どんなタイプが急に老け顔になりやすい?良い歳の取り方ができるように対策法も紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

老けて見えると言われている顔のシワ、たるみ、シミなどは、加齢によって現れる現象として仕方のないことですが、加齢以外にも、長年の習慣や環境から早い年齢で現れたり、進むスピードが早かったりする場合があります。

完全に消したり現れないようにすることは難しいですが、日頃の対策で予防や改善することが可能です。老け顔に見えてしまう要因と、老け顔に見えない対策をご紹介します。

この記事でわかること

  • 老け顔に見えてしまう原因は?
  • 女性ホルモンが外見に影響することはあるの?
  • 老け顔に見られやすい顔の形があるってほんと?
  • 老け顔に見られないようにするための対策

老け顔に見える原因は?

急に老け顔に見られるようになったと感じる原因は、今までは目立たなかったたるみ、シワ、シミなど外見上の特徴があることが多いようです。これらの外見上の特徴は、加齢によって出現します。

一方、年齢よりも老け顔に見えてしまう場合は、たるみ、シワ、シミなどが急激に出て来たり、同じ年代の人に比べて際立って外見に現れている可能性があります。

では、老け顔に見える外見上の特徴を詳しくみていきましょう。 

たるみ

老け顔に見える特徴のもっとも代表的なものは、肌のたるみです。顔の肌がたるむと、肌のハリがなくなり、フェイスラインもぼやけてしまいます。肌がたるむことでほうれい線も目立つようになります。

例えば、顔とは関係ない部分でも、二の腕やヒップライン、膝の上なども肌がたるむことでハリがなくなり、垂れ下がったように見えてしまいます。顔も同様に同じことが言えます。

シワ

加齢によってシワが現れることは自然現象です。しかし、シワが目立ちすぎたり、若い年齢でシワが現れたりすると実年齢よりも老け顔に見えてしまいます。

特に目の周り、眉間、口元、首のシワは目立ちやすく、老け顔に見られやすくなります。

シワは、加齢によって現れる現象ですが、肌の乾燥によってさらにシワができやすくなります。出来てしまったシワを消すのは大変ですので、シワができにくい対策をすることが大切です。

シミ

顔のシミが目立つと顔全体がくすんで見えてしまい、暗く見えてしまうため、老けた印象を与えてしまいます。

そばかす程度であればメイクで隠したりできますが、大きく目立つシミが複数できると、老化が進んでいるように見えてしまいます。

シミはある程度進行を止めることができますので、メイクで隠す対策だけではなくシミが濃くならない対策をとることが大切です。

くすみ

肌の明るさが暗くなり、透明感がなくなることをくすみと言います。本来の肌の明るさよりも顔全体が暗く見えてしまうため、シミ同様に老けた印象を与えてしまう可能性があります。

くすみは、シワの原因でもある乾燥や血行不良からも現れます。肌は通常ターンオーバーと呼ばれる生まれ変わりを繰り返しています。目には見えない古い角質がはがれ、新しい肌が生まれます。

このターンオーバーができずに角質が積み重なり、肌のキメがなくなると肌本来の明るさがなくなり、くすんでしまうのです。

肌の乾燥

肌が潤っていてモチモチしている人はそれだけで若く見えます。赤ちゃんの肌を想像するとよいでしょう。

さらに、肌の乾燥は、シワの最も大きな原因とされています。もちろんシワが増えれば老け顔に見られやすくなります。

肌の乾燥は冬の乾燥した気候などの外的要因の他に、自身の肌の皮脂分泌量や細胞間脂質、保湿などの不足で引き起こされます。

ローションなどでケアをしないまま放っておくと深いシワになってしまいます。目尻の小じわなどはスキンケア対策で多少目立たなくすることは可能かもしれませんが、深いシワは一度できるとなかなか取れないので注意が必要です。

ほうれい線

ほうれい線とは、小鼻の下あたりから口の両側を通り、あごに続くラインにできるシワのことを言います。

肌が綺麗で透明感があったとしても、ほうれい線があるだけで年齢よりも老けて見えてしまいます。それほどほうれい線は顔の印象を左右する特徴になります。

このほうれい線ができてしまう原因には顔のたたるみが考えられます。顔の筋肉(表情筋など)が衰えてきたり、真皮内のコラーゲンの劣化や減少などでダメージを受けた真皮はハリや弾力を失ってしまうため、頬を支える力が低下していきます。これがほうれい線ができてしまうメカニズムであると考えられています。

