20代の女性が一回で妊娠する確率はどれぐらい?

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

20代女性が1回の性行為で妊娠する確率と妊娠する確率を上げる方法について解説していきます。

20代女性では排卵日の予測や健康な体作りが重要になります。排卵日を正確に把握し、バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスの管理を心掛けましょう。また、冷えの対策として漢方薬の活用も効果的です。

この記事でわかること

  • 20代女性が1回の性行為で妊娠する確率の一般的な傾向
  • 妊娠する確率を上げるための具体的な方法やポイント
  • 月経周期や排卵日の把握の重要性
  • 健康な体作りやサプリメントの活用による妊娠する確率を向上する方法

20代女性が1回で妊娠する確率は?

20代女性が1回の性行為で妊娠する確率は、一般的に比較的高い傾向があります。

妊娠成立には月経周期や排卵日の正確な把握が重要であり、正しいタイミングで性行為を行うことが理想です。

また、健康な生活習慣や栄養バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理が妊娠する確率を高める要素となります。これらの要素を組み合わせることで、月経周期1回あたりの妊娠する確率を高めることができます。

ただし、個人の体質や状態によって結果は異なるため、確実な数字を出すことはできません。自身の体調や月経周期を把握し、適切なケアと知識を持つことが大切です。

年齢によって妊娠する確率が低下する原因

年齢によって妊娠する確率が低下する主な原因は、加齢に伴う卵子の質の低下です。卵子は出生時に既に全て形成されており、歳を重ねることにより質が低下します。

また、卵子の数も年齢が上がると減少していくため、不妊治療が必要な場合もあります。この現象は科学的に証明されており、年齢と妊娠力の関係は明らかです。加えて、女性の身体全体の健康状態やホルモンバランスの変化も影響を与えます。

そのため、年齢を重ねるにつれて妊娠する確率は低下する傾向にあります。しかし、個人差もありますので、妊娠を希望した場合には個別の相談や適切な医療施設での相談が重要です。

妊娠の確率をあげる方法

妊娠を希望する女性にとって、妊娠の確率を上げる方法は重要です。ここでは、妊娠する確率を上げるための具体的な方法について解説します。

排卵日を把握する

妊娠するためには排卵日を正確に把握することが重要です。排卵日は月経周期の中で妊娠しやすい時期を示しています。

排卵日を把握する方法として、基礎体温や排卵検査薬の利用が有効です。排卵日にタイミングを合わせて性行為を行うことで妊娠する可能性を高めることができます。

規則正しい生活習慣

健康的な生活習慣は妊娠する確率を上げる要素の1つです。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などが含まれます。

また、ストレスを軽減するためにリラックス法などのストレス管理の方法を取り入れることも大切です。健康的な体と心の状態が妊娠をサポートする役割を果たします。

適度な運動を心がける

適度な運動は妊娠の確率を向上させる重要な要素です。研究によると、BMIに関わらず全ての女性において運動することは妊娠する確率を向上させる効果があります1)。

適度な運動とは、有酸素運動や軽度の筋力トレーニングを週に数回行うことです。

例えば、ウォーキングや水泳、サイクリングなどの運動を30分から60分程度行うことが推奨されています。

適度な運動は体重を適正にする助けとなり、ホルモンバランスを整える助けにもなります。

一方、過度の運動は妊娠の障害となる可能性があるので、気をつけましょう。

十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとることは妊娠の確率を向上させる重要な要素です。

ある研究によると、睡眠不足が妊娠に対して悪影響を及ぼすことが示されています。一般的に、成人は7~9時間の睡眠が推奨されています。十分な睡眠をとることでホルモンバランスが整い、体の回復と修復が行われます。

