「ピルでPMS症状は緩和される?」「ピルが効かなくなる原因は何?」「ピルはどこで買うといい?保険適応される?」
あなたはこのような疑問を抱えていないでしょうか?この記事では、ピルがPMS症状に与える影響や、ピルの飲み方などについて詳しく解説します。 PMS症状に対するピルの効果が気になっている方は、ぜひご一読ください。
この記事でわかること
- PMSに処方されるピルの種類
- ピルがPMSに及ぼす影響
- ピルを服用するメリット・デメリット
- ピルの値段
- ピルが効かなくなる原因
PMSとピルについて
PMSとは、Premenstrual Syndromeの略で、日本語名は「月経前症候群」です。月経の約1週間前から起こる頭痛やイライラ、お腹の張りなどの症状のことをいいます。ピルは、女性ホルモンのバランスを安定させることでPMS症状を改善します。
PMSに処方されるピルの種類
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが配合されており、ホルモンの配合量によって「中用量ピル」「低用量ピル」「超低用量ピル」があります。
ホルモンの配合量が少ないほど副作用のリスクが低いため、最近では低用量、超低用量ピルを用いることが多くなっています。
PMSの改善に処方されるのは低用量または超低用量ピルが一般的です。低用量・超低用量ピルの中から、飲み方や個人の体質に合わせて医師が処方します。
ピルがPMSに及ぼす影響
PMSの原因の一つに「女性ホルモンの揺らぎ」があるとされており、そのためPMS症状の緩和には、。ピルは、PMSで悩む回数を減らしたい方や月経血が多い方にもおすすめです。低用量ピルの「ヤーズフレックス」なら月経を3ヶ月に1度だけにすることも可能です。
PMS対策のピルの飲み方
ピルは基本的に、1日1錠服用します。ピルは朝昼晩いつでも服用可能ですが、飲み忘れのないように自分で飲む時間を決めて同じ時間帯に服用しましょう。
ピルには、1シートが「28錠タイプ」と「21錠タイプ」の2種類があります。
- 28錠タイプ:21錠はホルモンが入った実薬で、残りの7錠は何も入っていない偽薬です。
- 21錠タイプ:21錠の実薬を飲み切って7日間お休みした後に次のシートを開始します。
初めてピルを使う方には、28錠タイプのピルがおすすめです。毎日実薬と偽薬の何かしらを服用するのでルーティーン化しやすく、飲み忘れ防止にも効果的です。
もし飲み忘れてしまった場合には、気が付いたときに早めに前日分を飲み、当日分はいつもの時間に飲みます(1日2錠)。翌日以降も普段どおり服用してかまいません。
これ以外の場合で飲み忘れがあった場合は必ずかかりつけ医療施設にの指示に従ってください。
PMS対策にピルを服用するメリット・デメリット
「ピルを服用するメリットって何?」「PMSにピルが効果的なことはわかったけど、服用する上で注意することはないの?」という方へ、PMS対策にピルを服用するメリット・デメリットを紹介します。
メリット
PMS対策にピルを使用するメリットは以下の通りです。
- PMS症状が緩和される
- 月経血の量が減る
PMS症状が緩和される
ピルを服用することで、PMSの症状の緩和が期待できます。ピルには少量の女性ホルモンが含まれており、飲むことで身体から出るホルモンの量を抑えることで女性ホルモンのゆらぎを落ち着かせる効果があるためです。
PMSは月経前後の大きなホルモンの揺らぎや、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンが増えることで起こるとされています。そのため、プロゲステロンの出る量を抑え女性ホルモンの波を小さく保つことでPMS症状を抑えることができるのです。
月経血の量が減る
低用量ピルには生理の元となる子宮内膜を薄く保つ作用があり、そのため月経血の量を減らす作用があります。
デメリット
PMS対策にピルを使用するデメリットは以下の通りです。
- 毎日の服用が手間
- 副作用が出る場合がある
- 血栓症のリスクがある
毎日の服用が手間
低用量ピルは「毎日1錠ずつ」を「同じ時間滞」に飲み続ける必要があるため、手間がかかります。飲み忘れてしまうと日数によってはピルの効果が薄れる可能性があります。
吐き気や頭痛などの作用が出る場合がある
ピルの服用を始めてから1〜2か月目に、吐き気や頭痛などの副作用がでることがあります。ただし症状の程度は人それぞれで、副作用が強く出る方もいれば全く出ない方もいます。 しかしこのような軽度の症状は、飲み始めから1~2か月ほどで治まることがほとんどです。それ以上経過しても症状が改善しないときは医師に相談しましょう。
血栓症のリスク
低用量ピルの服用で懸念される重大な副作用の1つが血栓症です。しかし、血栓症を発症する確率はかなり低く、持病がなく健康状態に問題のない方であれば、年間1万人に3~9人ほどです1)。
またこのような副作用の初期症状や体調の変化などを見逃さないためにも、定期的に検診や血液検査を受けることも重要です。
なお、費用面が心配な方もいると思いますが、PMSの治療目的でピルが処方される際、保険適応になる場合があります。保険適用になれば3割の自己負担で手軽にPMSの治療ができます。ただ、保険適用で処方を受ける場合は検査代や初診料など追加料金がかかるので注意しましょう。
ピルに関するよくある疑問
ピルに関するよくある疑問として、以下の3つについてご紹介します。
- ピルの買い方
- ピルの値段は?保険は適用される?
