自宅で測るホルモン検査canvasについて
canvasは、女性の健康に関わるホルモンを自宅で検査できるサービスです。卵子の残りを表すAMH検査は妊活を始める時期の目安として重要ですが、これまでは病院でしか調べることができず、検査のハードルが高くなっていました。。canvasなら、自宅で手軽にAMH検査をすることができます。
この記事でわかること
- AMHで何がわかるのか
- AMHの周期ごとの変動
- AMHの測定誤差
AMHで何がわかるのか
AMHとは何?
AMH(アンチミュラー管ホルモン)は成熟途中の卵胞(卵子を含む袋)から放出されるホルモンで、AMHの値は卵子の数と相関しているといわれます。人間では卵子が産まれてから増えることはなく、排卵の度に数が減っていくことが知られています。そのため、AMHの値は年齢と共に少しずつ減少していきます。
AMHから何がわかる?
AMHの値からは同世代と比べて卵子の数が多いか少ないかの目安を知ることができます。前述の通り卵子は産まれてから減るばかりですので、いつまで自然妊娠できるか、卵子がいつなくなるかの目安にすることができます。そのため妊活を始めるタイミングや、更年期が同世代の人と比べて早いかの目安にすることができます。また、AMHが低い人では一度で採卵できる卵子の数が少なく、胚移植するまでに時間がかかるため不妊治療が長期化することがあるとされています。そのため、AMHの値が同世代の平均値と比べて低い人は早期からの妊活や不妊治療の開始が推奨されます。また、AMHの値が低い人では高い人と比べて早く閉経すると言われており、35-39歳の女性において、AMHの値が0.2ng/ml未満の場合の約半数が10年後に、1.5ng/ml以上の場合の約半数が13年後に閉経を迎えたという報告があります。1)
AMHで妊娠しやすさはわかる?
AMHの値だけでは妊娠しやすさはわかりません。妊娠しやすさは卵の質に比例し、その指標となるのは現在では年齢のみとされています。
AMH検査を解釈する上での注意点
ここからはAMH検査の結果を正しく解釈するための注意点について解説していきます。
AMHの周期ごとの変動
まず、AMHの値は周期ごとに変動します。そのため、複数回測定された方では注意が必要です。以下のグラフからお分かりいただけるように、月経周期によって平均1.2 ng/mlの差が出ることがわかっています。
出典:新橋夢クリニック 瀬川智也先生の発表より
この差が生まれる一番の原因は、月経周期によって育つ卵胞の数が異なるためとされますが、測定精度が影響するという理由もあるといわれています。
AMHの測定誤差
どのような検査にも測定誤差はありますが、AMHは特にその誤差が大きく、医療機関で測定をしても±15%はあるとされます。たとえば測定結果が1であったの場合、±15%の測定誤差がある検査の場合は0.85〜1.15の間の値であるということを示します。
なお、canvasの検査は、微量採血のため、低濃度の場合と高濃度の場合に分けて精度を確認しています。低濃度は±18%、高濃度は1%と、医療機関での全血採血と比較しても遜色ない(むしろ高濃度では医療機関よりも高い)精度を実現しています。
この測定精度は、canvasをセルフチェックとして用いる上で問題ないことをcanvas監修医師、及び連携先クリニック医師によって確認されています。。
ですので、例えば数か月のうちに数回測定をしてAMHの値に上下が見られたとしても、卵巣に異常があるのでは、もしくは検査に不備があるのでは、などと不安に思われる必要はほとんどありません。
※ なお、検査数値は、検査機器のメーカーや測定機関(医療機関、郵送検査機関、など)によって異なってきますので、測定結果を全て一律に比較することはできない点、注意が必要です。
自宅でできるホルモン検査
卵巣年齢、女性ホルモンの状態や更年期の確認には婦人科受診またはホルモン検査をおすすめします。canvasなら、医療機関を受診せず、自宅にいながら産婦人科専門医監修のホルモン検査を受けられます。結果がオンラインで届くため、結果受領のためだけに再受診する必要がなく、忙しい方や受診が億劫になってしまう方にお勧めです。
canvasでは目的に合わせて3つのキットをご用意しています。
canvasブライダルチェックでは妊娠にかかわる女性ホルモンや排卵に関係するホルモンに加え、卵子の残り数(卵巣年齢)がわかるAMH、多すぎたり少なすぎたりすると更年期のような症状を引き起こし、流産・早産のリスクにも関係する甲状腺ホルモンの状態を総合的にチェックできます。
canvas更年期キットでは更年期症状の原因となる、女性ホルモンと甲状腺ホルモンの状態に絞ってチェックができます。
canvas卵巣年齢キットではAMHのみを測定し、卵巣年齢を確かめることができます。
ぜひご自身のホルモン状態を知るのに活用してみてください。
まとめ
AMHを調べることで、妊活を始める時期や更年期が近いかどうかの目安を知ることができます。一方で周期ごとに値の変動が大きいなど結果を解釈する上でいくつかの注意点があります。結果を適切に解釈し、ライフプランを考えるためには婦人科受診や産婦人科医監修のホルモン検査がおすすめです。
参考文献
- Freeman EW et al. Anti-mullerian hormone as a predictor of time to menopause in late reproductive age women. 2012