また、ストレスの軽減にもつながります。規則正しい睡眠スケジュールをとり、寝る前にリラックスする方法を取り入れることが有効です。

ストレスを解消し、リラックスする時間を作る

ストレスは妊娠に悪影響を与える可能性があります。ストレスが高まるとホルモンバランスが乱れ、排卵や受精に影響を及ぼすことがあります

そのため、ストレスを解消し、リラックスする時間を積極的に作ることが重要です。

例えば、ヨガや瞑想、アロマセラピーなどのリラクゼーション方法を取り入れることが有効です。

また、趣味や好きな活動に時間を割くこともストレスの軽減につながります。

個人の状況や体力に合わせて適切な睡眠時間やリラックス方法を見つけることが大切です。医師や専門家の助言も参考にしながら、自身に合ったケアを行いましょう。

健康的な食事や栄養素を摂取する

健康的な食事と適切な栄養素の摂取は妊娠する確率を向上させるために重要です。以下のポイントに注意することをおすすめします。

  • トランス脂肪酸の摂取を制限しましょう。トランス脂肪酸は不妊と関連しており、加工食品や一部の油に含まれています。代わりに、健康な脂肪としてオメガ-3脂肪酸を摂取することが妊娠率を向上すると言われています2)。
  • 果物、野菜、全粒穀物、魚を中心の食事をすると、胚移植や人工授精での妊娠率を向上させる効果があるとされています。健康に気をつけた食事や加工食品の控えめな摂取が重要です3)。
  • 全粒穀物、オメガ-3脂肪酸を含む魚、大豆などの消費を増やし、トランス脂肪酸や赤身肉の摂取を減らすことが推奨されています。ビタミンDも妊娠に有効な栄養素です4)。

具体的な食品としては、魚(特に青魚)、オリーブオイル、ナッツや種実類、豆類、全粒穀物などを摂取することが推奨されています。

もし食事で必要な栄養素を摂取するのが難しい場合は、医師や栄養士と相談し、サプリメントの利用も検討しましょう。

身体を冷やさないようにする

身体を冷やさないようにすることも妊娠する確率を向上させるために重要です。ただし、冷え性の有無自体は不妊とは関連していないとする研究もあります1)。

しかし、ほてりや冷えのぼせなどがある場合、妊娠に悪い影響を及ぼす可能性があるとされています。そのため、個人に合わせた適切な温度管理や血流促進の対策を行うことが重要です。

冷えなどの対策には漢方薬がおすすめ

冷えの対策として、漢方薬の利用がおすすめです。漢方薬は体内のバランスを整える効果があり、冷えや血流不足などの問題に対処することができます。

オーダーメイド漢方薬は、個々の状態に合わせて調合されることから、より効果を実感することができます。

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妊娠に対し不安がある場合は医療機関を受診しましょう

妊娠に対し不安がある場合は、妊娠の確率をあげるためにも医療機関を受診することが重要です。医師の診断や検査により、妊娠に関する身体の状態や問題点が明らかになります。

必要に応じて適切な治療やアドバイスを受けることで、妊娠の可能性を高めることができます。

不安や疑問がある場合は、専門の医療機関を訪れて相談してみましょう。

医師の専門知識と経験に基づいた適切なケアが提供され、安心して妊活に取り組むことができます。

自身の体に関する疑問や不安を解消するために、医療機関の受診を積極的に検討しましょう。

まとめ

この記事では、20代の女性が一回の性行為で妊娠する確率について解説し、妊娠確率を上げる方法を提案しました。

20代の女性が1回の性行為で妊娠する確率は比較的高いです。妊娠する確率を上げるためには、排卵日の把握が重要です。

また、健康な体作りやバランスの取れた食事、適度な運動も妊娠する確率を高める要素になります。

不安や疑問がある場合は、医療機関を受診して専門の医師のアドバイスを受けることをおすすめします。

この記事を参考に、自身の体質や状況に合ったアプローチを取りながら、健康な妊娠を目指しましょう。

参考文献

1) Wise LA, et al. A prospective cohort study of physical activity and time to pregnancy. 2012 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3340509/

2) Wise LA, et al.Dietary Fat Intake and Fecundability in 2 Preconception Cohort Studies. 2018 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5860620/

3) Vujkovic M, et al. The preconception Mediterranean dietary pattern in couples undergoing in vitro fertilization/intracytoplasmic sperm injection treatment increases the chance of pregnancy. 2010 https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(09)04338-6/fulltext

4) Chiu YH, et al. Diet and female fertility: doctor, what should I eat? 2018https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001502821830428

5) 白井 麻衣子ら 女性の冷え症状と不妊症との関係について2016 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/66/3/66_180/_pdf/-char/ja

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