更年期になるとめまいを感じる事が増えると言われています。
原因についてははっきりわかっていない事も多いですが、ホルモンバランスの変化が影響している可能性があります。
この記事では、更年期女性のめまいで考えられる原因とその対策をご紹介します。
めまいの症状
めまいは更年期にみられる症状の一つです。 めまいの感じ方はぐるぐる回る、身体のふらつき・ふわふわする、気が遠くなる、目の前が真っ暗になる、など様々で吐き気や冷や汗を伴うこともあります。
原因も多岐にわたり、ストレスによる自律神経の乱れから生じることが多いですが、脳や耳、神経の障害によって生じることもあります。
また、めまいの中でも立ちくらみは、低血圧が原因で起こります。
良性発作性頭位めまい症は内耳の障害によるめまいで、頭を特定の方向に動かした時に誘発されるめまいが特徴です。
良性発作性頭位めまい症は、女性の方が発症しやすいことが多くの調査で分かっており、特に更年期に起こるホルモンの揺らぎによって引き起こされる可能性があるとされています1)。
更年期によるめまいはいつまでつづくのか
めまいを含む更年期の症状は、一般的に50歳後半頃に落ち着く人が多いです。 落ち着くまでの期間は個人差がありますが、更年期に起こる女性ホルモンの急激な低下が体に慣れるまでの期間が考えられています。
更年期の症状は女性ホルモンの揺らぎや減少で起こるとされていますが、更年期前の30代後半から40代前半のプレ更年期(閉経年齢が50歳として45~55歳を更年期と考えた場合)にも、更年期と似た症状が起こることがあります。
更年期のめまいは何科にかかれば良いのか
更年期にめまいを感じた場合、まずは耳鼻咽喉科に受診しましょう。
更年期障害によるめまいと考える前に、めまいを起こす代表的な病気のメニエール病、前庭神経炎などの耳に実際に異常がある疾患の可能性がないかどうかの診断を受けることが大事です。
耳や脳に異常が見られず、更年期障害によるめまいが疑われる場合は、産婦人科や更年期を専門に扱う更年期外来を受診するのがおすすめです。
更年期の諸症状の薬物治療について
更年期障害ではめまい以外にも、ほてり・発汗、息切れ・動悸、不眠など様々な症状がみられ、更年期の諸症状の薬物治療はホルモン剤、漢方薬、抗不安薬や睡眠薬などがあります。
ホルモン剤は更年期で不足した女性ホルモンを補充するホルモン補充療法で使われます。ホルモン補充療法は、更年期で起こる症状のほてりや発汗に対して有効とされています2)。
心身の調和をはかり更年期における様々な症状を緩和する漢方薬には、医師から処方される薬以外にも市販薬もあります。
また、睡眠薬や抗不安薬はイライラや抑うつなどの精神症状に使われます。
ホルモンバランスの乱れ
更年期に限らず若い女性にも多く見られるめまい。
女性には生理周期によるホルモンの変動、更年期の急激なホルモンの低下といった、ホルモンバランスの変化があります。ホルモンバランスの乱れによって起こる自律神経の乱れやストレスがめまいを起こす原因として考えられています。
めまいが急に起きた場合はまず安静にします。それでもめまいが続いたり、激しい頭痛・吐き気・手足のしびれなどの症状を伴う場合、すぐに医療機関の受診が必要です。救急外来か、近くの内科・耳鼻咽喉科などを受診しましょう。
また女性は貧血によるめまい、ふらつきが起こることもあります。月経量が多く、日中もショーツ1枚で収まりきらない、夜間ショーツやパッドを変えるために何回も起きることのあるような方は、子宮筋腫など月経量が多くなる疾患がないかどうか確認するために早めの婦人科受診をおすすめします。
また、前述の通り自律神経の乱れやストレスからめまいが生じることがあります。その場合、できるだけストレスがかかるのを避けたり、充分な睡眠時間の確保、適度な運動や趣味によりストレス発散することが大切です。
まとめ
更年期によるめまいと薬物治療について紹介しました。
また若い女性でもホルモンバランスの変化によりめまいを起こす可能性もあります。
年齢に関わらず、めまいが続く場合は医師に相談してみるようにしましょう。
自分のホルモンバランスが乱れているか分からない場合は婦人科で検査をするか、canvasの検査キットを試してみるのもおすすめです。
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参考文献
1)Seong-Hae Jeong.Benign Paroxysmal Positional Vertigo Risk Factors Unique to Perimenopausal Women.2020
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33178127/
2)久光製薬株式会社.エストラーナテープ0.72mg インタビューフォーム.2020