2025.04.29

30代でも自然妊娠できる？妊娠確率を上げる方法をわかりやすく解説

この記事の監修者

前田裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月　東京大学医学部医学科卒業
2015年3月　川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月　神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月　国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月　日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月　東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

「30代は自然妊娠できる？」「妊娠する確率を上げる方法を知りたい」と悩んでいませんか？
30代になると自然妊娠する確率は年齢とともに徐々に低下します。特に女性は35歳を過ぎると、妊娠しやすさの低下が加速する傾向があります。そのため、30代で妊娠を希望する方は早めに自分の体と向き合い、妊娠する可能性を高める方法を知っておくことが大切です。この記事では30代の妊娠確率と、それを高める具体的な方法を紹介します。さらに、すぐに妊娠できる人の特徴や、パートナーとの相性など、多くの方が気になるポイントもお伝えします。

この記事でわかること

30代の女性が自然妊娠する確率とは
【年齢別】30代の女性が自然妊娠する確率
30代の妊娠確率は前半と後半で大きく変わる
年齢とともに妊娠確率が低下する原因
30代でも妊娠確率を上げるためには
妊娠を希望するなら今の自分の体の状況を把握しておこう
30代になったら一度婦人科を受診しよう

30代の女性が自然妊娠する確率とは

30代の女性が自然妊娠する確率は、年齢を重ねるごとに徐々に低下していきます。この時期になると、不妊につながる可能性のある健康上の問題が増えるだけでなく、妊よう性（妊娠するための身体的な力）の低下も顕著になってきます。
女性の20代は妊よう性（妊娠する能力）がピークとなり、自然妊娠する確率も最も高い時期です。30代に入ると妊よう性の低下が始まるため、自然妊娠の可能性も少しずつ下がっていきます。すぐに妊娠できる人の特徴として、20代で妊活を始める方が多いのはこのためです。

【年齢別】30代の女性が自然妊娠する確率

30代は自然妊娠する確率が低下するため、不妊症と診断される頻度も年齢とともに増加します。
妊娠を希望している健康な男女のカップルでは、3か月以内に約半数、6ヶ月以内に約70%、1年以内には90％近くが妊娠に至ると言われています。1年以上妊娠を希望しても妊娠に至らない状態を医学的に不妊症と呼びます。
年齢別の自然妊娠確率の参考として、女性の年齢別における不妊の割合のデータがあります。女性の年齢と不妊症には強い関連性があり、以下のデータからも30代から不妊症の割合が増加し、自然妊娠確率が下がることがわかります。

女性の年齢	不妊率
25～29歳	9%
30～34歳	15%
35～39歳	30%
40～44歳	64%

30代の妊娠確率は前半と後半で大きく変わる

30代でも35歳を過ぎると妊よう性の低下が急速に進むため、妊娠確率もさらに低下します。そのため、30代前半と後半では妊娠確率に差が出てきます。ここでは、30代前半と後半の妊娠確率について詳しく解説します。

30代前半は自然妊娠する確率が比較的高い

30代前半であれば、自然妊娠する確率は比較的高いとされています。妊よう性は20代がピークになりますが、30歳を過ぎたからといって急激に下がるものではなく、緩やかに低下していきます。
ただし、30代前半でも年齢を重ねるごとに自然妊娠する確率は少しずつ下がるため、パートナーと一緒に計画的に妊活を進めることが大切です。特に2人以上の子どもを希望する場合は、早めの妊娠計画が推奨されます。

年齢が上がるにつれて妊娠確率は下がる

30代でも35歳を過ぎると妊よう性の低下が急速に進むため、自然妊娠の確率だけでなく、生殖補助医療（不妊治療）を受けている方も含めて妊娠確率は低下します。
日本産婦人科学会が公表しているARTデータブックによると、35歳くらいまでは生殖補助医療を受けると4割程度は妊娠できるものの、35歳を過ぎると妊娠率が急に低下することがわかっています。
そのため、30代でも半ばを過ぎて妊娠を考える場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

年齢とともに妊娠確率が下がる原因

年齢とともに妊娠確率が下がる主な原因は卵子の質の低下です。ただし、卵子の質が低下する原因やメカニズムの詳細は解明されておらず、現状では有効な治療法は確立されていません。
また、年齢を重ねると不妊につながる可能性のある疾患にかかるリスクも高まります。例えば、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気は、子宮や卵管など妊娠に必要な臓器に影響を与え、自然妊娠しにくい状態を引き起こすことがあります。