- ピルに副作用はある?
それでは、それぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。
ピルの買い方
ピルを購入するためには、病院で診察を受けて買う方法やネットでのオンライン診療を受ける方法があります。今現在、ドラッグストアなどでの市販薬としての取り扱いはないので注意 しましょう。
仕事で忙しくてなかなか病院に行けない方は、スマホで完結できるオンライン診療が便利です。診察や処方箋が必要ないような通販サイトのピルは、品質が良いのか、そもそも本物なのかどうかも分からないのが現実です。必ず診察を受けた上で自分の身体に合ったピルを服用しましょう。
ピルの値段は?保険は適用される?
PMS症状の改善目的で使う低用量ピルの相場は、1ヶ月分(1シート)で約2,500〜3,000円です。
薬の値段にプラスして、初診料や診察料もかかることが一般的です。診察料は1,000~2,000円程度が相場で、クリニックによっては検査料がかかることもあります
PMSの治療が目的の場合、医師の判断の元で、保険適用のピルが使用できる場合があります。保険適用されるピルには、「ルナベル®配合錠LD」や「ルナベル®配合錠ULD」、「ヤーズ®配合錠」などがあります。
ピルに副作用はある?
低用量ピルの飲み始めには、頭痛や吐き気などの軽度な副作用が出ることがあります。その他にも胸のハリや痛み、不正出血、下腹部痛などが起こる場合があります。 ただこれらの副作用の多くは、1~2ヶ月ほど服用を継続していくうちに治まることが多いです。
吐き気などに対して処方を追加してもらえることもあるので、病院受診の際にはしっかりと自分のことを話せるようにしましょう。 ピルの服用を長く続ける上で注意するべき副作用は「血栓症」です。血栓症は、血管が詰まって臓器障害が起こる病気です。ピルの服用中は定期的な診察や血液検査を受けてピルを安全に使用しましょう。
ピルがPMSに効かない(効かなくなった)原因
「ピルを服用していたけど、途中から効かなくなった」
「ピルでPMSが改善されていたのに、症状が悪化してきた」
「ピルを飲んでも症状が変わらない」
このような経験はないでしょうか?
ピルを服用してもPMS症状が改善されない場合は「女性ホルモンの乱れ」以外の原因が身心の不調をもたらしている可能性があります。PMSは女性ホルモンのバランスが崩れることによって起こりますが、実際にはストレスなどの精神的要因も関与しているといわれています。
ピルを服用しても月経周期に関係なくイライラや気分の落ち込みが続く際は、一度医師に相談することをおすすめします。
漢方を取り入れて諸症状の緩和につながることも
つらいPMSの症状には漢方薬の服用も有効です。漢方薬は、その人の体質や生活習慣など様々なことを総合的に見直し、体の内側から緩やかに症状を改善していくものです。漢方薬には様々なものがありますが、PMSの症状に有効な漢方薬は以下のとおりです。
- 加味逍遙散(カミショウヨウサン):ストレスによるめまいや頭痛、不安、イライラ、発汗など
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン):めまい、肩こり、腰痛、足腰の冷え、頭重など
PMSの症状には個人差があり、症状にあった漢方薬の服用が必要です。漢方薬はゆっくり症状を改善してくれるので、生活に取り入れやすいため、すこしずつでも症状を軽くしたいといった方はぜひ医師や薬剤師に相談してみてください。
ネットで漢方薬を注文するには
漢方薬の処方は産婦人科でも受けられますが、医師監修の問診をLINEで無料で受けられ、自分にあったオーダーメイドの漢方薬を受けられるネットサービスもあります。 なんらかの理由で病院へ行く時間が取れず、自分にあった漢方薬を受けたい場合はネットでの注文も考えてみましょう。
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まとめ
毎月、月経前にこころやからだの不調に悩むことはとても辛いですよね。 ピルを飲むことでPMS症状が緩和できれば、日常生活が過ごしやすくなります。 今回は、以下のような内容について解説しました。
- ピルは、女性ホルモンを安定させることでPMSを改善する
- ピルは毎日1錠、決まった時間帯に服用する必要がある
- ピルが効かない場合はストレスなどの要因が症状を引き起こしている可能性がある
参考文献
1) 平成27年3月 低用量経口避妊薬, 低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)CQ40 VTE リスクの説明は?73 https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf