「肩こりがつらい」「なぜ肩がこるんだろう?」「どうにか肩こりを治したい」という悩みを抱えていませんか?実は肩こりに悩む女性はたくさんいます。
「肩がこるのは仕方ない」と諦めてしまうと、肩こりが長期化したり、悪化するかもしれません。また、別の病気が隠れている可能性もあります。
この記事では、肩こりの原因や解消方法についてご紹介します。少しでも肩こりを解消したいという方は、ぜひ一読ください。
この記事でわかること
- 肩こりが起こる原因
- 女性で肩こりが起こりやすい人の特徴
- 肩こりを解消する7つの方法
肩こりとは
肩こりとは、首筋や肩の筋肉が固くなり、痛みやだるさを感じる状態です。肩こりがひどい人は頭痛や吐き気を伴うこともあります。
厚生労働省の「2019年の国民生活基礎調査の概況」によると、男女共に多数の人が肩こりを自覚しており、肩こりは多くの人を悩ませる症状といえます。
【性別にみた有訴者率の上位5症状(複数回答)】
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 腰痛 | 肩こり | 鼻がつまる 鼻汁が出る |
せきやたんが出る | 手足の関節が痛む |
女性 | 肩こり | 腰痛 | 手足の関節が痛む | 体がだるい | 頭痛 |
肩こりの原因
肩こりは、肩周辺を支える筋肉の血行不良が原因で起こります。首から背中にかけて大きく広がっているのが僧帽筋です。
僧帽筋は姿勢の維持や首、肩関節、肩甲骨の動きをサポートする役割があり、日常動作による負担がかかりやすく、体型や姿勢などの影響で血流が悪くなることがあります。
また、冷え性や女性ホルモンの乱れによっても血行不良は引き起こされます。次の項目では、肩こりが起こりやすい女性の特徴について、一緒に見ていきましょう。
女性で肩こりが起こりやすい人の特徴
肩こりが起こりやすい女性の特徴には、
- 筋肉量が少ない
- 血流が悪い
- デスクワークが多い
- 肩に負担のかかる服装をしている
- 血流が悪い
- 猫背になっている
などが挙げられます。
これらの特徴は肩こりを引き起こす原因になりやすく、中には複数当てはまる…という人もいるかもしれません。それぞれの特徴について詳しく解説していきましょう。
筋肉量が少ない
男性よりも女性の方が肩こりを感じやすい背景には、頭や胸を支える筋肉量が少ないことなどが考えられます。
女性の場合、男性と比べると首が細く、筋肉量も少ないため、頭を支える首や肩周りに負担がかかりやすい状態です。一般的な頭の重さは、約5〜6kgといわれています。
さらに、胸が大きい人は腕や肩を動かしにくくなるため肩周りの筋肉がほぐれにくくなったり、ブラジャーのひもが肩へと食い込んで負荷がかかったり血流が悪くなったりもします。
女性ホルモンなどによる冷え性などの血流の影響
肩こりを引き起こす血行不良は、女性ホルモンの変化による冷え症が関係している場合があります。
女性ホルモンと肩こりの関係は、はっきり解明されてはいませんが、実際に40代以上の女性が更年期障害の症状として肩こりを訴える人は多いです。一方、20代の若い女性でもPMS(月経前症候群)の症状で肩こりに悩む人は少なくありません。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、血管の老化を防ぐ作用があり、血流にも深く関係しています。現在冷えや肩こりで悩んでいて、その原因が更年期に関連したものかどうかを調べたい方は、女性ホルモンのバランスを自宅で調べられるホルモン検査キットをおすすめします。
デスクワークが多い
デスクワークが多い人は、骨格が歪んだり、首から背中にかけての筋肉が緊張して、血流が滞りやすくなります。
理想的な姿勢は腕が体の横にあり、肩が前に突き出していない状態です。しかし、デスクワークをする際には腕を前に伸ばすため、肩が前に突き出した状態や上半身が前方に倒れた姿勢になります。
