ホルモンバランスの乱れで起こる症状や原因|ホルモンバランスを整える方法

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

ホルモンバランスの乱れによる症状や原因、そしてホルモンバランスを整える方法について詳しく解説するこの記事では、女性が気になるホルモンバランスの乱れに焦点を当てています。

まず、ホルモンバランスとは何か、ホルモンバランスの乱れが引き起こす症状やその原因について説明します。

その後、食事や運動、ストレス発散、ツボ押しやマッサージ、漢方薬の活用といったホルモンバランスを整えるための具体的な方法を紹介します。

また、自宅で利用できるホルモン検査キットの有用性などを紹介しています。

この記事でわかること

  • ホルモンバランスの乱れが引き起こす一般的な症状とその原因
  • 食事や運動、ストレス発散、ツボ押しやマッサージ、漢方薬の活用といった方法によるホルモンバランスの整え方
  • 自宅で利用できるホルモン検査キットの有用性

ホルモンバランスとは

ホルモンは血液を通じて様々な臓器に影響を与えます。

ホルモンバランスの乱れは、女性の健康や生活の質に直結する重要な要素

ホルモンの過剰または不足は、月経不順や生理痛の悪化、情緒の不安定さなどの症状を引き起こすことがあります。

適切な生活習慣の確立や医師との相談は、ホルモンバランスの乱れを改善する手助けとなります1)。

ホルモンバランスが乱れたら起こりやすい症状

ホルモンバランスが乱れると、以下のような症状が起こりやすくなります。

  • 月経の異常:生理周期の変化や出血量の増減が見られることがあります。
  • 生理痛の悪化:子宮内膜の状態の変化や子宮が収縮することにより、生理痛が強くなることがあります。
  • 情緒の不安定さ:ホルモンが乱れると、イライラ感や情緒不安定が現れることがあります。
  • 肌トラブル:皮脂分泌や角質の代謝が乱れ、ニキビや乾燥肌などの肌トラブルが起こることがあります。
  • 体重の変動:ホルモンの乱れによって、体重が増減することがあります。

これらの症状は、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。エストロゲンとプロゲステロンなどのホルモンが適切な時期に、適切なリズムで分泌されるかどうかが問題になります。

ホルモンバランスの乱れの程度や個人差によって症状は異なります。また、ストレスや生活環境も症状に関与することがあります。

ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスの乱れは、様々な原因によって引き起こされます。以下に一般的な原因を示します。

  • 生理周期や更年期など
  • ストレスや精神的な負担
  • 不規則な生活リズムや睡眠不足
  • 栄養不足や食生活の乱れ
  • 過度のダイエットや運動不足
  • 妊娠や出産に伴うホルモンの変化

