PMSは現代の多くの女性が悩んでいます。PMSの症状は個人差があり、その治療法や改善方法も様々です。
食事、運動、睡眠など、毎日の生活習慣を変えていくことでPMSの原因となるホルモンのバランスの乱れの改善を目指します。
この記事では、PMSの症状が改善すると言われているいくつかの方法を紹介します。
PMSは心と身体のバランスが大切ですので無理をすることでストレスが溜まってしまっては意味がありません。
自分にとって心地よく、続けることができる方法を見つけながら試していきましょう。
この記事でわかること- PMSの原因
- PMSの症状
- PMSの改善方法
PMSの原因は?
PMS(月経前症候群)は、月経周期に起こる身体的、心理的な症状です。具体的な原因については、以下のようなものがあると考えられています。
ホルモンの変動
PMSの症状は、月経周期の中のホルモンの変動によって引き起こされる可能性があります。特に、エストロゲンとプロゲステロンのバランスの変化が関係していると考えられています。
セロトニンの変動
セロトニンは、気分を調節する作用がある物質です。PMSの女性は、月経前にセロトニンのレベルが低下することが報告されており、症状に関係している可能性があります。
栄養不足やストレス
栄養不足やストレスも、PMSの症状を悪化させる原因として考えられています。栄養の偏った食事やストレスが増えると、からだの調節機能が乱れる可能性があります。
遺伝的要素
遺伝もPMSの発症の原因になっている可能性があります。母親がPMSの症状があった場合、その子供もPMSの症状を経験しやすいとされています。
PMSの症状は?
PMSの症状は、月経前に現れ、月経が始まると症状が緩和する傾向にあります。PMSの代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- 気分の変化:イライラ感や不安感、落ち込みなどの気分の変化が見られます。
- 乳房の腫れや痛み:乳房が腫れたり痛んだりすることがあります。
- 頭痛やめまい:頭痛やめまいが出たり、強くなることがあります。
- 腹痛や下腹部の不快感:生理前に下腹痛やお腹が張ったような不快な感じが現れることがあります。
- 食欲の変化:食欲の増減や特定の食べ物が無性に欲しくなることがあります。
- 疲労感:疲労感や体のだるさが感じられることがあります。
また、これらの症状は個人差があり、重さや発症の頻度は人によって異なります。
PMSの症状を改善するには?
PMSは、日頃の生活習慣で改善できると言われています。
国内外で行われたPMSに関する調査によれば、PMSの症状の有無と生活習慣や食行動の特徴などについて分析したところ、以下のような生活習慣の女性にPMS症状が見られる傾向があると報告されています3)4)。
- 朝食を毎日食べない
- 揚げ物や砂糖を多く含む飲み物、ファーストフード、アルコールを週3回以上摂取する
- 運動は週に3回未満
- 食べることでストレス発散をする
- 規則正しい睡眠を摂っていない
以下で、さらに詳しくPMSの症状の改善方法をご紹介していきます。
食事
食事は、PMSの症状を改善するために重要な要素です。栄養バランスの取れた食事を心掛けることで、PMSの症状軽減が期待できます。
以下で、効果的な栄養素や食べ物、反対に悪化させてしまう食べ物もご紹介します。
<PMSの改善に効果的な「栄養素」>
PMSの改善に効果的な栄養素は、以下の通りです。
- カルシウムとマグネシウム:筋肉の緊張を緩和し、不快な症状を軽減する効果が期待されています。
- ビタミンB6:ビタミンB6神経の安定に役立ち、イライラや不安を和らげるのに効果的です。
- 抗酸化物質:炎症を抑制し、免疫力を高めてくれる効果が期待されています。
<PMSの改善に効果的な「食べ物・飲み物」>
以下は、PMSの改善に効果的な栄養素が取れる食べ物・飲み物の例です。
- カルシウム:乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、ほうれん草、かぼちゃ
- マグネシウム:ひじき、大豆、アーモンド、バナナ、ほうれん草
- ビタミンB6:さば、バナナ、じゃがいも、椎茸、にんにく
- 抗酸化物質:カカオ(ダークチョコレート)、ブルーベリー、トマト、グリーンティー、赤ワイン
<PMSを悪化させる「食べ物・飲み物」>
以下は、PMSの症状を悪化させる可能性のある食べ物・飲み物の例です。
- アルコール類
- コーヒー、紅茶、エナジードリンク
- 人工的な食品添加物、保存料の入ったスナック菓子
これらの食べ物や飲み物は、PMSの症状を悪化させる可能性があります。