このような姿勢が崩れた状態でいると、筋肉や関節に大きな負担を与えたり、骨格が歪む原因となります。また、同じ姿勢を長時間続けていると、筋肉がこわばり、血行が悪くなります。
肩に負担がかかる服装をしている
服装が肩や肩周辺の筋肉に負担をかけることで、肩こりを引き起こす可能性があります。
肩に負担をかける服装には、次のようなものが挙げられます。
- 肩幅が狭い服
- 重たいコート
- フードの重たいパーカー
- 窮屈な下着
- 体型に合わないスーツ
- 伸縮性のない服
- 服の重ね着
- ショルダーバッグ など
肩周辺の動きを制限する服装は、筋肉を動かしてほぐすことができません。肩周辺の筋肉を動かさないと血流が滞り、冷えや肩こりが生じてしまうこともありますので、ご注意ください。
猫背になっている
猫背になっていると、肩や背中の筋肉をこわばらせ、血行不良に陥りやすくなります。猫背とは首や肩が前方に突き出し、背中が丸まっている姿勢です。筋肉が偏った方向に引っ張られるため、肩や背中に負担がかかります。
猫背になる原因は、腹筋や背筋の衰え、長時間のデスクワークなど、日常生活の影響が考えられます。他にも高身長や胸の大きさにコンプレックスを抱いている人が、高身長や胸を隠したい気持ちから猫背になっているケースもあります。
猫背は肩こりだけでなく、歪んだ骨格が内臓を圧迫することもあるので注意しましょう。
肩こりを解消する方法
女性に多いひどい肩こりの治し方は、肩こりの原因となる血行不良の改善が効果的です。自分で行えるストレッチ、ツボ押し、生活習慣の改善から取り組んでみましょう。
他にも漢方薬の力を借りたり、お灸や整体などの施術を受けることで肩こりの改善が期待できます。詳しく解説いたします。
ストレッチをする
肩こりを解消するには、肩甲骨周辺の筋肉を動かし、血流を促すことが効果的です。
▷ストレッチ①
- 両腕を180度、横に広げる
- ひじを曲げ、肩に手をおく
- ひじで円を描くように、30秒間大きく回す
【ポイント】
左右の肩甲骨を近づけたり遠ざけたり、動きを意識して行いましょう。
▷ストレッチ②
- 足を肩幅にひらき、後ろで手を組む
- 組んだ手を高く持ち上げ、10秒キープ
- 力を抜き、1〜2を3回繰り返す
【ポイント】
組んだ腕を持ち上げる時は、背筋を伸ばして行います。胸を開き、肩甲骨の距離が近づくことを意識しましょう。
▷ストレッチ③
- 背筋を伸ばし、両肩を高く持ち上げ、3秒キープ
- 肩の力を抜き、リラックス
- 1〜2を5回繰り返す
【ポイント】
肩を上げる時は、肩を耳に近づけるイメージで行いましょう。
肩こりに効くツボを押す
肩こりに効くツボを刺激することで、痛みの緩和が期待できます。押した時にジーンとくる場所がツボです。
▷ツボ①|肩井(けんせい)
首の付け根の中央から肩までの距離の真ん中の位置。
1、2、3と数えながらだんだん力を入れ、4、5、6でゆっくり力を抜くとよいでしょう。
拳で軽く叩いてもOK。
▷ツボ②|臀臑(ひじゅ)
肩の先端にある骨から腕側に向かっておよそ指4本分の位置。三角筋の先端よりやや内側です。軽く押しながら揉むように刺激しましょう。
生活習慣を整える
普段の生活を見直し、良い習慣を心がけることで、肩こりを軽減したり予防することができます。
1.適度な運動
デスクワークや車移動の多い人は運動不足になりがちです。歩くことを意識したり、隙間時間にできるストレッチを取り入れましょう。
2.正しい姿勢
スマホを長時間見たり、寝転んでテレビや本を見る習慣のある人は歪んだ姿勢になりがちです。あごを引き、背中を反りすぎない程度に背筋を伸ばしましょう。
3.ストレス解消
ストレスがたまっていると自律神経が乱れたり、ホルモンバランスが崩れ、冷えを起こしやすくなります。気分転換を心がけましょう。
4.十分な休息や睡眠
疲れがたまったり、睡眠不足の状態が続くと、肩こりや冷えだけではなく、さまざまな病を引き起こす原因となります。リラックスできる環境を整えましょう。
