PMSにハーブティーは効果的?おすすめの種類を紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

「ハーブティーはPMS症状に効果的?」
「どうしてPMS症状があるときにハーブティーを飲むといいの?」
「PMS症状の改善に効果的なおすすめのハーブティーは?」

あなたはこのような疑問を抱えていないでしょうか?

この記事では、ハーブティーがPMS症状に与える影響や、PMS対策におすすめのハーブティーなどについて詳しく解説します。読み進めることで、以下の知識を得られます。

この記事でわかること

  • ハーブティーがもたらす効果について
  • ハーブティーを飲む時の注意点
  • オーダーメイドの漢方薬でPMSを改善を図る

PMS症状に対するハーブティーの効果が気になっている方は、ぜひご一読ください。

ハーブティーはPMSに効果を及ぼす?

紅茶の画像

ハーブの中にはレモンバームやチェストベリー、カモミールなど、PMS症状の緩和が期待できるものがあります。
ハーブティーにはリラックス効果に加えて睡眠改善作用がみられるものもあり、不安やイライラ、眠りにくさなどのPMS症状の改善に役立つと考えられています1)。

PMSの治療法にはホルモン療法や漢方薬などがありますが、ハーブティーを飲むといった日常に取り入れられる工夫でPMS症状が楽になるのは魅力的ですね。

ハーブティーはこんな時におすすめ

ハーブティーには、リラックス効果があるといわれています。また、ハーブティーは副交感神経の働きを促すことで寝つきをよくする働きも期待されています。

ハーブティーは紅茶と違って基本的にカフェインを含まないので、寝る前に飲んでリラックスすることもおすすめです。

ハーブティーにはリラックス効果があるので、PMS症状でイライラしたり気分が落ち込んだりしている時に飲んでみてはいかがでしょうか。きっとリフレッシュできるはずですよ。

PMS対策におすすめのハーブティーの種類を紹介

「PMS症状の緩和には、ハーブティーが役立つことはわかったけど、どのハーブティーを選べばいいの?」という方へ、PMS対策におすすめの以下のハーブティーと飲み方について紹介していきます。

  • レモンバーム
  • チェストベリー
  • カモミール

それでは、それぞれのハーブティーについて詳しく見ていきましょう。

レモンバーム

レモンバームは興奮を落ち着かせる作用と不安を和らげる効果があり、PMSの症状を緩和するのに役立つとされています1)。

レモンバームはシソ科の植物で、レモンのような香りが特徴です。

論文によるとレモンバームを含むハーブティーが特に入眠や睡眠維持を改善することが示されています2)。不安やイライラする、そのせいで眠れない時にも飲むことをおすすめします。

PMS特有の症状をを感じた際にぜひ試してみてください。

<レモンバームの飲み方>

  1. 乾燥したレモンバームの葉を1〜2杯程度ティースプーンを使用して入れる。
  2. 約250mlのお湯で蒸らします。
  3. 10〜15分間蒸らした後に飲みます。

レモンバームのエキスの場合は、レモンバームのエキスを指示された量を守って摂取します。

一般的には数滴から数十滴を飲料水に混ぜて摂取します。

レモンバームティーはブレンドしやすい手軽さが人気のお茶です。おすすめのブレンドを説明します。

  • ルイボスティー

    ルイボスティーはアフリカ産のハーブ。味わいはスッキリとしていますが慣れないうちは少し独特に感じるかもしれません。こちらにレモンバームティーをブレンドすることで飲みやすく、後味爽やかなお茶になります。

  • はちみつ

    レモンバームティーはシソ科の植物なので青臭さを感じる方がいるかもしれません。そんなときに甘いはちみつをちょっと入れると飲みやすくなります。レモンの香りとはちみつの甘みで疲労回復も期待できます。

チェストベリー

チェストベリーは、ホルモンのバランスを調整する作用があり、月経不順や無月経、生理痛、月経過多など、女性特有の症状に用いられます

また月経前の不快感や乳房の腫れを軽減する効果があります。月経前の不快症状(月経前症候群、PMS)や更年期の症状にも使用することができます。

チェストベリーは、チェストツリーのコショウのような果実を使ったハーブで、胡椒のような香りでやや苦味があります。

<チェストベリーの飲み方>

チェストベリーはカプセル剤、ハーブティーなどで摂取することが一般的です。ハーブティーは単品だと少し苦味があるため、ほかのハーブと組み合わせることで飲みやすくなります。

