「月経前に寒気を感じることが多いけれど、PMSの症状としてはあまり聞かないな」「寒気を感じたときはどう対処したらいいんだろう」とお悩みではありませんか。
月経前の不調は、イライラや微熱のような熱っぽい症状を感じる方が多いですが、寒気のように冷える症状が出ることもあります。
今回の記事では、PMSに伴う寒気について解説します。PMSに伴う寒気は、女性ホルモンの変化により、体温が変動することが主な原因です。
また、寒気を感じたときの対処法も紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
この記事でわかること
- 月経前の寒気がPMSに伴うものか判断する基準
- PMSに伴う寒気の原因
- 寒気を感じる時の対処法
PMS(月経前症候群)とは
PMSとは、「月経前に3~10日間続く、精神的もしくは身体的な症状で、月経が始まると軽快するか消失するもの」です。
PMSが起こる原因は、主に女性ホルモンの変動と考えられています。しかし女性ホルモンの変動以外にも、ストレスや脳内の別のホルモンの影響も受けるとされており、正確にははっきり分かっていません。
また、PMSは人によって症状の出方や辛さが異なります。精神的な症状はイライラや気分の落ち込みなどがあり、身体的な症状は頭痛や食欲が増える、胸が張る、だるい、微熱っぽい、寒気がするなどさまざまです。
月経前の寒気はPMSによるもの?
月経前の寒気がすべてPMSによるもの、とは言い切れません。もちろんPMSに伴って寒気を感じることはあります。しかし、他に原因がある場合もあります。
例えば、風邪や虫垂炎など体の中に炎症が起きて熱が出ている場合、寒気を感じます。他の原因を見逃さないためにも、PMSだと決めつけないことが大切です。
PMSに伴う寒気と、他の原因による寒気を見分けるために、体調と月経の記録をつけましょう。手書きでも問題ありませんが、記録に便利なアプリもたくさんあるので利用すると良いでしょう。
症状が出る時期と月経時期を見比べて、PMSによるものか判断します。月経前に症状が出て、月経が始まると共に症状が消える場合は、PMSに伴う寒気である可能性があります。しかし、月経が始まっても症状が続く場合は、PMS以外が原因の可能性が高いので、内科や婦人科で相談するのが望ましいです。
PMSに伴う寒気の原因
PMSに伴う寒気は、月経前の女性ホルモンの変化が関係しています。月経周期において、女性ホルモンの変化に連動して起こる体温の変化を詳しくみていきましょう。
排卵から月経までの期間は、黄体ホルモンの分泌が増え、体温が高くなり高温期と呼ばれます。黄体ホルモンの分泌量は、高温期の約14日間の終わり頃から減少し始めます。
黄体ホルモンの減少に伴って、体温は低温期に切り替わります。そして低温期に入ってから、月経が始まります。
このように月経前には、高温期と低温期の体温の差が生じるため寒気を感じると考えられます。
寒気を感じる時の対処法
寒気を感じる時の対処法を紹介します。紹介する対処法は体を温める、食事、漢方の3つでどれも取り入れやすい方法です。
PMSに伴う寒気を感じやすい時期に入ったら、早めに対処して少しでも楽に過ごせるように、ぜひ知っておいてくださいね。
体を温める
寒気を感じる時は、とにかく体を温めるのが良いでしょう。手首・足首・首の3つの首を温めるのがポイントです。ハンドウォーマーやレッグウォーマーで手首と足首を、ネックウォーマーやスヌードで首を温めましょう。
腹巻や使い捨てカイロでお腹を温めるのもおすすめです。その他には、湯舟に浸かって全身を温める方法もありますね。
そして寒気を感じる時は冷たい飲食は控え、温かいものを摂りましょう。特にお味噌汁や生姜入りのスープなどが、胃腸を温めてくれます。
バランスの良い食事
食べ物には、体を冷やす性質のものと温める性質のものがあります。
冷やす性質の食べ物は、きゅうりやなす、トマトなど夏野菜に多いです。冷やす性質の食べ物はサラダや冷たい調理法で食べるとさらに体を冷やしますので、焼く・蒸すなどの調理をすると良いですね。
温める食材には、しょうがやニンニク、玉ねぎなどがあります。寒気がする時には、体を冷やす食べ物は控え、温める食べ物を意識して摂るのが良いでしょう。
また、普段からなるべく多くの品目をバランス良く摂ることが、女性ホルモンを含め体全体の健康につながります。出来る範囲で、毎日の食事のバランスを意識しましょう。
漢方
漢方薬には、寒気を改善する処方がいくつもあります。例えば風邪の初期によく使われる、葛根湯は体を温めて寒気を和らげてくれます。
PMSに伴う寒気は、女性ホルモンのバランスを整えることも大切です。「婦人科三大処方」として有名な、加味逍遥散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸を体質に合わせて服用するのも改善が期待できます。
漢方薬は、体質や症状に合わせたものを飲むことが何より大切ですし、寒気がする時だけ飲むよりは、ある程度長期的に服用する方が良い場合もあります。婦人科や漢方薬局など専門家に相談するのが良いでしょう。
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まとめ
今回の記事では、PMSと寒気について解説しました。PMSに伴う寒気なのか、他の原因による寒気なのか見分けることはとても大切です。月経と寒気を感じる時期を記録すると、見分けるのに役立ちます。迷った場合は婦人科で相談するのがおすすめです。
PMSに伴って寒気が起こる原因として、女性ホルモンの変化により体温が変動することが考えられます。寒気を感じたときの対処法も3つ紹介しましたので、少しでも楽に過ごせるように対策していきましょう。