PMSを治したい|原因を知ってPMSの主な症状や改善方法を紹介

「生理前の辛い症状をなんとかしたい!」と悩む女性は多いです。 PMSは生理前におこる心身の不快な症状です。

PMSの主な症状には、イライラ、気分の落ち込み、むくみ、頭痛、乳房の痛みなどがありますが、現れる症状は人それぞれ。 PMSの原因はいまだに解明されてはいませんが、自分でできる改善方法や薬による治療法がいくつかあります。

本記事ではPMSの原因、症状、改善方法を解説します。PMSがひどく、改善方法を知りたい方は参考にしてください。 この記事でわかること

  • PMSとは
  • PMSの原因
  • PMSの主な症状
  • PMSを改善する方法
  • PMSを改善する運動
  • PMSを改善するツボ押し
  • PMSを治す食事
  • PMSを改善する漢方薬
  • 症状がひどい場合は婦人科やクリニックを受診しましょう

PMSとは

PMSとは、次の月経がはじまる3〜10日の間に続くカラダやココロの不調のことです。 PMSはpremenstrual syndromeの略で、日本語では月経前症候群とよばれます。名前の通り、月経前になると不快な症状があらわれ、月経がはじまると症状がなくなったり、和らぐ特徴があります。

月経がある女性のほとんどが、月経前になると何らかの症状があらわれ、2〜10%が日常生活に支障をきたしているとされています1)。

PMSの原因

PMSの原因は未だに不明ですが、一つの説では女性ホルモンの揺らぎの影響が考えられています。 女性のカラダは毎月、妊娠の準備をするために、体内の女性ホルモンが大きく変動します。

PMSは黄体期と呼ばれる時期に起こり、黄体期前半は排卵後に2つの女性ホルモンが豊富に分泌され、後半は急激に低下する変動があります。 黄体期の女性ホルモンが急激に低下するときに、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常でPMSが引き起こされると考えられているようです。

PMSの主な症状

PMSの主な症状は下記の通りですが、あらわれる症状は人それぞれで多彩な症状がみられます。

  • カラダの不調…乳房の痛み・張り、お腹の張り、腰痛、頭痛、手足や顔のむくみ
  • ココロの不調…ゆううつな気分、イライラする、不安、怒りっぽくなる、引きこもり

なお、ココロの不調がとくに強く、学業や仕事、家庭生活や人間関係上、日常生活にも支障が出る場合はPMDD(月経前不快気分障害)とよばれます。

例えば「月経前になると、訳もなく涙が止まらなくなる」「憂うつな気持ちが続き、気分が大変落ち込んでしまう」といったように、感情のコントロールが上手くできずに悩む女性が多いです。

 

PMSを改善する方法

PMSを改善する方法には、自分でできる対処法と薬による治療法があります。 症状が軽い場合は、自分でできる対処法から試してみましょう。ただ、気分の落ち込みが激しいなどの場合、専門家による治療が必要なケースもあるため注意が必要です。  

〜自分でできる対処法〜

  • 症状日記をつける…自分の病状の理解が深まり、PMSへの症状に対処しやすくなる
  • 生活習慣の改善…規則正しい生活、十分な睡眠をとる、適度な運動、食生活の見直しなど
  • 仕事の負担を減らす
  • リラクゼーション、アロマなど自分にあうストレスマネジメントを取り入れる

PMSを改善する運動

PMSにはウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。 有酸素運動とは筋肉を動かすときのエネルギーに酸素を使う運動です。

1日20分、週3回の有酸素運動は、PMSの食欲増加やほてりなどを抑える効果が示された報告があります2)。 PMSを治したいときは、生活の一部に有酸素運動を取り入れてみることもおすすめです。

PMSを改善するツボ押し

PMSをツボ押しで改善する方法もあります。 ツボ押しとは東洋医学に基づく治療法です。鍼やお灸、指圧などでツボを指圧することで病気を予防したり、体質改善により不快な症状を根本から改善する考えになります。 PMSの改善には以下の3つのツボ押しがおすすめです。

  • 三陰交(さんいんこう)…ふくらはぎの内側の、内くるぶしから指3本分上にあるツボ
  • 大衝(たいしょう)…足の親指と人差し指の骨が交差する部分前の凹みにあるツボ
  • 関元兪(かんげんゆ)…腰の真ん中を挟んで左右にあるツボ