  • レモンバーム3:チェストベリー1:セージ1

    上記の割合でブレンドして飲むと爽やかな香りのレモンバームとセージの清涼感がチェストベリーの苦みを抑えます。チェストベリーがホルモンバランスを整え、鎮静作用があるレモンバームが月経前の不安やイライラといった不快症状を和らげます。

  • ラズベリーリーフ2:ローズヒップ2:チェストベリー1

    上記の割合でブレンドします。ラズベリーリーフやローズヒップは飲みやすく、チェストベリーとの効果が期待できます。ラズベリーリーフはPMS特有の体調の変化を整え、ローズヒップはビタミンCが豊富であり、美肌効果を期待できます。

カモミール

カモミールは、キク科の植物でりんごのような甘い香りがします。抗炎症作用や痛みを和らげる効果があり、PMSの症状を管理するためにも効果的に使用されています。

カモミールティーに含まれるアピゲニンというポリフェノールの一種は、脳の神経を興奮させる物質とホルモンが心身に与える影響を軽減し、交感神経系を和らげます。

またドーパミンとセロトニンの作用を調節して抑うつ症状を軽減するように働きかけます。また炎症を抑えたり、痛みの感覚を軽減する働きもあります。

さらにカモミールティーは、子宮のけいれんを和らげることで生理痛を和らげる効果を持っています3)。

<カモミールの飲み方>

カモミールを2gいれてコップに200mlのお湯を注ぎ、カモミールティーの完成です。

カモミールティーはブレンドすることでさらにおいしく、効果的な飲み方があります。

  • はちみつを加える

    カモミールティーに蜂蜜を足すことでリラックスさせる、免疫力を高める作用があります。カモミールティーに蜂蜜を加えるとカモミールの爽やかな香りに甘い香りが加わり飲みやすくなります。

  • リンゴジュースを加える

    カモミールティーはリンゴに近い香りがしますがそこにリンゴを加えることでさらに香りが増して美味しくなります。 温めて飲むときはリンゴジュースを1分ほど温めてから混ぜましょう。 リンゴは栄養が豊富で食物繊維のペクチン、抗酸化作用を持つリンゴポリフェノール、クエン酸、カリウムが豊富に含まれているので、整腸作用・美肌効果・生活習慣病予防に期待できます。

  • ミルクを加える

    カモミールはリラックスさせてくれる効果があり、そこに眠りに導くセロトニンの原料となるトリプトファンが含まれているミルクを加えることで効果が高まります。 ミルクにはストレス解消効果もあり、相乗効果でメンタルを安定させるほか、リラックスできます。 また胃の粘膜を保護する効果もあるため、胃腸の調子を整えてくれます。 作り方は、ミルクを温めてからその中にカモミールティーを加えます。弱火で5分ほど置いたら飲み頃です。

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ハーブティーの注意点

PMS症状の緩和にはハーブティーがおすすめですが、注意しなければならないこともあります。 本項では、ハーブティーを飲む際の注意点を3つご紹介します。

  • 副作用がある可能性がある
  • 薬との飲み合わせにも注意が必要
  • 植物アレルギーの場合は摂取を控える

それでは、それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

副作用がある可能性がある

基本的に、お茶として飲むような少量のハーブでは副作用の心配はありません。しかし、過剰摂取すると副作用が出る場合があります。

例えば、上記で紹介したハーブティーの副作用は以下の通りです。

  • レモンバーム:アレルギー反応や不整脈が起こることがある
  • チェストベリー:副作用の多くは軽度で、気持ち悪さや頭痛、胃腸障害やかゆみなどがみられることがある
  • カモミール:気持ち悪さや、めまい、アレルギー反応などがみられることがある

ハーブティーはお茶として使用するような少ない量では問題ありませんが、まれに副作用がでることを認識しておきましょう。

薬との飲み合わせにも注意が必要

多くの人は、サプリメントと、処方薬あるいは市販薬の両方を服用しています。しかし、これらの薬やサプリメントが有害な相互作用を起こす可能性があります。

一部のサプリメントには、薬の効果を弱める可能性があるものもあれば、副作用などを含む薬の効果を強める可能性があるものもあります。

上記で紹介したハーブティーと薬の飲み合わせについては以下の通りです。

  • レモンバーム

    薬との飲み合わせは問題ありません。

  • チェストベリー

    乳がんや子宮がん、卵巣がんなど、ホルモン感受性が高まる症状・疾患を有する女性がチェストベリーを摂取すると、安全ではない可能性があります。チェストベリーは、避妊薬(ピル)、パーキンソン病薬、精神病薬などの薬剤と相互作用を有する可能性があります。

