コラーゲンの効果的な接種方法や食べ物は?女性ホルモンとの関係も詳しく解説

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

40代に入ると肌の老化のサインが気になりませんか。しわやたるみ、ハリのなさなど40代以降の多くの女性が直面する肌の老化。肌に良さそうなイメージのあるコラーゲンが、実際どのように皮膚に届くのかについて解説します。

また、コラーゲンと女性ホルモンの密接な関わりや女性ホルモンを整える漢方薬についても紹介しています。肌の老化が気になる方やコラーゲンの効果的な摂取方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。 この記事でわかること

  • コラーゲンの効果や効果的な摂取方法
  • コラーゲンが多く含まれる食品や摂取量
  • コラーゲンと密接に関わる女性ホルモンを整える漢方薬

コラーゲンとは

コラーゲンとは、人の皮膚や腱、軟骨などの組織を構成する繊維状のタンパク質のことです。体内に存在するタンパク質の30%ほどを占めており、そのうち40%は皮膚に存在すると言われています。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、肌内部のコラーゲン生成を促進し、肌にハリやツヤを生み出します。

女性ホルモンが不足するとコラーゲン生成がうまくいかなくなるため、必要に応じて漢方などを用いて女性ホルモンを整えることがコラーゲン生成に重要と言えます。

 

コラーゲンの効果

コラーゲンは肌に良いイメージが強いですが、実際にどのような働きをするのでしょう。コラーゲンが減少すると皮膚のたるみやしわだけでなく、関節炎や骨粗鬆症、動脈硬化、眼精疲労などにつながると言われています。

イメージの通りコラーゲンは肌を支え、ハリを生み出します。他にも骨においてカルシウムの定着を助けたり、関節の軟骨部では潤滑油のような働きもします。血管壁の傷を治したり、健康な目や爪、髪のためにも働いています。 

コラーゲンの効果的な摂取方法

ここでは、コラーゲンの効果的な摂取方法についてお伝えします。コラーゲンを意識したつもりでもほとんど摂れていなかった、というのは大変もったいないことです。

いつ、どのくらいの量を摂取するのが良いのか、何かと組み合わせて摂る必要があるのかなどを紹介します。

コラーゲンの摂取量の目安

日本人の食事摂取基準においてコラーゲンの基準値は定められていませんが、1日5〜10g程度の摂取が必要と言われています。高分子であるコラーゲンは、摂取してもそのまま皮膚へ到達することは考えにくく、コラーゲンを構成するアミノ酸やペプチドに分解して吸収されます1)。

魚由来のコラーゲンペプチドを2.5g/日・5g/日・10g/日と量を変えて摂取したところ、摂取量が増えるほど皮膚の角質水分量の増加が認められ、10g/日による副作用の報告はありませんでした1)。

このことからも1日10g程度の摂取が適切と考えられます。

コラーゲンはいつ摂取すればいい?

コラーゲンを栄養ドリンクやサプリメントなどの形で摂取する場合は、寝る前に飲むのがおすすめです。人間の体は寝ている間に成長ホルモンが分泌され、皮膚や筋肉などが作られます。

お肌のゴールデンタイムと呼ばれる22時から翌2時ごろまでの「成長ホルモンが最も分泌される時間」に合わせると良いでしょう。

ただ、コラーゲンは体内に吸収されてから24時間程度でなくなってしまうので、毎日継続して無理なく摂取することも大切です。

ビタミンCや鉄分と一緒に摂取する

コラーゲンはアミノ酸やコラーゲンペプチドとして吸収された後、再度コラーゲンに合成されます。体内でのコラーゲン合成を助けてくれるのがビタミンCや鉄分です。

ビタミンCはキウイやイチゴ、ブロッコリーなどに多く含まれています。

成人女性の摂取量の目安は1日100mgです2)。鉄分はレバーやアサリ、ほうれん草などに多く含まれています。月経があるかないかで鉄分の摂取目安は異なり、月経がある場合は1日10.5mg、月経がない場合は1日6.5mgと定められています。