5.バランスの取れた食事
痩せすぎや太りすぎは肩こりになりやすい体型です。痩せすぎると体を支える筋肉量が足りず、逆に太りすぎると体への負担が増えてしまいます。暴飲暴食は避けてバランスの良い食事を摂るようにしましょう。
身体を冷やさないようにする
入浴で身体を温めたり、温かい服装を心がけると血行が良くなり、肩こりを改善できます。
特に首から背中にかけて広がる僧帽筋を温めると、肩甲骨と肩甲骨の間を通っている太い血管が温められ、上半身の血のめぐりが良くなります。
貼るホッカイロで背中を温めたり、温かいインナーや冷え性解消グッズなどを活用しましょう。また、手軽に肩を温める方法として、電子レンジ(600wで30秒ほど)で温めた蒸しタオルを肩に当てるのもおすすめです。
水分を摂取する
身体の水分量が少ないと血液がドロドロになったり老廃物がたまるため、水分摂取は大切です。私たちの身体の約60%は水分でできています。体内の水分は全身をめぐる血液となったり、老廃物を運んだり、体温の調節をする大切な役割があります。
1日に2リットルの水分をとるのが望ましいといわれていますが、一般的な和食のメニューは水分量を多く含む食事が豊富なため、食事以外の水分補給としては約1リットルを目安にし、こまめな水分補給を心がけましょう。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れによって引き起こされる肩こりに対し、漢方薬などを使用して改善を図る方法もあります。
漢方医学においてホルモンバランスが乱れた時に生じる症状は、「気」と「血」の滞りが影響していると考えられています。
「気」や「血」のめぐりを改善するには、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が有効です。
ホルモンバランスを調べるには、産婦人科や婦人科の病院を受診しなければなりません。忙しくて病院を受診する時間がない、肩こりを理由に病院を受診するのに抵抗がある、という方は自宅で検査できるホルモン検査キットがおすすめです。
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お灸や整体に通う
ツボを刺激したり、筋肉をほぐしたりすることで、体の自然治癒力を促進するお灸や整体も効果的です。
お灸はツボに温熱刺激を加えることで、血行の促進やリンパの流れを改善します。鍼灸院で施術を受ける方法もありますが、自宅でできるお灸もドラッグストアなどで販売されています。
整体は指圧やマッサージによって、身体の歪みや全身のバランスを整えられます。整体には決まった施術方法はなく、整体院によって施術方法はさまざまです。
肩こりに別の病気が潜んでいる可能性も
肩こりだと思っていたら、別の病気が潜んでいた…というケースもあります。たとえば心臓の病気、首や肩の病気、脳の病気などです。
心筋梗塞や狭心症の場合、胸が痛むのと同時に肩に痛みを感じることがあります。肩こりの他に、胸、奥歯、腕、みぞおちなど上半身の痛みを伴う際は、循環器内科を受診しましょう。
五十肩や頚椎椎間板ヘルニアの場合、肩こりの他にも首の痛みや手のしびれを感じたりします。整形外科を受診すると良いでしょう。
肩こりの他に頭痛や吐き気を伴う場合、くも膜下出血の前兆かもしれません。脳神経外科を受診しましょう。
まとめ
肩こりを引き起こす主な原因は、肩周りの血行不良です。特に首から背中にかけて広がる僧帽筋は日常生活の動作や姿勢による負担を受けやすく、特に女性はホルモンバランスや冷え性によって血行不良を起こしやすくなります。
血行を良くするために、自分で行えるストレッチ、ツボ押し、生活習慣の改善から始めてみましょう。他にも漢方薬、お灸、整体なども肩こりの改善が期待できます。
肩こりには心臓の病気、首や肩の病気、脳の病気などが潜んでいる可能性もあるため、肩こりが長期化していたり、気になる症状がある時は病院の受診を検討しましょう。