コーヒー・紅茶。エナジードリンクに含まれるカフェインやアルコールは刺激作用があり、症状を悪化させることが知られています。1)。
また、スナック菓子に含まれる食品添加物や保存料は炎症を促進し、PMSの症状を悪化させる恐れがあります。個々の体質や状態によっても影響は異なるため、自分の体調に注意しながら食事を選ぶことが大切です。
睡眠
良質な睡眠は、PMSの症状を改善するために重要です。適切な睡眠を確保することで、身体と心のリラックスを促し、症状を軽減してくれます。 睡眠を改善するためのポイントは、以下の通りです。
- 睡眠環境を整える:静かで暗い部屋、快適な寝具、適切な温度など、睡眠環境を整えることが大切です。
- 日常生活のリズムを整える:規則的な睡眠スケジュールを作り、毎日同じ時間に寝ることを心がけましょう。
- リラックスのためのルーティン:寝る前にリラックスできるストレッチや瞑想を取り入れることも効果的です。
- スマートフォンやパソコン・テレビの画面をみない:寝る1時間前までにスマートフォン、テレビ、パソコンなどの使用を控えることが睡眠の質を向上させます。
運動
適度な運動も、PMSの症状を改善するのに有効です。運動によって血行が促進され、心とからだのリラックスやストレスの軽減にも役立ちます。
PMSの症状改善には、ヨガやウォーキング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。 体力や好みに合わせて、自分に合う運動方法を選びましょう。 ただし、過度な運動や無理なダイエットは避け、無理せずに行いましょう。
<ヨガのポーズ>
以下で、PMSの症状改善におすすめのヨガのポーズを紹介します。
- 子供のポーズ:両膝を床につけ、お尻をかかとに近づけて座ります。上体を前に倒し、額を床につけます。深呼吸しながらリラックスします。
- 背伸びのポーズ:床に座り、背筋を伸ばします。両手を頭の上に伸ばし、ゆっくりと体を横に曲げます。反対側も同様に行います。
- 反転のポーズ:壁に向かって座り、お尻を壁につけます。脚を壁に沿って上げ、背中を床につけます。リラックスした状態で数分間、体勢をキープします。
休息
月経前は、心の安定や落ち着きをもたらすホルモンであるセロトニンの分泌が減少するため、イライラしたり落ち込みやすくなります。また、自律神経のバランスが乱れやすくなり、心身を緊張状態にする交感神経が優位となり、逆に、心身をリラックスさせる副交感神経の働きが弱まります。
心の安定や自律神経を穏やかに保つためにも、身体も心もリラックスした状態でいるように心がけ、休息や睡眠を十分にとりましょう。ヒーリングやマッサージなどで、心身の緊張をほぐすのもよいでしょう。
アロマセラピー
アロマセラピーで使用されるアロマオイルは、「不安定な心を落ち着かせる効果、催眠効果、ホルモンバランスを整える効果」もあると言われています。 また、心の不調以外にも、「下腹部の張り、下腹部痛、頭痛、腰痛、むくみ」など体の不調も改善するエッセンシャルオイルもあります。
日本の20代の女性を対象に行った試験では、アロマセラピーが心を落ち着かせ、精神状態を安定させるという結果が出ました5)。 さらに、心電図によって身体を司る自律神経系の変化を調べると、芳香浴によって心拍数が下がり、副交感神経の活動が上がりリラックスすることも確認されました。
アロマオイルにはたくさんの種類があるので、まずは自分の好きな匂いでリラックスしてみることから始めるとよいでしょう。
呼吸法
呼吸法は、PMSの症状を改善するために効果的な方法です。 呼吸法は、日常生活に取り入れやすいPMSの症状を軽減できる方法としておすすめです。 適切な呼吸によって、自律神経のバランスが整い、ストレスの軽減やリラックス効果が期待されます。
また、定期的に行うことが大切です。自宅や職場などで簡単にできるので、日常的なストレスや不快感を軽減するためにも取り入れてみてください。 以下で、呼吸法の手順を解説していきます。
呼吸法の手順
- 深呼吸:ゆっくりと鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませるようにします。その後、ゆっくりと口から息を吐き出します。このように、深くゆったりとした呼吸を数回繰り返します。
- 腹式呼吸:片手をお腹に置き、鼻から息を吸いながらお腹を膨らませます。次に、ゆっくりと口から息を吐きながらお腹を引き締めます。お腹が上下に動くように意識して行います。
PMSの改善には、漢方薬もおすすめ
PMSの症状改善には、漢方薬も効果的です。漢方薬は体質に合わせた治療ができ、副作用のリスクが低いというメリットがあります。 PMSの症状改善におすすめの漢方薬には、以下のようなものがあります。