プロリンと一緒に摂取する

プロリンは、コラーゲンを構成している非必須アミノ酸のひとつです。そのためコラーゲンを多く含む食品、例えばゼラチンや肉類のすじなどには必ず含まれていると言えます。

プロリンは体内でビタミンCや鉄によりヒドロキシプロリンへと変換され、コラーゲンの構造を安定させる働きをもたらします。

また、ヒドロキシプロリンを含むペプチドは皮膚線維芽細胞の増殖を促進するとともに、ヒアルロン酸産生を増加させることがわかっています1)。

寝る前にアミノ酸を摂取する

先にも述べた通り、人間は寝ている間に成長ホルモンが分泌され、皮膚や筋肉が作られます。それを手助けしてくれるアミノ酸を寝る前に摂ると良いでしょう。

例えばGABAと呼ばれるγ-アミノ酪酸やグリシンにはリラックス効果があり、安眠をサポートする働きがあります。

効果が続くのは1〜2時間程度であるため、寝る前に摂るのがおすすめです。寝る前にこれらを「食事」として摂ると消化活動で安眠が妨げられるので、サプリメントで摂るのが良いでしょう。

コラーゲンが多く含まれる食べ物は?

コラーゲンが多く含まれる食べ物は、主に動物性食品と海洋性食品に分けられます。動物性食品は、鶏手羽や鶏ガラ、豚足、牛すじなどです。海洋性食品は、フカヒレやカレイ、魚の皮、うなぎなどが挙げられます。

さらに、動物性のコラーゲンを加熱処理して作られた食べ物としてゼラチンがあります。

ゼラチンは食品に含まれるコラーゲンより吸収が早いため、飲み物に混ぜたり、ゼリーなどを利用すれば手軽にコラーゲンを摂ることができます。

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コラーゲンを摂りすぎるとどうなる?

コラーゲンは皮膚のために良いと言われていますが、摂りすぎには注意が必要です。コラーゲンを多く含む食品に共通していることは、脂質も多く含まれていることです。

コラーゲンを意識するあまり、知らないうちに過剰な脂質を摂り続けると、体内で脂肪として蓄積されてしまいます。また、皮脂が過剰に分泌されニキビができたり、消化の過程で肝臓や腎臓に負担をかけてしまうことも考えられます。

適切な量を守りつつ、ひとつの食材に偏らない食事を心がけましょう。

漢方で女性ホルモンを整えてコラーゲン生成の手助けをしよう

コラーゲンの摂取方法について紹介してきましたが、体内に吸収され、効果を発揮するためには女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが重要になります。

ここでは、女性ホルモンを整えるのに有効な漢方薬や、その購入方法についてお伝えします。

おすすめの漢方薬

漢方薬は一般的に直接的に女性ホルモンにはたらきかけるというよりも、体質を改善する、体調を整えることで女性ホルモンを正しいバランスへ導く効果があります。「婦人科三大処方」と呼ばれる当帰芍薬散や加味逍遙散、桂枝茯苓丸は使用頻度が高い漢方薬です3)。

これらは女性ホルモンの乱れや減少が原因で起こる月経異常、更年期障害、むくみ、心身の不調の改善に効果があることが知られています。

これらの症状はそれ自体がストレスとなり女性ホルモンの更なる乱れを引き起こしますが、漢方薬によりこうした症状を改善することで、結果的に女性ホルモンを整える効果が期待できます。

そのため漢方薬は自分の体質に合わせたものを内服することが重要ですが、三大漢方の他にも体質や今ある悩みに応じて柴胡加竜骨牡蠣湯、加味帰脾湯などが使われることもあり、数多くある漢方薬の中から自分で漢方薬を選ぶのは難しいことがわかります。

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まとめ

年齢とともに肌のハリが失われシワが目立つというのは、誰もが経験するものです。皮膚や美容に良いと言われているコラーゲンですが、直接皮膚へ作用するものではなく小さなアミノ酸やペプチドの形で吸収されて体内で再度合成されます。

体内のコラーゲン生成にはビタミンCや鉄などの他、女性ホルモンも大きく関わっていることがわかっています。

サプリメントやバランスの摂れた食事で効果的にコラーゲンを摂取しながら、日頃の生活も見直してみてください。

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参考文献

1)大原浩樹ら,「コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角質水分量の改善効果」,日本食品科学工学会誌,第56巻,第3号,2009https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/56/3/56_3_137/_pdf

2)厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,2020https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586554.pdf

3)日本産科婦人科学会,「産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2020」,2020https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf

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