更年期と骨の関係について解説|骨密度の低下が体に及ぼす影響も紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

更年期になるとホルモンバランスの変化から骨がうまく作られなくなってきます。骨の健康が保てないと、骨粗鬆症やそれにともなう骨折、さらには寝たきりなどのリスクが高まります。

本記事では骨粗鬆症の概要と骨密度の低下が体に及ぼす影響について解説していきます。

骨粗鬆症とは

手の骨

骨粗鬆症とは、骨の形成をする骨芽細胞と骨の破壊をする破骨細胞の機能のバランスが崩れることで身体を健康に保つために必要な骨量が減り、質が低下することで骨折しやすくなる状態のことです。

骨粗鬆症の発症は閉経後の女性に多く、食事や運動などの生活習慣のほか骨芽細胞を活発にする役割をもつ女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減ることが原因で起こります1,2)。

骨粗鬆症を予防するためには、骨の単位面積(㎝²)あたりの骨塩量を示す骨密度の増加をうながす栄養素であるカルシウムやビタミンDを食事やサプリメントで多く摂るようにしたり、骨の形成を低下させる喫煙や飲酒を控えたりするなどの対策が有効とされています1)。

骨密度の低下が体に及ぼす影響

足首を押さえる女性

閉経後にエストロゲンが減少し骨密度が低下することが原因で骨粗鬆症になるリスクがありますが、生活習慣の見直しにより予防できることもあるため、30・40代の若いうちから正しい対策をすることが大切です。

「骨が痛い」と感じた時や骨に変形がみられる場合は骨が丈夫かを調べる骨密度測定を受診し、問題があった場合は早い段階での治療を検討してください。

ここでは閉経後の骨密度の低下が身体に与える影響について解説します。

いつのまにか骨折

骨密度の低下によって起こる骨粗鬆症の症状で最も多いのは背骨がつぶれるような脊椎椎体骨折です。この骨折は日常動作で知らない間に起こってしまうこともあり、「いつのまにか骨折」という名称で呼ばれることもあります。ひどい腰痛だと思ったら骨折していた、なんてことがあるのです。また、太ももの付け根部分の大腿骨頚部骨折や手の付け根の部分の橈骨遠位端骨折など日常生活上では折れにくい骨が軽い衝撃によって折れてしまうこともあります。

このように骨密度が低下した状態を放置すると知らない間に腰椎圧迫骨折が起こり、強い痛みの原因となることがあるため異変を感じたら早めに受診することが大切です5)。

運動は骨密度の維持によい影響がある

ウォーキングをする男女

骨粗鬆症による骨折を予防できるかどうかを調査した研究では、運動をすることで45歳以上の男女の筋力や骨密度が維持され骨折のリスクが低下することがわかりました6)。

運動の頻度に関しては明確な基準はなく運動能力に合わせて工夫する必要がありますが、ストレッチにより身体の柔軟性をだすことは脊椎椎体骨折の予防に有効であるとされています。

参考文献

1)日本老年医学学会雑誌第56巻第2号:骨粗鬆症発生のメカニズム,2019

https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/56/2/56_56.116/_pdf/-char/ja

2)厚生労働省:e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html

5)日本医科大学医学会雑誌第5巻第2号:骨粗鬆症脊椎椎体骨折,2009

https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/5/2/5_2_125/_pdf

6)日衛誌:運動,身体活動改善による骨折・骨粗鬆症予防のエビデンス,2003

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh1946/58/3/58_3_328/_pdf

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