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):抑うつやイライラ、ほてり、のぼせなどの症状改善に効果的
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力が低下して冷えや貧血の傾向がある人におすすめ
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせや頭痛、下腹部痛などがある人におすすめ
このように、漢方薬は専門的な知識が必要で、自分に合ったものを選ぶのは難しいかもしれません。 そこでおすすめなのが「canvasのオーダーメイド漢方」です。 canvasのオーダーメイド漢方は、自宅でLINEを使って医師監修の簡単な問診ができ、自分に合った漢方薬を提案してもらえます。忙しくて通院できない人などにおすすめです。
気になる症状があれば、自宅でできるホルモン検査キットもおすすめ
いらいら、抑うつなど気分に異常がある場合、PMS以外にも甲状腺の異常や、更年期障害の可能性もあります。自分が本当にPMSなのか、それとも他の病気か気になる方にはcanvasのホルモン検査キット「Women’s Fertility Check(ブライダルチェック)」で身体の状態を調べてみるのもおすすめです。
気になる症状の原因が甲状腺のホルモン異常や更年期障害などPMS以外にあるかどうかを判断する材料になります。 ホルモン検査キットの流れは、以下のたった3ステップ。
- 検査キットを注文する
- 自宅に届いたキットで採血をしてポストへ投函
- 結果をウェブページで確認する
canvasのホルモン検査キットは、医療機関を受診しなくても自宅で簡単にホルモン検査ができるので、「忙しくて病院へ行く時間を作れない方」や、「産婦人科の受診はハードルが高い」など何らかの理由で病院へ行けない方におすすめです。
canvasの検査キットはこちら。
まとめ
PMS(月経前症候群)は、多くの女性が悩んでいる状態であり、その症状や治療法には個人差があります。 生活習慣や食生活の改善でホルモンのバランスを整えることで、PMSの症状を緩和が期待できます。
食事は、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6などの栄養素を含んだ食品を取り入れ、バランスの良い食生活を心がけましょう。 一方、アルコールやカフェインの摂取は、PMSの症状を悪化させる可能性があります。
それぞれの症状や体質に合わせた対策・改善方法を見つけながら、PMS症状の改善をしていきましょう。
参考文献
1)María Del Mar Fernández.Premenstrual syndrome and alcohol consumption: a systematic review and meta 2018 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29661913/
2)J Educ Health Promot. To compare the effects of aerobic exercise and yoga on Premenstrual syndrome.2019https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6852652/
3) 志渡 晃一 本学女子学生における月経前症候群とライフスタイルに関する研究-北海道医療大学看護福祉学部紀要11号, 2004 https://hsuh.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_snippet&index_id=517&pn=1&count=20&order=17&lang=japanese&page_id=13&block_id=17
4)Shu-Hui Cheng.Factors associated with premenstrual syndrome - a survey of new female university students.2013 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23347812/
5)吉田紀子 月経前症候群におけるアロマセラピー効果の検討2009https://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/download.php?id=71K