月経トラブルの中でも、よく見られる月経不順。ストレスによるホルモンバランスの乱れが原因で起こることが多くなっていますが、月経が始まるタイミングが分からないこと自体がストレスになってしまいますよね。
月経不順はホルモン剤での治療が中心となりますが、月経不順に効果のある漢方薬もあります。
本記事では、月経不順に使われる漢方薬を紹介します。あわせて、月経不順の原因や特徴を解説します。
月経不順におすすめな漢方薬を知りたい方は最後まで読んで参考にしてください。
この記事でわかること
- 月経不順とは
- 月経不順の原因
- 漢方医学で考える月経不順
- 月経不順に効果的な漢方薬
- 月経不順に効果的な漢方を手に入れるには
- 医師監修の問診をLINEで無料で受けられます
月経不順とは
月経不順とは、月経周期が正常な周期よりも長い、もしくは短いといった月経周期の異常のことを指します。
月経の周期は、月経が始まった日を第一日目として考えて、次の月経開始日の前日までの日数を数えますが、正常な月経周期の日数は25〜38日で、変動は6日以内と定義されています。そのため「今月は月経が遅れて、30日周期が35日周期になったけど、月経不順なのかな?」と心配になると思いますが、実はこの場合は正常な月経周期の範囲です。
一方、25日より早く月経が来ることを頻発月経、39日以上遅れることを稀発月経とよびます。また、3ヶ月以上月経が停止した状態は続発性無月経となり、これらはすべて月経周期の異常になります。
月経不順の原因
月経不順の主な原因は、ストレスや急激なダイエットなどによるホルモンバランスの乱れです。
月経周期は、脳から作られるホルモンによってコントロールされています。そのため、ストレスや環境の変化などがあると、ホルモンのコントロールが乱れて排卵がスムーズにおこなわれず月経不順がおこるとされています。
ただ、中には卵巣や子宮、甲状腺など、月経と関わりが深い臓器に病気が隠れていることも。そのため、月経不順がみられる時は病気が隠れていないか確認するために、まず婦人科へ受診しましょう。
漢方医学で考える月経不順
漢方医学での月経不順は、カラダを構成する「気、血、水」がバランス良く巡っていないことでおこると考えます。
月経不順の原因はホルモンバランスの乱れであることが多いのですが、これは西洋医学での考えに基づいたものです。漢方医学では月経不順に対する原因や治療などの考え方が西洋医学と異なります。
- 気…生命エネルギー。元気ややる気
- 血…血液や栄養分。うるおいや栄養を運ぶ
- 水…血液以外の体液
例えば、「血」の量が不足すると血の巡りが悪くなり月経が遅れる、ストレスなどで「気」や「血」が滞ると月経周期が乱れるといった考え方をします。
月経不順に効果的な漢方薬
同じ月経不順でも効果的な漢方薬を服用するためには、体質、体力、症状のあらわれ方などをみて個々にあったものを選ぶことが大切です。 ここでは、月経不順によく使われる3つの漢方薬を紹介します。
- 当帰芍薬散
- 加味逍遙散
- 桂枝茯苓丸
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散は、虚弱体質で月経不順や冷え性、貧血に効果がある漢方薬です1)。 血の量が足りなくなる「血虚」になると月経が遅れたり、めまい、ふらつきなどの症状があらわれると考えられています。
当帰芍薬散は、手足の血の巡りをよくするとされ、貧血や月経不順によく使われる、婦人科の三大漢方薬の一つになります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
加味逍遙散は、ホルモンバランスが乱れ、疲れやすく、イライラなどがある方によく使われる漢方薬で、月経不順に効果があります2)。
漢方の考えでは、気の流れが滞ると血の巡りが悪くなり、月経が遅れると考えます。月経周期が長くなり、ストレスがある状態を「肝鬱気滞」といいます。
また、逆に生理周期が短く、疲れやすいことを「気虚」といいます。 月経不順以外にも、イライラや疲労が見られる場合、加味逍遙散がよく使われます。
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
桂枝茯苓丸は、がっしりとした体格の人で、月経不順、のぼせや下半身の冷え、月経痛などに使われます3)。 血の流れが滞り、手足が冷える「血寒」の体質は月経が遅れるという考えになります。
手足の冷え以外にも、肌に栄養が届かないことで肌のトラブルに影響するとされています。
桂枝茯苓丸は、滞った血の流れを良くすることで、月経不順や冷えやのぼせ、月経痛を緩和する漢方薬になります。
以下の記事も合わせて読む
→桂枝茯苓丸の効果とは?
月経不順に効果的な漢方を手に入れるには
漢方薬は次のような入手方法があります。
- ドラッグストアで購入
- 漢方薬局で購入
- 漢方のオンラインショップで購入
- 病院で漢方薬を処方
さまざまな入手方法がありますが、個々の体質や症状に合った漢方薬を選ぶと高い効果が発揮されるようになります。そのため、効果的な漢方薬を手に入れるためには、医師の処方を受けたり、事前に薬剤師に相談して購入するのがおすすめ!
他には、価格や入手方法の簡便さ、といった観点から自分に合う入手方法を選んでみましょう。
病院で受診して処方を受ける
病院に受診して、医師に医療用漢方薬を処方してもらう方法です。病院に受診するメリットは、漢方薬以外の治療や詳しい検査を受けられることです。
月経不順は病気が隠れていたり、ホルモン剤の治療でないと改善が難しいケースもあります
特に、月経が3ヶ月以上来ていない方は病院を受診しましょう。
医師監修の問診をLINEで無料で受けられます
「忙しいけど自分にあった漢方薬を購入したい!」そのようなときは、漢方のオンラインショップで購入する方法があります。
オンラインショップの中には、LINE登録で医師監修の問診を受け、薬剤師に相談できるサービスがついているものもあります。
相談することで、自分にあったオーダーメイドの漢方薬を自宅から気軽に購入することが可能です。
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まとめ
本記事では、月経不順の特徴や原因、効果的な漢方薬を解説しました。ポイントは下記の4点です。
- 月経不順は、正常な月経周期(25〜38日で、変動は6日以内)よりも長い、短いといった月経周期の異常を指す
- 漢方医学では「気、血、水」の巡りが良くないことで月経不順が起こると考える
- 漢方薬は体質、体力、症状など個々にあったものを選ぶことが大切
- 効果的な漢方を手に入れるには、医師からの処方を受けたり、事前に薬剤師に相談して購入するのがおすすめ
月経不順は多くの女性が経験する月経トラブルの一つです。月経不順で悩んでいる方で漢方薬が気になる方は、病院や薬剤師に相談してみましょう。
参考文献
1)株式会社ツムラ.当帰芍薬散エキス顆粒(医療用).2014https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111D1076_1_11/
2)株式会社ツムラ.加味逍遙散エキス顆粒(医療用).2018https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200017D1083_1_12/
3)株式会社ツムラ.桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用).2007https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200038D1093_1_11/