みなさんは仕事や家事、育児などで毎日忙しいと「身体がだるい」「イライラする」「眠れない」など、心身の不調を感じることはありませんか?そのような悩みを解決するのが漢方です。
とはいえ、漢方には「飲みにくい」、「味が苦い」、「値段が高い」というイメージを持つ人も多いはず。
そこで今回は、漢方の代表的な種類別の正しい飲み方や、飲みやすくするコツ、保存時の注意点などをご紹介します。
この記事でわかること
- 漢方の種類別の正しい飲み方
- 漢方に飲みにくさを感じた時のコツ
- 漢方を飲むタイミングや保管方法
- 値段が高いと感じたときの解決策
漢方が飲みにくいと感じる人や、値段が高くて服用を迷っている人も、最後まで読み進めていただくことで、自分の心身のために漢方を継続して取り入れたいと感じるでしょう。
漢方とは
漢方とは、漢方医学に基づいて処方される薬で「漢方薬(かんぽうやく)」を指します。一般的には「漢方=漢方薬」とイメージする人が多いですよね。
本来、漢方医学は中国発祥の自然哲学・東洋医学の理論に基づき、日本独自で発展した「医学」のことで、漢方薬は医薬品のことをいいます。
漢方薬の原料は、生薬(しょうやく)という自然由来の植物などです。
漢方医学に基づき、それぞれの植物が持つ効果を組み合わせて処方され、今では8割以上の医師に取り扱い経験があり、医学部でも漢方医学の授業が開講されるようになりました1)。
漢方医学は、一人ひとりの体質や不調に合わせて心身にアプローチするため、効果を発揮しやすく、西洋医学とは違い原因の根本から不調を改善することが期待できます。
漢方の飲み方
漢方薬は「粉末や錠剤の量が多い」「苦くて飲みづらい」というイメージが強いですよね。しかし、今は飲みやすさが工夫され、さまざまな形状の漢方薬が販売されています。
この項目では、細粒剤、エキス剤、丸剤の特徴や、飲み方のコツを紹介します。
特に効果的といわれている「お湯に溶かす場合の飲み方」も解説するので、漢方薬が苦い・飲みにくいと感じている人はぜひ参考にしてみてください。
細粒剤の場合
細粒剤(さいりゅうざい)とは、粒が最も細かな剤型「散(さん)」のこと。漢方薬の名前をよく見ると「~湯」「~散」とついていませんか?
細粒剤は「散」を指し、生薬を細かく刻んで粉にした薬です。錠剤と比較して、体内に吸収されやすいといわれています。
代表的な漢方薬には、婦人科系3大漢方薬の「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などがあります。
これらには、錠剤もありますが、1日12粒など量が多いため、細粒剤が飲める人は細粒剤を処方されることもあります。
細粒材の飲み方は、そのまま飲むこともできますが、服用ゼリーやオブラートを使うと飲みやすくなりますよ。
お湯で溶かして飲む場合
漢方薬のなかで、お湯で溶かすものを「湯(とう)」といいます。
「湯」は漢方薬で最も種類のある薬で、生薬を煎じたものです。
煎じるとは「煮出す」という意味を持ち、細粒剤以上に体内に吸収されやすいといわれています。
「湯」はお湯に溶かして飲むことが推奨され、その理由は主に3つあります。
- 漢方医学には、身体を冷やすことはよくないという考えがあるから
- お湯で溶かすと吸収率が上がるから
- お湯に溶かすことで、漢方薬独自の香りや味を引き出し、漢方薬の効能を高められるから
「湯」の代表的な漢方薬には、葛根湯(かっこんとう)や半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)があります。錠剤のものもありますが、もともとはお湯で溶かすことが推奨されている漢方薬です。
「湯」の飲み方は、カップに1回分の漢方薬を入れ、大さじ1杯ほどのお湯で溶かします。そのあと100ccほどのお湯を足して飲むと香りを楽しみながら、効果を感じられます。
エキス剤の場合
エキス剤とは、いくつかの生薬を煎じた液体を使用し、粉末状に細かくしたものです。「医療用漢方エキス製剤」とも呼ばれ、携帯性に優れ、飲みやすさもあるといわれています。
たとえば桂枝湯(けいしとう)や麻黄湯(まおうとう)など、風邪のひき始めに飲む漢方薬や、ストレスや腹痛改善が期待できる漢方薬などは、エキス剤(エキス顆粒)として販売中のものが多く存在します。
水で飲むこともできますが、飲みやすい温度のお湯に溶かすことで、漢方薬本来の効果が期待できるといわれていますよ。冬は特に身体が温まるので、よりよい効果が得られるでしょう。