目の下のクマ

目の下のクマは、睡眠不足の時に出るというイメージが強く疲れている印象を与えがちです。

クマ自体は、若い人や睡眠不足でも出ますので、それ自体は加齢のサインではありませんが、目の下のクマは目の下の肌がたるんでいるように見えるため、老けて見える場合があります。

クマには「茶クマ」「青クマ」「黒クマ」などいくつかあり、原因がそれぞれ異なります。

  • 茶クマ:目をこすったりすることで色素が沈着するもの
  • 青クマ:睡眠不足が主な原因
  • 黒クマは:目の下の脂肪が原因(クマの9割を占めると言われている)

上記のように言われています。これは加齢とともに皮膚や筋肉が弱くなってきて脂肪が前に押し出されることでふくらみや影となりクマができます。この黒クマが目立つと目の下のふくらみがたるんでいるように見えるので老けて見えてしまうのです。

見た目には女性ホルモンも関係している

女性の見た目は、女性ホルモンが関係していると言われています。更年期が近づく40代になると少しずつ女性ホルモンの分泌が減少しはじめ、肌の弾力を保つ役割があるコラーゲン繊維やエラスチン繊維の変性による機能が低下したり皮脂分泌が減少することで、肌が乾燥してシワやたるみが進んでしまいます。

また、女性ホルモンが減少することで骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすくなることは有名ですが、肌を支える顔の骨にも影響すると言われています。

筋肉や脂肪の土台となっている骨が委縮すればその上にのっている筋肉や脂肪はたるんでしまうことになります。つまり、顔の骨がもろくなればなるほど顔のたるみが進行しやすくなるのです。

また、骨の萎縮に伴って眼窩(がんか:眼球がはいっている頭骨前面の穴)が広がりその結果目の下がくぼんで見えるようになるため更に老け顔が進行してしまうのです。

どんなタイプが急に老け顔になりやすい?

老け顔には、たるみやシミ、クマなどの他に、顔のパーツの作りも影響していると言われています。

たとえば、あごが細めの人はほうれい線ができやすいとか、目が大きい人は目の周りのシワができやすいなどの特徴がありますので、老け顔になりやすい顔の作りというのもあるようです。

まずはご自身の顔のパーツの作りを知っておくことも大切です。老け顔になりやすい顔の作りを4つご紹介します。

たるみタイプ

顔の骨格や筋肉や脂肪の付き方の違いから区別されるたるみタイプとコケ・凹みタイプ。

たるみタイプとは、丸顔や卵型の丸みのある顔の輪郭で特に顎が細い場合、顔の頬骨あたりの肉のたるみが目立ちやすいため老け顔になりやすいと言えます。太ったり痩せたりを繰り返している場合も、たるみが増しやすくなり老けて見えることになります。

コケ・凹みタイプ

一方、コケ・凹みタイプとは、顔の骨格がしっかりしていて顔の脂肪が比較的少ないタイプをいいます。

頬をつまんでもほぼ脂肪がつかめないのが特徴です。特に、やせ型の人は顔もコケ・凹みタイプの人が多いようです。コケ・凹みのタイプは、顔に肉がないため肌のハリがなく、シワも目立ち、やつれて見えるため老け顔に見られがちです。

くすみタイプ

骨格ではなく、肌の色の違いから区別されるくすみタイプとシミそばかすタイプ。

くすみタイプとは、文字どおり顔全体がくすんでいるタイプを言います。アトピー性皮膚炎を持っている人や、乾燥肌の人もくすみやすくなります。また、日焼けをしやすい人や角質をこするようなケアを日頃からしている人は、肌に潤いがない状態で乾燥しやすくなるため、くすみやすくなります。

シミ・そばかすタイプ

シミやそばかすは、先天的な要素と、継続的に紫外線を浴びるなどの後天的な要素の2種類があります

両親にそばかすがあったり、生まれつきそばかすがあるなど、先天的な要素が強い場合、若いうちからケアや対策をすることで、シミ・そばかすの程度を抑えることは可能です。

また、サーフィンなど日頃から紫外線を長時間浴びるような環境にいる場合、そうでない人よりもシミやそばかすができやすくなるように、後天的な要素も大きくシミ・そばかすの発生に影響します。

