顔のシミを美容皮膚科で治療したい|保険は適用?費用や治療期間などご紹介

この記事の監修者

前田 裕斗

産婦人科専門医

経歴

2013年3月 東京大学医学部医学科卒業
2015年3月 川崎市立川崎病院にて初期臨床研修修了
2015年4月 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科専攻医
2018年4月 国立成育医療研究センター産科フェロー
2018年10月 日本産科婦人科学会産婦人科専門医取得
2021年4月 東京医科歯科大学国際健康推進医学分野博士課程在学

「シミ治療したほうがいいのかな?」「治療にいくらかかるんだろう?」「保険はきくのかな?」と悩んでいませんか?費用を安く済ませようとして、自己流でシミ対策を頑張っている人は少なくありません。

実はシミをセルフケアのみで改善することは非常に困難です。しかもシミにはたくさんの種類があり、最適な治療方法も異なります。 この記事では、シミの治療方法、保険適用の有無、治療にかかる費用や期間について解説します。

この記事でわかること
  • シミ治療は美容皮膚科がおすすめな理由
  • 美容皮膚科でのシミ治療とは
  • シミ治療で保険適用されるシミの種類

シミとは

シミとは、肌に蓄積したメラニンが部分的に茶色や黒色に見える状態のことです。シミには老人性色素斑、そばかす、肝斑、色素沈着など、さまざまな種類があります。

老人性色素肝斑

老人性色素斑とは、年齢を重ねるごとに色が濃くなるシミです。頬や手の甲などにできやすく、シミの中でも最も多くみられます。 老人性色素斑を引き起こす主な原因は、紫外線です。紫外線により生成されたメラニンが排出されずに蓄積すると、老人性色素斑を引き起こします。

そばかす

そばかすとは、鼻や目の下、頬にできる小さなシミの集まりです。顔以外に腕、肩、背中などにもみられ、紫外線の強い春〜夏は濃くなることがあります。 そばかすを引き起こす主な原因は、遺伝と言われています。成長とともに濃くなり、思春期を過ぎると薄くなる傾向にあります。

肝斑

肝斑とは、頬にできる左右対称の大きなシミです。30代以降の女性に多くみられます。 肝斑を引き起こす主な原因は厳密にはわかっていませんが、ホルモンバランスの影響が大きいと考えられています。

妊娠中やピル服用中、または更年期や婦人科系の疾患がきっかけでできることがあります。 その他、皮膚の摩擦やストレスなども肝斑を悪化させる原因と言われています。

色素沈着

色素沈着とは、皮膚の炎症後に茶色く残るシミです。皮膚のダメージを修復するために生成されたメラニンが蓄積することで起こります。

色素沈着を引き起こす主な原因は、ニキビ、湿疹、虫刺され、傷、やけどなどの皮膚の炎症です。時間が経過すると、シミが薄くなったり消えることがあります。 シミを引き起こす原因は、紫外線、遺伝、皮膚の炎症だけではありません。食生活やたばこなど、生活習慣の影響も受けます。

シミの治療に美容皮膚科や美容クリニックがおすすめな理由

シミ治療は美容皮膚科や美容クリニックで受けられます。がんこなシミほど自分で治すことは困難です。 美容皮膚科や美容クリニックでシミ治療を受けると、シミの治りが早く、今後シミになりそうなメラニンまで対応できます。詳しくご説明しましょう。

シミを自分で治すのは難しい

シミを消すには、専門家による診断、治療が効果的です。自分でできるシミ対策としては、紫外線予防、スキンケア、シミにきく栄養素の摂取などが挙げられます。

しかし、できてしまったシミをピンポイントで消すことはできません。 また、自己流のシミ対策では、間違った対策方法を続けてしまう可能性もあります。美容皮膚科や美容クリニックでシミ治療を行うと、シミの種類に合わせた最適な治療方法を専門家が判断してくれるので安心です。

シミの治りが早い

美容皮膚科や美容クリニックで行うシミ治療は、短期間でのシミ改善が期待できます。一度できてしまったシミは、肌のターンオーバーによってメラニンが排出されるまで消えません。しかも自然に消えることはあまり期待できず、市販の美白化粧品を使っていても効果を感じられないこともしばしばです。

美容皮膚科や美容クリニックで行うレーザー治療では、シミのもととなるメラニンを直接破壊し、内服薬や外用薬を用いた治療では、肌のターンオーバーを促しメラニンの排出をサポートします。そのため市販の美白化粧品でケアするよりも早くシミを改善できます。

長年のがんこなシミを緩和できる

長年にわたり蓄積したメラニンによるがんこなシミも、美容皮膚科や美容クリニックで行うシミ治療なら改善が見込めます。シミは長い時間の積み重ねによってできるものであり、年齢を重ねるごとに肌のターンオーバーのサイクルが長くなることを踏まえると、セルフケアだけでの改善は期待できません。

消えないからといって、できたシミをそのまま放置するとイボのように膨れあがる脂漏性角化症に進展するケースもあります。またシミと思っていたもののなかに実は病気が隠れていることもあります。

美容皮膚科や美容クリニックでは、シミのもととなるメラニンに直接はたらきかける治療を行います。治療方法はシミの種類や状態によってさまざまです。長年のがんこなシミは専門家に相談しましょう。

今後シミになりそうなシミの卵にも

美容皮膚科や美容クリニックでのシミ治療は、見た目にはわからない潜在的なシミにも効果が期待できます。 通常、紫外線を浴びたからといって、すぐにシミができるわけではありません。