丸剤の場合
漢方における丸剤(がんざい)とは、生薬を粉末にしたものにハチミツなどを加えて固めた薬です。緩やかに体内で溶けることで、徐々に症状を回復させます。
丸剤は「~丸」という漢方を指すこと多く、代表的なものに身体を温めるのに効果的な八味地黄丸(はちみじおうがん)や、足腰の痛みやしびれに効果的な牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などがあります。
飲み方のコツは、噛んだりなめたりしないこと。一般的には、水や白湯で飲むことが推奨されています。
漢方薬が飲みにくい場合
漢方が飲みにくいと感じる場合は、水や白湯を先に口に含んで飲みましょう。
たとえば顆粒の場合、まずは口に水や白湯を含んで、飲み込まずに漢方薬を口に入れます。そのあと、水や白湯と一緒に漢方薬を飲み込んだら、そこへ水や白湯を飲むと飲み込みやすくなります。
この時に、飲み物は「水または白湯」にしてください。なかには「牛乳やジュースでもいい」という情報も目にしますが、薬の吸収力を妨げる可能性があるため、必ず「水または白湯」にしましょう。
それでも飲みづらさを感じる方には、ゼリーと一緒に飲む方法もあります。薬剤師に相談しながら服用ゼリーを購入しましょう。その際も、必ず使い方をよく読んでからご使用ください。
漢方薬を使用する際の注意点
漢方薬は「飲むタイミングがわからない」という人も多くいますよね。特に「食間」がいつかわからない人も多いでしょう。
ここでは、飲む時間や飲み忘れた場合の飲み方のコツ、漢方薬の使用期限、保管方法を解説します。
飲む時間
漢方薬を飲む時間は、基本的に「食前」「食間」のどちらかです。
このタイミングの共通点は、胃になにも入っていない状態。漢方薬の有効成分が体内に吸収されやすくなります。「食前」は、食事の30分~1時間前、「食間」は食後2時間のことです。
漢方薬を飲む時間間隔の目安は、服用してから短くても4時間以上はあけるようにします。
ただし、それぞれ1日に飲む回数やタイミングなどの用法が決まっているため、ご自身の飲む漢方薬の注意書きに沿って服用してください。
万が一飲み忘れた場合は、2回分を1度に飲まず、時間間隔を4時間以上あけて1回分服用するようにしましょう。
使用期限
漢方薬の使用期限は、未開封の場合3~5年間です。ただし、漢方薬は漢方医学に基づき、そのときの症状にあわせて処方されるものなので、今の症状にあっていない場合もあります。
また、開封すると空気に触れて変色・変質しやすくなり、副作用の原因になりかねません。
まずは、医師や薬剤師などに相談しましょう。自己判断でしばらく飲んでいなかった漢方を飲んだり、古い漢方を飲んだりしないようにしてください。
保管場所
漢方薬の保存場所は、風通しのいい、直射日光の当たらないところにしましょう。涼しくて湿気のないところがいいですね。
漢方薬はカビがつきやすく、デリケートな薬です。特に湿気の多い時期は、袋ごとチャック付きのジッパー袋や密閉容器などに入れて、冷暗所や冷蔵庫で保管しましょう。
ただし、袋を開封して容器に移さないでください。開封すると、直接空気に触れてしまうだけでなく、丸剤などだとほかの薬と間違えてしまう場合もあります。
必ず直射日光の当たらない場所で未開封の状態で保管してください。
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まとめ
漢方の種類別の正しい飲み方、飲みにくさを感じたときのコツ、飲むタイミングや保管方法について紹介しました。
漢方薬は、みなさんの体質や症状にあわせて処方するオーダーメイドの医薬品です。
漢方薬には種類がありますが、飲み物は水または白湯(お湯)が推奨されています。
特に、冷えを感じやすい女性は白湯で飲むのがおすすめですが、飲みにくい場合は、服用ゼリーの使用も検討してみてください。
処方された漢方の用法・用量を守りながら、なるべく風通しのいい涼しい環境で保存してくださいね。
漢方はみなさんの心身を今より元気にするためのものです。ぜひ漢方・漢方薬を取り入れて、不調を改善し、健康に過ごしましょう。
参考文献
1) 愛知県保険医協会: 「生薬・漢方薬の基礎と臨床生薬学」明日の臨床22号vol.2 11~18,2010 http://asunorinsho.aichi-hkn.jp/wp-content/uploads/2015/08/2010_2202_021.pdf