良い歳の取り方が出来るように対策をしよう

ある程度の加齢による老化は仕方のないことですが、老け顔に見られてしまうことは、日頃のケアや対策で避けることができます。

紫外線対策、保湿、顔のエクササイズなどの外部からの対策や、老化の原因と言われている酸化を防ぐ抗酸化物質を多く含むものを食べるなど身体の内部からケアする方法など、毎日の生活習慣で気を付けていくことから始めてみましょう。

紫外線対策

シミだけではなく、シワやたるみの対策のためにも紫外線対策はしっかり行いましょう。

紫外線を浴びると、光老化がおこると言われています。光老化とは、紫外線によって肌がダメージを受けてシミ、シワ、たるみなどが現れることです。

肌が紫外線にあたることで、コラーゲンやエラスチンが破壊され、肌の弾力が低下してたるみやシワができるのです。世界では紫外線が老化を招く報告がされています1)2)。

外に出る時は年間を通して帽子を着用したり、毎朝日焼け止めを塗ったりして紫外線対策をしっかり行いましょう。

保湿

くすみによる老け顔を防ぐには、毎日の保湿ケアで潤いを保つことができる肌をキープすることが大切です。

 

肌が乾燥すると、透明感がなくなり光の反射量が減少し肌が暗く見えるため、くすんで見えてしまいます。

老け顔対策のために、アンチエイジングケアに集中しがちですが、まずは保湿ケアをすることから始めましょう。シワやシミだからと言って、高価なアンチエイジング用の化粧品などを使う必要は必ずしもなく、肌が乾燥しないように保湿することを心がけるだけでも十分対策となります。

顔のエクササイズ

顔のエクササイズも老け顔を予防できます。肌のたるみは、コラーゲンやエラスチンなどの肌のハリを保つ成分の減少からくるだけではなく、筋力の低下によっても現れます。加齢によって顔の筋肉が衰えてくると、筋肉の上に覆っている脂肪や皮膚を支えることができなくなり、たるみとなります。

顔の筋肉が衰える原因は、加齢とその筋肉を使用しないことが挙げられます。加齢は仕方のないことですが、日々顔の筋肉を意識するだけで衰えを避けることができます。 簡単にできる顔のエクササイズをいくつか紹介します。

  1. あいうえお体操:「あ」「い」「う」「え」「お」と口をゆっくりと大きく開けましょう。

    声は出しても出さなくてもどちらでも大丈夫です。

    顔全体の筋肉が使われていることを意識しましょう。

  2. 舌だしエクササイズ:上を向いて、舌を出すエクササイズです。

    舌を出したりひっこめたりを繰り返します。顎周りの引き締まりに有効です。

それ以外にも毎日笑顔でいることを意識したり、食事の際には左右バランスよく噛むことも大切です。片方のみで噛む癖があると、使わない側の筋肉が衰えバランスが悪くなりたるんでしまいますので、注意しましょう。

漢方で女性ホルモンを整える

上述のとおり、女性の見た目は女性ホルモンが関係していると言われていますので、女性ホルモンを整えることは、肌の調子や見た目を改善していくことにつながります。

女性ホルモンを整える方法として様々な方法がありますが、身体の内側から、からだ全体のバランスを改善していくという考えの漢方もお勧めです。

婦人科の三大漢方薬と呼ばれる漢方には、

  • 当帰芍薬散
  • 加味逍遥散
  • 桂枝茯苓丸

などがありますが、ご自身の体調や体質にあったものを選び、時間をかけてホルモンバランスを改善していくのがよいでしょう。

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漢方は、正しく服用しないと効果が得られない場合があります。過剰に摂取してしまったり、複数の漢方薬を同時に服用することで、それぞれの漢方薬に含まれる生薬のバランスが乱れ、効果が薄れることもあります。

効果が相反する作用を持つものもありますので、正しい知識を持った医師や薬剤師など専門家のアドバイスに従って服用することをおすすめします。

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まとめ

どんな女性でも老け顔に見られることは気分のよいものではありません。「シワやシミは消えないから」「整形でもしないと若返ることはできない」などと諦めず、悪化しないように日頃の積み重ねが老け顔に見えない顔への近道になります。

漢方や食事で内面から女性ホルモンを整えていくことや紫外線対策や保湿で外面から予防することが大切です。

参考文献

1)Fighting against skin aging Shoubing Zhang1,2 and Enkui Duan 2018 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6047276/

2)A new wrinkle on old skin: the role of elastic fibres in skin ageing A. K. Langton, M. J. Sherratt, C. E. M. Griffiths, R. E. B. Watson 2010 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1468-2494.2010.00574.x

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