PMSを改善するための食事

PMSの対策の一つに食事の見直しがあります。PMSにはミネラルやビタミンが不足しないバランスの良い食事がすすめられます。カルシウムとビタミンB6がPMSに有効という報告もあります3)。

ここではさらにPMSでよく見られる、イライラ、むくみにおすすめな食事を解説します。

【イライラ・食欲増進】血糖値の急上昇をおさえる食事を意識する

血糖値が乱高下することで、PMSの症状が悪化する可能性があります。 生理前になるとイライラしたり、食欲が止まらなくなり、ついつい甘い物を食べすぎてしまうことはありませんか? 甘いものや糖質が高いものを食べ過ぎると、血糖値が急上昇し、その後低下するといった乱高下がおこります。

血糖値の乱高下はいらいらや過食を増やすとされ、さらにPMSが悪化すると考えられています。 血糖値の急上昇をおさえるためには、食物繊維が豊富な野菜や海藻類の食材を使った食事がおすすめです。

バランスのよい食事にするためにも、副菜で野菜やきのこ、海藻類をたっぷり摂ることを意識してみてくださいね。

【むくみ】塩分を摂りすぎないようにする

月経前にむくみがある場合は、塩分を控えめにしたり、カリウムを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう。 PMSがおこる時期にあたる、排卵後から月経前の黄体期はカラダが水分を溜め込もうとして、むくみやすくなると考えられています。

塩分のとりすぎはむくみの原因になるため、月経前は塩分を控えめにするためにも、味付けに工夫する食事を意識してみてください。 他にも、カリウムを豊富に含む野菜や果物の積極的に摂取しましょう。カリウムは塩分をカラダの外に排泄する働きがあるため、むくみに効果的です。

PMSを改善する漢方薬

PMSの薬による治療法の一つに漢方薬があります。 PMSは多彩な症状がみられ、複数の症状が同時に出ることも多いです。漢方薬は一製剤につき、複数の有効成分の生薬が含まれている薬のため、複数の症状に効果的といった特徴があります。

PMSのように、原因がはっきり分からず、様々な不快な症状がある場合は、漢方薬が処方されることが多いです。 漢方薬は市販薬、病院で処方してもらう、漢方薬局やネットでオーダーメイド漢方を処方してもらうなどの入手方法があります。

オーダーメイド漢方定期便

症状がひどい場合は婦人科やクリニックを受診しましょう

PMSの症状がひどい場合は、専門的な治療が必要なケースもあるため、我慢せずに婦人科やクリニックを受診しましょう。 病院では生活習慣の指導以外にも、ホルモン剤や症状に対する薬による治療が行われます。

例えば、ホルモンバランスを整える低用量ピル、むくみをとる利尿剤、鎮痛剤、精神安定剤などが処方されます。 中でも、気分の落ち込みが大変激しいなど症状がひどい場合は、心療内科など専門医による治療が必要なケースもあります。

まとめ

本記事ではPMSの原因、症状、改善方法を解説しました。PMSの治し方のポイントは以下の通りです。

  • PMSの治し方には、自分でできる対処法と薬による治療法がある
  • 三陰交、大衝、関元兪の3つのPMSを改善するツボを試してみる
  • ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動がおすすめ
  • ミネラルやビタミンが不足しないバランスの良い食事を意識する
  • 薬による治療では、漢方薬、低用量ピル、利尿剤、鎮痛剤、精神安定剤などが使われる

PMSを改善するためには、自分でできる対処法を取り入れつつ、それでも症状が軽減されなかったり、症状がひどい場合は婦人科やクリニックで適切な治療を受けましょう。

参考文献

1)株式会社メディックメディア.病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科第4版.2018https://www.byomie.com/products/vol9/

2)Mohebbi Dehnavi Z, t al. The effect of 8 weeks aerobic exercise on severity of physical symptoms of premenstrual syndrome: a clinical trial study. 2018 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29855308/

3)Nahid Fathizadeh et al. Evaluating the effect of magnesium and magnesium plus vitamin B6 supplement on the severity of premenstrual syndrome. 2010https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3208934/

この記事をシェア