月経不順や月経痛、更年期症状など女性ホルモンの乱れからくる女性特有の症状を改善するためには、いくつかの対処法があります。漢方薬もこれらの症状緩和の効果が期待できる対処法のひとつと言われています。
しかし、いくつかの漢方薬や薬を服用する場合、飲み合わせに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では漢方薬の飲み合わせが知りたい方に向けて、女性におすすめの漢方薬と飲み合わせについて解説します。飲み合わせが不安なときの対処法も紹介するので、漢方薬の服用を考えている方は参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 女性におすすめの漢方薬とその効果
- 漢方薬の飲み合わせ
- 飲み合わせが悪いときの影響
- 飲み合わせが悪いときの対処法
漢方薬の飲み合わせとは
漢方薬の飲み合わせとは、異なる種類の漢方薬を組み合わせて飲んだり、市販薬やサプリメント、ハーブなどと漢方薬とを合わせて服用すること、またそういった複数の薬の成分どうしが反応することを言います。
一般的に、漢方薬は市販薬と比べると副作用のリスクが低いと考えられていますが、飲み合わせによっては副作用が発生したり、効果が強く出過ぎたりする可能性があります。
逆に、せっかく漢方薬を服用したにも関わらず、飲み合わせによって効果が薄まってしまうケースもあります。
そこで、複数の漢方薬の服用や、他の薬と合わせて服用する場合は、飲み合わせに問題がないかを必ず医師・薬剤師に確認しましょう。
女性におすすめの漢方薬と飲み合わせ一覧表
月経痛や更年期障害、月経不順など女性特有の症状に効果が期待できる漢方薬がいくつかあります。
女性におすすめの漢方薬や効果、飲み合わせについて解説するので、漢方薬の使用を検討している方は参考にしてみてください。
女性におすすめの漢方薬の種類と効果
女性特有の症状に悩んでいる方におすすめの漢方薬を、下記の一覧にまとめてみました。
漢方薬名 | 効果や主な症状 |
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当帰芍薬散 (トウキシャクヤクサン) |
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桂枝茯苓丸 (ケイシブクリョウガン) |
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加味逍遙散 (カミショウヨウサン) |
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黄連解毒湯 (オウレンゲドクトウ) |
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半夏厚朴湯 (ハンゲコウボクトウ) |
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桃核承気湯 (トウカクジョウキトウ) |
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漢方薬は、それぞれの症状や体質に合ったものを使用することが大切です。自分に合った漢方薬が分からないときには、医師や薬剤師などに相談しながら購入しましょう。
女性におすすめの漢方薬の飲み合わせ一覧表
女性におすすめの漢方薬について、注意が必要な飲み合わせを一覧としてまとめました。
漢方薬名 | 注意が必要な飲み合わせ |
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加味逍遙散 (カミショウヨウサン) |
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桃核承気湯 (トウカクジョウキトウ) |
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上記の一覧に記載がなくても、体質や既往歴などによっては注意が必要なケースがあるので、心配な場合は医師や薬剤師へ相談しましょう。
その他|漢方薬との飲み合わせ
サプリメントや食品、ハーブなど漢方薬以外にも、飲み合わせに気を付けるものがいくつかあります。
- 生薬を含む健康食品やサプリメント
- リコリスを含むサプリメント
