更年期とビタミンについて|ビタミン以外の栄養についても紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

更年期とは、女性の閉経の前後5年のことを指します。この期間には様々な症状が現れますが、この中で他の病気が原因でないことが明確なものを更年期症状と呼びます。さらに、更年期症状が日常生活に支障をきたす場合を更年期障害といいます。

この記事では更年期症状緩和のために良いとされているビタミンについて解説していきます。

更年期症状に有効的なビタミン類

果物

更年期の症状に対しては、ビタミン類の摂取が良いとされています。

ビタミンの中でもビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸は女性に不足しやすいといわれています。ビタミン以外に不足しやすい栄養素としては、カルシウム、タンパク質などがあげられます。

更年期の症状に限らず、ビタミン不足になると健康に障害がでる可能性があるため、不足しないように日頃の食事から意識することが効果的です。

ビタミン摂取のポイント・注意点

ビタミンは「水溶性ビタミン(水に溶けやすい)」と「脂溶性ビタミン(油に溶けやすい)」の22つに分けられ、摂取するときは種類ごとに注意が必要です。

水溶性ビタミンには、ビタミンB群((B1、B2、B6、B12))、ビタミンC、葉酸などがあり、緑黄色野菜や果物に多く含まれます。水溶性ビタミンは熱に弱く、余分なものは尿から排出されます。そのため、熱を加えず生野菜で食べると効率よく摂取することができます。

一方、脂溶性ビタミンはビタミンD、ビタミンEなどがあり、油脂と一緒にとると吸収されやすくなります。そのため、炒め物など油を使う調理法がおすすめです。

脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されやすいため過剰摂取には注意が必要です。日本で販売されているサプリメントでは量が少なめに設定されているためよほど多く摂らなければ体に異常をきたす量にはなりにくいですが、過剰にビタミンをとっても調子が良くなるわけではありませんし、気をつけるに越したことはありません。サプリメントなどを飲むときは、使用量の目安を守りましょう。

更年期にビタミン以外で取り入れたい栄養

更年期にビタミン以外で取り入れたい栄養素としては、カルシウムやタンパク質があげられます。

更年期には、骨を丈夫に維持してくれる女性ホルモン(エストロゲン)の低下がおこります。女性ホルモンの低下以外にも加齢が加わるため、更年期以降は骨を丈夫に保つためにもカルシウムの摂取が大切です。

また、女性ホルモンは骨以外にも肌にハリを与えてくれる働きもあります。また、老化による筋肉のおとろえも懸念されます。そのため、更年期より肌や筋肉などからだの組織をつくるタンパク質の積極的な摂取を心がけましょう。

以下の記事も合わせて読む
更年期と骨の関係について

漢方薬を取り入れることで諸症状の緩和に繋がることも

つらい更年期症状には漢方薬の服用が有効です。漢方薬は、その人の体質や生活習慣など様々なことを総合的に見直し、体の内側から緩やかに症状を改善していくものです。漢方薬には様々なものがありますが、更年期症状に有効な漢方薬は以下のとおりです。

  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン):抑うつやイライラ、ほてり、のぼせなど
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン):冷えや貧血の傾向がある
  • 桂枝茯苓丸(キエシブクリョウガン):のぼせや頭痛、下腹部痛などがある

更年期の症状には個人差があり、症状にあった漢方薬の服用が必要です。漢方薬はゆっくり症状を改善してくれるので、生活に取り入れやすいため、すこしずつでも症状を軽くしたいといった方はぜひ医師や薬剤師に相談してみてください。

▼ LINEで漢方の相談ができる
医師監修の無料問診はこちら

まとめ

以上、更年期と関連が強いと言われるビタミン類でした。

更年期症状の緩和や病気のリスク低減のため、意識して摂取してみると良いかもしれません。

また自分のホルモンバランスが乱れているか分からない場合は婦人科で検査をするか、canvasの検査キットを試してみるのもおすすめ。

canvasの検査キットはこちらより詳しくご覧いただけます。

この記事をシェア