsog.or.jp/activity/art/2020_ARTdata.pdf