生薬やリコリスは漢方薬にも含まれている成分なので、サプリメントや健康食品などでさらに摂取すると過剰摂取となります。
その他にも、漢方薬を飲むときにジュースやコーヒー、緑茶で飲むと漢方薬に影響が出る可能性があるので、必ず水や白湯で服用するようにしましょう。
漢方薬の飲み合わせが悪い場合の体への影響
漢方薬の飲み合わせが悪いと、体に悪い影響を与える可能性があります。漢方薬の効果が弱まるだけではなく、過剰作用を引き起こして副作用が出るなど、症状が悪化するケースもあるので注意しましょう。
具体的にどのような悪い影響があるのか、解説します。
効果が弱まる
漢方薬と飲み合わせの悪い薬などの摂取で、効き目が弱まってしまうケースがあります。飲み合わせることでお互いの成分が反応し、漢方薬の効き目が弱まる、もしくは効果がなくなってしまう可能性があるので注意しましょう。
気になる症状を改善するためにも、正しい飲み合わせで漢方薬を服用することが大切です。
過剰作用が起こる
漢方薬との飲み合わせが悪い場合、お互いの成分が反応し過剰作用を引き起こす可能性があります。漢方薬の効き目が強すぎると、逆に症状が悪くなってしまうケースがあるので注意しましょう。
特に似た成分が含まれていたり、同じ作用がある漢方薬・薬などの飲み合わせは、過剰作用が起こる可能性が高くなります。(例:葛根湯と市販のかぜ薬の飲み合わせ)
ほかに使用している漢方薬・薬などがある場合は、医師へ相談することをおすすめします。
副作用が起こる
漢方薬は副作用が起こりにくいと言われていますが、飲み合わせが悪いと湿疹や吐き気、症状の悪化などの副作用を引き起こす可能性があります。
万が一副作用が疑われる症状が起こった場合は、すぐに漢方薬と飲み合わせた漢方薬・薬などの服用を中止して医師へ相談することをおすすめします。
副作用が発生する可能性がある併用禁忌もしくは併用注意の漢方薬・薬について把握し、正しく漢方薬を服用しましょう。
漢方薬の飲み合わせが不安な時の対処法
漢方薬の飲み合わせが不安なときの対処法を解説します。安心して漢方薬を使用するためにも、漢方薬の飲み合わせに不安がある方は参考にしてみてください。
使用する量や数に注意する
漢方薬は用法・用量を守って正しく使用することが大切です。効果があまり感じられないからと言って、自己判断で飲む量を増やすのは止めましょう。
また、現在内服している漢方薬に追加して、他の種類の漢方を内服するときも、事前に医師や薬剤師に相談してください。飲み合わせによっては悪い影響が出る可能性があるので、自己判断せず専門家の意見を聞くことをおすすめします。
漢方薬もお薬手帳に記載してチェックする
ほかの漢方薬・薬との飲み合わせを確認するためにも、漢方薬を処方されたときは必ずお薬手帳に記載するようにしましょう。薬局や病院でも漢方薬を処方してもらうときにお薬手帳を提示し、飲み合わせに問題はないか確認してみてください。
お薬手帳に漢方薬を記載しておけば、医師や薬剤師も飲み合わせを確認したうえで漢方薬を処方できます。
同じ名前の漢方薬でもクラシエやツムラなどメーカーが違えば微妙に内容も異なります。メーカーもお薬手帳に記載しておくことで処方するときの参考になるでしょう。
医師や薬剤師に相談してから飲む
漢方薬は薬局やドラッグストアなどでも購入できますが、飲み合わせに不安があるときには医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。
自己判断で漢方薬を服用し始めると、飲み合わせが悪かった場合に悪い影響が出る可能性があるので、常用薬がある方は医師や薬剤師に相談しましょう。
実店舗だけではなく、最近はオンライン上でも漢方薬が購入できます。オンラインで漢方薬を購入する場合も、現在服用している薬について薬剤師に相談しながら購入できるサービスがあります。
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まとめ
漢方薬は、月経不順や月経痛、更年期障害などホルモンの乱れからくる症状への効果が期待できる対処法のひとつです。一般的には、漢方薬は副作用が少ないと考えられていますが、飲み合わせによっては体に悪い影響を及ぼす可能性があります。
安心して漢方薬を使用するために、漢方薬の用法、用量、種類に気を付ける、お薬手帳に記載して確認できるようにするといったことを意識しましょう。また、少しでも不安がある方は、自己判断をせずに医師や薬剤に相談してみましょう。