これらの要因によってホルモンバランスが乱れ、月経不順、生理痛の悪化、情緒の不安定さ、肌トラブル、体重の変動などの症状が現れることがあります

ホルモンバランスの乱れに関する専門知識を持つ医師の診断や相談を受け、適切な対策を行うことが重要です。

ホルモンバランスを整える方法

ホルモンバランスの乱れによって引き起こされる月経不順、生理痛の悪化、情緒の不安定さ、肌トラブル、体重の変動を改善するためには、以下の方法が役立ちます。

食事

食事にはホルモンバランスの調整に役立つ栄養素を取り入れることが重要です。

月経不順や生理痛の緩和には、抗炎症作用や抗酸化作用のある食品が効果的です。

例えば、カルシウムやマグネシウムを含む乳製品や緑黄色野菜、オメガ3脂肪酸を含む魚介類などがおすすめです。血糖値の上昇を抑えることも重要です。

適度な運動

適度な運動はホルモンバランスの調整に効果的です。

有酸素運動やトレーニング、ヨガなどの運動は、血液循環を促進し、ホルモンバランスを整える助けとなります。

また、運動をすることで、情緒を安定させ、ストレス軽減にも役立ちます。

ストレス発散

ストレスはホルモンバランスに悪影響を与えることがあります。

ストレスを軽減するためには、リラックス法などのストレス解消方法を取り入れましょう。

例えば、瞑想や深呼吸、ウォーキング、趣味に時間を割くなど、自分に合った方法を選びましょう。

ツボ押しやマッサージ

月経不順、生理痛の悪化、情緒の不安定さ、肌トラブル、体重の変動に対して、ツボ押しやマッサージは効果的な方法です。

以下で、具体的なツボやマッサージの方法を紹介します。

【内くるぶし上部の内反ツボ(足三里)】

ふくらはぎの外側にあるくるぶしの骨の間にあるツボです。

月経不順や生理痛の緩和に効果があります。

【手の甲の合谷(ごうこく)ツボ】

手の甲の親指と人差し指の付け根の骨の間にあるツボです。

情緒の安定やストレスの緩和に効果があります。

【腹部マッサージ】

お腹を円を描くようにやさしくマッサージします。

血液の流れを整え、月経不順や生理痛の緩和に役立ちます。

【腰部マッサージ】

腰を指圧したり、揉んだりします。

腰の筋肉をほぐすことで、生理痛や体重の変動を緩和する効果があります。

ツボ押しやマッサージは、自分の体に合った強さや時間で行うことが大切です。専門家の指導やアドバイスを受けながら行うこともおすすめです。

漢方薬を活用する

月経不順、生理痛の悪化、情緒の不安定さ、肌トラブル、体重の変動には、以下の漢方薬がおすすめです。

【当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)】

月経不順や生理痛の改善に効果的です。

当帰や芍薬などの生薬が含まれており、血行促進や子宮の調整に働きます。

【桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)】

情緒の不安定さやイライラ感の緩和に効果的です。

桂枝や茯苓などの生薬が含まれており、気の巡りを整える効果があります。

【加味逍遙散(かみしょうようさん)】

情緒の不安定さや体調の不調に対して緩和効果があります。

茯苓や柴胡などの生薬が含まれており、気のバランスを整える効果があります。

これらの漢方薬は、体質や症状に合わせて処方されるため、漢方医師の指導を受けることが重要です。

正しい用法・用量を守り、定期的な服用を行うことで効果が期待できます。漢方薬は症状を改善し、体のバランスを整える働きがあります。

ホルモンバランスの状態を自宅で調べられます

気になる症状があれば、自宅で手軽に検査ができるホルモン検査キットを利用することがおすすめです。

ホルモンと自律神経には複雑な関係にあり、自分の体の状態を正確に把握することは難しいものです。

しかし、ホルモン検査をすることで自身のホルモンバランスの傾向を知ることができ、適切な対策や治療につなげる第一歩となります。

以下はホルモン検査キットの紹介です。
(年代や症状によって異なるキットがあります)

【Women’s Fertility Check(ブライダルチェック)】

妊活に取り組む上で重要な、女性ホルモンや、卵巣年齢、甲状腺ホルモンなどを総合的にチェックできるキットです。

妊活に取り組む方だけでなく、月経不順にお悩みの方や、将来に備えて自分の身体をチェックしたい方など、あらゆる女性に役立つキットになっています

検査キット「Women’s Fertility Check(ブライダルチェック)」はこちら

【AMH Check(卵巣年齢)】

「卵巣年齢」をセルフチェックできるキットです。いつから妊活を始めるかといったライフプランを考えることに役立つ検査です。

検査キット「AMH Check (卵巣年齢)」はこちら

【Menopause Check(更年期)】

更年期の症状やホルモンバランスの変化を調べるキットです。更年期に関連するホルモンの検査が可能です。

検査キット「Menopause Check(更年期)」はこちら

これらのホルモン検査キットを使用することで、自宅で手軽にホルモンバランスの状態を把握することができます。

検査結果をもとに、必要なケアや専門医の相談を行うことで、より健康的な生活を送ることができます。

医師や薬剤師に相談して漢方薬を処方してもらおう

漢方薬は個人の体質や症状に合わせて処方されることが重要です。

医師や薬剤師に相談し、適切な漢方薬を処方してもらうことをおすすめします。症状や体のバランスを総合的に判断し、最適な漢方薬を選んでもらいましょう。

canvasでは、専門の医師がオンライン相談を通じて個々の症状や体調に合わせた漢方薬を処方しています。オーダーメイドの漢方薬は、個々のニーズに合わせて調整され、より効果的な治療が期待できます。

産後の不調など特定の状況でも使用できる漢方薬も提供されています。母乳への漢方薬の影響が気になる方も多いのではないでしょうか。
その場合は、母乳中の薬の濃度が高くなるのは2~3時間後と言われていますので、その時間帯を避けていただくことをおすすめしています。

オーダーメイド漢方定期便

まとめ

ホルモンバランスの乱れによる症状や原因、そしてホルモンバランスを整える方法について解説しました。

ホルモンバランスの乱れは月経不順や生理痛の悪化、情緒の不安定さ、肌トラブル、体重の変動などの症状を引き起こすことがあります。

原因としてはストレスや食生活の乱れ、加齢などが挙げられます。

ホルモンバランスを整えるためには、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスの発散、ツボ押しやマッサージ、漢方薬の活用などが有効です。

自宅で利用できるホルモン検査キットや医師や薬剤師への相談もおすすめです。ホルモンバランスを整えるために適切なケアを行うことで健康な生活を送ることができます。

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