30代でも妊娠確率を上げるためには

加齢による自然妊娠確率の低下は避けられませんが、子どもを希望するタイミングは人それぞれです。30代から妊活を始める方も多いでしょう。ここでは、30代の女性が妊娠確率を高める方法について解説します。
すぐに妊娠できる人には、男性の体調や夫婦の相性など、さまざまな要素が関わっています。以下の対策を実践することで、妊娠の可能性を高めることができるでしょう。

生活習慣を整える
性交の回数を増やす
冷え性などの体質を改善する
ホルモンバランスを整える

生活習慣を整える

妊娠確率を高めるためには、まず生活習慣の見直しから始めましょう。バランスの良い食生活、適度な運動と十分な睡眠、禁煙・過度な飲酒を控えるなどの生活改善が効果的です。
特に肥満は男女ともに不妊の原因となるため、健康的な食事や適度な運動で適正体重を維持することも重要です。男性パートナーの体調も妊娠には大きく影響するので、カップルで一緒に健康的な生活習慣を心がけましょう。
生活習慣の見直しは妊娠確率を高めるだけでなく、健康維持にもつながります。ぜひパートナーと協力して生活習慣の改善に取り組んでみてください。

性交の回数を増やす

30代で妊娠確率を高めるために、性交の回数を適切に増やすことも大切です。
排卵の4日前から排卵の前日までの間に、1〜2日おきのペースで性交すると妊娠確率が高まるとされています。すぐに妊娠できる人の特徴として、この排卵周期に合わせたタイミングを把握していることが挙げられます。
ただし、年齢を重ねると仕事の忙しさなどから性交の回数が減る傾向があり、排卵日に合わせて月に1回だけ行うカップルも少なくありません。特定の日だけに性交を限定することはパートナーとのコミュニケーションにも影響が出る可能性があるため、日頃から自然な形で性交の回数を増やすことが大切です。

冷え性などの体質を改善する

体が冷えて血流が悪くなると、卵巣や子宮など生殖機能に関わる臓器に十分な栄養が届かなくなり、妊娠しにくくなる可能性があります。冷え性の方は、日常生活から体を温める対策が必要です。冷え性の対策

生活習慣を整える
湯船につかる習慣をつける
夏場でも体を冷やす食べ物や飲み物の取りすぎは避ける
漢方薬を服用する

漢方医学の考え方では、冷え性による不妊症は改善可能な症状と考えられています。ただし、冷え性に伴う不妊症に用いられる漢方薬にもさまざまな種類があるため、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが重要です。
canvasのオーダーメイド漢方は、自分に合った漢方薬をLINEで専門家に相談しながら自宅で購入できるサービスです。冷え症の方で妊娠確率を高めたい方は、漢方薬の服用も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスが乱れると排卵がスムーズに行われず、妊娠しにくくなる可能性があります。
月経周期は脳から分泌されるホルモンによってコントロールされています。強いストレスや過度なダイエット、肥満、不規則な生活などがあると排卵が行われなくなる可能性もあるため、注意が必要です。排卵がスムーズに行われないと、妊娠しやすいタイミングを把握しづらくなったり、不妊の原因になったりします。
ホルモンバランスを整えるためにも、規則正しい生活やストレス管理を意識しましょう。すぐに妊娠できる人は、こうしたホルモンバランスが整っていることが多いようです。

妊娠を希望するなら今の自分の体の状況を把握しておこう

30代から妊娠を希望する場合、卵巣機能に関わるホルモンの状態や卵巣予備能の検査を早めに受けることが推奨されます。卵巣予備能の検査とは、女性の体に残っている卵子の数を予測する検査です。今後排卵できる期間が長いか短いかを予想するのに役立ちます。
ホルモン検査は医療機関で受けられますが、自宅で気軽にチェックできるホルモン検査キットも選択肢の一つです。
Women's Fertility Check（ブライダルチェック）は自宅で排卵・卵子の数・体調に重要な役割を持つホルモンの値から、妊娠に向けた身体の状況や今の体調にホルモンがどう影響しているかをセルフチェックできます。
病院を受診する時間がないという忙しい方は、まずは自宅用ホルモン検査キットから試してみることも一つの方法です。

30代になったら早めに一度婦人科を受診しよう

30代で妊活を開始する場合、妊娠に影響する病気が隠れていないか確認するためにも、早めに婦人科を受診しましょう。
もし妊娠の経過に影響を与える病気や不妊の原因となる病気が見つかった場合、適切な治療を受けることで妊娠までの時間を短縮できる可能性があります。
ホルモン検査だけでなく、超音波検査で子宮や卵巣の状態を確認したり、婦人科医に妊活のタイミングを相談したりすることも重要です。すぐに妊娠できる人は、こうした医学的なサポートを早い段階で受けている傾向があります。