  • カモミール

    シクロスポリン(免疫を抑える薬)やワルファリン(血液をさらさらにする薬)と相互作用を有することが報告されています。

かかりつけの医療スタッフに服用、摂取しているすべての医薬品とサプリメントについて伝えることが重要です。病院を受診する際は服用・摂取している全ての名前、服用・摂取する頻度、服用・摂取量を書き出したリストを持っていくと良いでしょう。

植物アレルギーの場合は摂取を控える

花粉症の症状がある方はアレルギーを起こしやすいので注意が必要です。

特にキク科のハーブにアレルギー症状が出ることがあり、発疹や喘息、アナフェラキシーなどのアレルギー反応を起こすことがあります。その他には嘔吐、胃痛、下痢、口の渇き、頭痛、舌の痺れ、めまい、不眠症などの副作用が出ることも。

キク科のハーブを使った代表的なハーブティーはエキナセア、カレンデュラ、カモミールがあります。その他に上記で紹介したハーブティーのアレルギー反応は以下の通りです。

  • レモンバーム

    レモンバームのロズマリン酸というポリフェノール化合物が、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの過剰分泌を抑える働きがあり、鼻づまりなど不快な症状を和らげてくれます。アレルギー症状を緩和してくれるものですが、植物アレルギーのある方は慎重に摂取してください。

  • チェストベリー

    チェストベリーは植物アレルギーを引き起こしやすいハーブではないようですが、摂取する際はかかりつけ医に相談してから、少量ずつ慎重に摂取してください。

  • カモミール

    ブタクサ、キク、マリーゴールドやヒナギク等のキク科の近縁植物にアレルギー反応を起こす人は、カモミールにもアレルギー反応を起こしやすいので注意が必要です。

漢方薬でPMSを改善

漢方では、卵巣から分泌されるホルモンの変化と患者自身の体質やそのときどきの体調が原因にあると考えられています。

つまり子宮内膜や骨盤内の血液の流れが変化するために血流の異常がおき、さらに月経の2週間前ごろからのホルモン量の変化によって体内に水分を貯留させることから水滞が加わります。

また気の異常を伴うこともあり、これら「気」「血」「水」のバランスが崩れることから、色々な症状が起こることになります。

病院や薬局では症状に合わせた漢方薬を処方するのですが、症状はさまざまあり、漢方薬の種類もたくさんあります。

その中でそれぞれ個々に合わせたオーダーメイド漢方もあり、LINEで3分の問診に回答するだけで、婦人科医・薬剤師が一人一人に最適な漢方を処方するcanvasのサービスがおすすめです。

オーダーメイド漢方定期便

まとめ

いかがでしたでしょうか?ハーブティーの効果は論文でも示されており、医学的根拠に基づいたものとなっています。

身近な店で手に入れることができるハーブティーでPMS症状の緩和ができる可能性があります。

またハーブティーを購入する際はオーガニックのハーブティーを選ぶようにしましょう。極力化学的な要素を取り除いたハーブティーのため、身体に優しく安全性の高いものを取り入れたい方におすすめです。

今回は以下の内容について説明しました。

  • ハーブティーはPMS症状の不安の緩和に効果的
  • PMSににおすすめのハーブティーは「レモンバーム」「チェストベリー」「カモミール」
  • ハーブティーを飲む際は副作用や薬との飲み合わせに注意
  • 漢方薬でPMSを改善できる

PMSによる不安やイライラ、眠りにくさを感じた場合は、日々の生活にハーブティーを取り入れてみることをおすすめします。

参考文献

1) Jun Marzieh Akbarzadeh,1,* Mansoore Dehghani,2 Zeinab Moshfeghy,3 Masoumeh Emamghoreishi,4 Pouran Tavakoli,5 and Najaf Zare6 2015 Effect of Melissa officinalis Capsule on the Intensity of Premenstrual Syndrome Symptoms in High School Girl Students . Discussion 4 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4557408/

2) Kazuo UEBABA,Masuo NAKAI,Fenghao XU,Hongbing WANG,Satoshi OHNO,Hirotaka HAYASHI,Takanari ARAI,Nobutaka SUZUKI 2007 Oct QOL Improving Effects of Herbal Teas https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/4/3/4_3_119/_pdf/-char/ja

3) Zahra Bostani Khalesi1 , Soheila Pirdadeh Beiranvand3, Mahshid Bokaie2 2019 Efficacy of Chamomile in the Treatment of Premenstrual Syndrome: A Systematic Review Discussion 206 discussion and conclusions 123 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6970572/#!po=8.33333

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