肌のターンオーバーによって排出しきれなかったメラニンの蓄積が、シミを形成します。 一見シミのない肌でも、肌の奥にシミの予備軍が潜んでいる可能性は高く、数年後にシミとなって急にあらわれる場合もあります。

美容皮膚科や美容クリニックでは、肌の浅い層から深い層まで作用するレーザー治療もあり、今後シミになりそうなシミの卵にもアプローチが可能です。

美容皮膚科や美容クリニックでのシミ治療について

シミの種類や抱えている肌の悩みによって、美容皮膚科や美容クリニックで行うシミ治療は異なります。

鏡を見るたびに憂鬱になったり、セルフケアでなかなか改善できない人は、美容皮膚科や美容クリニックでのシミ治療がおすすめです。治療方法、治療にかかる費用や期間、保険が適用されるシミについて解説します。

シミの治療方法

シミ治療は主に、レーザー・光治療、内服治療、外用薬治療の3つがあります。

【レーザー・光治療】
特徴 シミの部分にレーザーや光を直接照射し、肌のメラニンを破壊する方法です。破壊されたメラニンは、肌のターンオーバーによって排出されます。
メリット 即効性があり、内服や外用薬のみの治療より高い効果が期待できます。
デメリット 内服や外用薬を用いた治療より費用が高くかかります。レーザーや光によっては痛みを伴ったり、赤みを帯びることがあります。
【内服治療】
特徴 シミに効果のある成分を内服することで、シミのもととなるメラニンの生成を抑制したり、排出を促したり、体の中からシミにはたらきかける方法です。シミに有効な成分には、L-システイン、ビタミンC、トラネキサム酸などがあります。
メリット シミに有効な成分を効率よく、手軽に摂取できます。
デメリット 効果を得るためには、用法用量を守り、数ヶ月間継続する必要があります。
【外用薬治療】
特徴 肌に塗ることでシミの予防や改善を行う方法です。主な有効成分としては、ハイドロキノン、ビタミンC誘導体、コウジ酸、リノール酸、プラセンタなどがあります。
メリット 試すハードルが低く、手軽に使用できます。
デメリット 効果を得るためには、数ヶ月間継続する必要があります。肌に合わなかった場合、かぶれてしまうかもしれません。

 

治療費

レーザー・光治療、内服や外用治療薬にかかる費用の一例をご紹介します。 レーザー治療(QスイッチYAGレーザー)

クリニック 1回あたりの費用(顔全体)
クリニックA 66,000円
クリニックB 24,000円
クリニックC 22,000円
光治療(フォトフェイシャル)
クリニック 1回あたりの費用(顔全体)
クリニックA 35,200円
クリニックB 38,500円
クリニックC 44,000円
内服薬(トラネキサム酸)
クリニック 30日分の費用
クリニックA 3,300円
クリニックB 1,200円
クリニックC 4,620円
外用薬(ハイドロキノン) ハイドロキノン(5%)5g
クリニック 30日分の費用
クリニックA 1,800円
クリニックB 1,650円
クリニックC 1,080円

 

シミ治療で保険適用できるシミの種類

紫外線や加齢によってできたシミの治療は、保険が適用されません。保険が適用されるシミは、生まれつきのもの、病気によるもの、ケガによるものなどです。

保険が適用されるシミ 太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着、ADM(後天性メラノサイトーシス)など
保険が適用されないシミ 老人性色素斑、そばかす、肝斑、炎症後色素沈着など
  • 太田母斑:子どもの頃から思春期にかけてできる青いあざのようなシミです。おでこ、目の周り、鼻、頬などにみられます。
  • 扁平母斑:生まれつき体にみられる茶色のシミです。思春期に濃くなったり、増えることがあります。
  • 異所性蒙古斑:おしり以外にできた青いあざ(蒙古斑)です。赤ちゃんのおしりにみられる蒙古斑は成長とともに消えますが、異所性蒙古斑は大人になっても消えないことがあります。
  • 外傷性色素沈着:ケガなどによってできた傷が原因でできるシミやあざです。
  • ADM(後天性メラノサイトーシス):本来なら紫外線の届かない肌の深い部分にメラニンが生成される茶色〜青色のシミです。頬や下まぶた、鼻、こめかみなど、左右対称にみられ、肝斑やそばかすと間違われるケースもあります。(美容皮膚科や美容クリニックによって保険適応外となることがあります)

治療期間

シミが改善するまでにかかる治療期間は、シミの種類、濃さ、治療方法によって異なります。また、「完全にシミを消したい」「目立たなくなればいい」など、シミ治療に求める結果も治療期間に影響します。 目安として、銀座肌クリニックで行うYAGレーザーと光治療にかかる治療期間をご紹介します。

【銀座肌クリニック】
シミ治療 治療期間
YAGレーザー
(ジェネシス)
約3〜4週間ごとに5回の治療が必要。
1回の照射で効果を実感する方もいる。
光治療
(ライムライト:IPL)
約4週間ごとに5回以上の治療がおすすめ。
1回の照射で効果を実感する方もいる。

まとめ

シミにはたくさんの種類があり、治療方法もさまざまです。基本的に美容目的のシミ治療では保険が適用されません。保険が適用されるシミ治療は、病気やケガによってできたシミや生まれつきあるシミです。

また、シミだと思うものでも、実は病気が隠れていることがあります。シミを効率よく、なおかつ最新・最良の方法で改善するためには、専門家の診断・治療が必要です。

セルフケアでシミが改善されなかった人、早くシミを消したい人、長年のがんこなシミに悩んでいる人は、美容皮膚科や美容クリニックに相談してみましょう。

この記事をシェア